非天マザー by B-CHAN

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映画「AVATAR」を見て、物理法則について思う

自然法則は変わらない

ボクは、実は映画大好き、映画マニアでもあります。
最近はめっきりですが、多いときは年間100本ほどの映画を見た年もありました。
まあ単なる趣味ですから、本職の映画評論家のように年間1000本というわけにはいきませんが。
好きな監督は、クエンティン・タランティーノとスタンリー・キューブリック他多数
好きな原作者はスティーヴン・キング、マイクル・クライトン他多数
好きな作品は無数にありますが、バウンド、ショーシャンクの空に、グリーンマイル、パルプ・フィクション、アメリ、レオン、アンタッチャブル、未来世紀ブラジル、時計じかけのオレンジ、うーんあげていったらキリがないです。
で、先日、話題の映画「AVATAR」を見てきました。
有名すぎるので知っている人も多いと思いますが、一応書きますと、この映画、ジェームズ・キャメロン監督の作品。
ジェームズ・キャメロンと言えば、ご存じタイタニックで映画史上第1位の興行収入を記録しています。
ボクもなぜかいろんな人に付き合わされて劇場で何度も見ました。
他に有名な作品と言えば、ターミネーター2ですね。
とにかく超大作の香りがプンプンする監督です。
で、このAVATAR。さっそく大ヒットしていて、すでに史上2位の興行収入に踊り出たそうです。
つまり、映画の歴史で興行収入1位2位をジェームズ・キャメロン監督が占めているわけです。
友達が、この映画の3Dについて触れていて、どうせ見るなら日本で今のところ4館しかないというIMAXシアターで見よう、ということで川崎の109シネマズで見ました。
ここは、流行の超巨大シネコンというやつで、全国的に見ても最新の映画館の一つでしょう。
この映画の最大の話題は3D映像で、どの映画館でもすべて立体メガネをかけて見るようになっています。
その3Dの方式にはいくつかあるんですが、IMAXもその方式の一つです。今のところ他の方式に比べて良いという評判です。
で、このAVATAR。見終わった瞬間の感想はたった一言。
「つ、つまんねえ脚本!」
これはボクが脚本に懲りまくった作品を好む傾向にある故の個人的な感想ですので、もちろんおもしろいと言っている人もたくさんいます。
ちなみに、タランティーノ監督のパルプ・フィクションを見終わった時の感想。
「どんだけ面白いんだよ!タランティーノって頭おかしいんじゃないの!?」
さてさて、AVATARのストーリーはともかく、3D映像は見ていて気持ちよかったですね。
映像ではなく、観客席の方が動いてるんじゃないかって錯覚する場面もたくさんある立体感でした。
ただ、新鮮さはそんなに無かったですね。
IMAXという立体映像システムは結構歴史が古くて、ボクも20年ほど前に大阪城公園で最初にIMAX映像を見ましたし、あと、大阪の天保山にも、その後、常設されているので、何度か見に行きました。
大阪のそれらのIMAXはドーム型で全天周映像、つまり上を見ても横を見ても後ろを見ても全部映像なのに対し、今回のAVATARのIMAX版は前方だけの巨大スクリーンでした。
前方だけでももちろん迫力ある3Dですが、なにぶん前方だけの視野を投影しているだけです。
例えば、ドーム型のIMAXは超広角レンズを2機使って、本当に上方や後方の映像を投影している(わかりにくい表現ですが、前方の視野映像を天井にまで広げて映しているのではなく、本当に撮影の段階で上方や後方の視野情報も入力している)ので、3Dの迫力という意味では、AVATARは見劣りしていました。
まあ、これは専用施設を建設して専用機材で撮影して専用スクリーンに投影するのと、一般の映画館に収まるように撮影して投影する映画の差ですから仕方がないでしょうね。
ただ、AVATARの方がフルデジタル処理をされているので、明瞭感は明らかに上でした。
また、音響効果は圧倒的に進化が感じられましたね。PCMの量子化技術が進み、機器の台数の増加も相まって立体感はすばらしかったです。途中、あえて何度も目を閉じて音だけ聞いたんですが、かえって立体感が増加したように感じるほどでした。
あと、3Dの映画と言えばジョーズ3ですね。ボクも子供の頃見に行きました。これも同じように立体メガネをかけるタイプで、AVATARと同じく字幕が手前に飛び出すなど、大迫力でした。
こうやって思うと、3Dの世界って、技術は進歩して制作はしやすくなっているんだけど、3Dの原理は何ら今も昔も変わらないということがよくわかります。
3D化の原理は、たった一言。左右の視差を利用する。それだけです。それはこれからも変わりません。
だって、それが自然界の法則ですから。人間の目が、左右に並んで少し離れて付いていて、右目と左目で少しだけずれた映像が脳に伝達されて奥行きを把握している以上、これは変えようがありません。
だからジョーズ3でもAVATARでも見せ方の方式や技術は異なれど、視差利用の原理はまったく同じであり、そうすれば立体に見えるのです。
そういう意味では、過去に、映画館とか専用のシアターで何度も立体映像を見てきてしまっているだけに、新鮮さはそんなに感じませんでした。
ジョーズと同じじゃん、ただそれだけです。原理が同じだから当たり前ですけどね。
人間の目は必要以上に飛び出すように見えるようにはできていません。あくまでも現実世界と同じように立体的に見えるだけです。
だから過去の映画の立体映像も現在の立体映像も立体感は同じです。現在の方がより飛び出して見える人は眼科に行った方がよいかもしれません。
といって迫力が無いと言っているのでは無いですよ。十分に迫力がありますので、そういう映像を見たい人にはAVATARはオススメです。

