非天マザー by B-CHAN

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大量の画像を閲覧する高性能ツールPicasaとそのスクロールバー問題

製品は実際に使ってこそユーザビリティが見えてくる


かつて、画像閲覧ソフトと言えば群雄割拠だった気がします。
Susie、IrfanView、ViX、ACDSee、AbleCV、他にもたくさんありましたね。
ボクが一押ししていたのはAbleCVでした。最速を謳うソフトは他にもありましたが、実際に使ったところ、これが一番早かったと感じます。
長い間、これを超えるソフトが出てこなかったので、1155円のシェアウェアで10年間使いました。毎月約8円。ずいぶん安い高性能高機能ソフトです。
高速性能もさることながらめぼしい機能は一通り付いていて、特に類似画像検索(似た画像が複数あれば抽出してくれる機能。似ている度合いをパーセンテージで選べる)はユニークかつ有用でした。
唯一、足りないと思った機能はロスレス回転。このときだけ、ViXなど他のソフトを使っていました。
そんなAbleCVも10年たって、ついに我が家の主役の座を降りました。
Picasaがやってきたからです。
Picasaの場合、高速性とスムーズなユーザーインターフェースを兼ね備えており、リアルタイムでディスク内を監視するため、ユーザーが意識することなく画像が登録されていきます。
高速性とスムーズな操作性だけで十分に快適ですが、顔認識機能や、スター機能、GoogleEarthとの連携などがユニークですね。
ボクも、その高速性に惹かれてAbleCVから乗り換えました。
日本語版よりも英語版のほうが開発が早く、先に新しい機能が追加されるので、ボクは英語版を使っています。
そんなPicasaですが、ただ一点、サムネイル画面のスクロールバーだけが非常に使いにくいんですね。
Windowsなどで普通に使われているスクロールバーと違って、Picasaのスクロールバーは常に真ん中にあって、上下にずらすとその方向へスクロールします。大きくずらすとより早くスクロールするようになっています。
普通のスクロールバーなら、目的の箇所、例えば上から3分の2あたりへ移動したいと思えば、スクロールバーを上から3分の2あたりの場所へ移動すればすぐに移動できますし、逆にスクロールバーの位置から、上から3分の2あたりにいるんだと言うことがわかります。
Picasaの場合はそうはいかず、目的の場所まではひたすらスクロールで到着する必要がありますし、どのあたりにいるのかもさっぱりわかりません。
不便だなあ
と思ってネットを泳いでいると、こんな記事がありました。


「本当に素晴らしいデザイン」とは、PICASAの変なスクロールバーみたいなものを言う


これを読んで、ボクが思ったのは、よく何か商品を買って不便な部分を見つけたときに、
「この商品の製作者は自分で実際にこの商品をつかっているのだろうか?」
ということ。製作者が自分で使ってないからこんな欠点に気づかないんじゃ無かろうか?ってことです。
この記事によれば、3万枚の画像を普通のスクロールバーで見に行くと、1ピクセル動かしただけで3画面分スクロールしてしまう。
Picasaのスクロールバーはそれを解消した合理的な方法、とあります。

Picasaのスクロールバーは合理的では無い


まさに机上の理論で、実際に製作者は3万枚の画像をPicasaを使って見たことがないんじゃないか、と思わされてしまいます。
例えば、3万枚の画像の15000枚目の画像を見たいとしましょう。
普通のスクロールバーならバーを真ん中あたりに持って行けば瞬時にそのあたりへ移動します。あとはマウスホイールやカーソルキーなどを使って細かくスクロールすればいいのです。
3画面分スクロールしてしまう問題はこうやって簡単に解決します。
いっぽうのPicasaのスクロールバーなら、15000枚目の画像が出てくるまでひたすらスクロールして待ち続けなければいけません。大きくスライドすればスクロールも早くなりますが、そうすると目的の画像を見逃して行きすぎてしまう可能性があるので、あまり早くすることはできません。せめて現在地がどのあたりかがわかれば、そこへ到達するまでは高速スクロールで移動すればいいんですが、そんな機能もありません。行きすぎてしまっても、それすらわかりません。
つまり、とある画像を見に行く場合、普通のスクロールバーなら比較的簡単にたどり着けるものの、Picasaスクロールバーだと目を皿のようにして画面を見つめて時間をかけて見つけ出す必要があります。
「実際にPicasaを使っていれば」すぐにわかることです。
普通のスクロールバーの欠点は上に書いたように簡単に解決できますが、Picasaスクロールバーはこのように多数の不合理性を生み出しており、しかもそれを解決する手段がありません。
製作者にはきちんと実際にPicasaで3万枚の画像を見て使いこなしてもらいたいものです。そして欠点に気づいて欲しいです。
もし実際に使っていて気づいていないのなら、もう鈍感としか言いようがない・・・。
早急にPicasaのスクロールバーが一般的なタイプになることを願いつつ終了。