技術の進化

思えば、自然界の法則だけは未来永劫変わらないんですよね。人間の技術はどんどん進化しますが、それでも自然界の法則は変わりません。
大昔、人類は空を飛べませんでしたが、今は飛行機でどこにでも行けます。これも自然の重力の法則が変わったわけではなく、人間が、重力加速度を上回るだけの上昇加速度を発生するエネルギーを得る技術を開発しただけです。この原理もまた未来永劫変わりません。
コンピュータの演算処理速度も日進月歩で高速化していますが、これも電気信号が流れる早さが早くなっていっているわけではありません。電流の早さもまた自然界の法則の一つです。未来永劫変わりません。
コンピュータの処理速度の向上は、今まで無駄が多くて大幅に速度低下を招いていた部分を改良、効率化し、捨ててしまっていた電気の取りこぼしを少なくして、より無駄なく電気が流れるようにしただけの話です。いつか電流の速度を100%生かせる技術が登場したらそれ以上は高速化できません。実質的な高速化は並列処理で複数のことを同時にするしかないでしょう。
カメラでも同じですね。デジカメで言えば、同じ画素数なら、昔のデジカメよりも今のデジカメの方が画質はよいです。これは、今までは撮像素子が拾い切れていなかった光量を、回路を小型化するなどして、より光を遮るものを小さくして、たくさんの光を撮像素子に当てるようにしているからです。光が多いほど画質がよい、というのはフィルムカメラであろうと、デジカメであろうと、人間の目であろうと、昔からなんら変わっていません。
ずっと変わらない自然界の法則、原理の中で、より高画質、高音質、高速、高品質化していく、これは、無駄に捨てていた部分の有効利用、そういう歴史なんですね。
3D映像も今後はより高解像度デジタル化して映像自体はくっきりとしていくと思いますが、より飛び出すようにはなりません。
あくまでも現実世界と同じ立体感です。
人間の目で見る以上、現実世界よりも飛び出させるのは無理ですから。
これが変わって、もっと飛び出すようになるとすれば、
→自然界の法則が変わる→人間の左右の目の間隔がもっと広がる。
→立体映像ではなく、本当に手前に長い物体を動かす。→つまり本当に飛び出している。
→錯覚を利用する。錯視を利用した高度な絵画などは平面なのに立体だと思い込まされてしまう。
などが考えられます。まあ前者は、なかなか実現しませんね。
そんなことを、AVATARを見ながら、ぼんやり考えていました。

そんな中、キャメロン監督がヒロシマ・ナガサキ題材のノンフィクション作品の映画化権を獲得したみたいですね。
もちろん映画化はしてほしいけど、ノンフィクションを貫いて欲しいものです。