非天マザー by B-CHAN

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後輪駆動を採用する高級車が多い理由

後輪駆動の特徴


前回の、その1、では、FFのお話をしました。


前輪駆動が現在の多くの乗用車で採用されるメリットとは - 非天マザー by B-CHAN


知っている人にとってはわかりきった話を、超初心者向けに書いてみましたがいかがでしょうか。
今回は、FR編です。
その1を読んでいない人は先に読んでおいてくださいね〜。
では、先にイラストを貼ります。

後輪駆動の断面図


まず、おさらいですが、FRというのは前(Front)にエンジンがあって、後ろ(Rear)のタイヤが回るということでしたよね。
上のイラストの左半分を見てもらえばわかるように、FFと違って、FRではエンジンは縦置きです。
そのエンジンから、長いパイプ(これをドライブシャフトと言います)が伸びていて、後ろのタイヤに動力を伝えて、後ろのタイヤが回るようになっています。
クラウンやベンツのような高級車やタクシーに乗ったときに、後部座席の足元の真ん中が盛り上がっていますよね。
あれがシャフトの通り道です。
当然ながら、FF車では後部座席の足元は平らです。
FRでは、FFのデメリットが逆にメリットであることが多いです。
まず、FFでは駆動輪=操舵輪ですので、ハンドルにエンジンの振動が伝わりやすいと書きました。
FRではエンジンは後輪につながっていて、前輪は操舵だけしかしません。なので、当然エンジンの不快な振動はハンドルには伝わりにくいです。また、駆動輪を操舵しませんので、ハンドルの操作感覚も自然です。
また、エンジンが縦置きなので、エンジンとタイヤの隙間が大きく、サスペンションもしっかりした物が取り付けられます。よって、地面からの震動もしっかり吸収できます。
あと、イラストの右側部分を見てください。
FFと違ってFRでは後輪に遠心力がかかります。つまり、クルマの後部が外側(右へのカーブの時は左)に向かおうとするので、クルマは曲がりやすくなります。これをオーバーステアといいます。FFの曲がりにくい性質をアンダーステアと言いましたよね。
振動が少なくてハンドルも自然で曲がりやすい。
まさに高級車向けの特徴ですよね。
では、なぜFRはエンジンが縦置きなのか。
次のイラストを見てください。

FRのボンネット


FFと違ってFRではエンジンの動力をシャフトを使って後輪に伝える必要があります。
するとエンジンの回転方向をタイヤに対して90度の向きで置く必要が出てきます。これをシャフトでクルマの後部に伝え、そこでギアを使って再び向きを90度変えて後輪を回すわけです。
FFよりも大がかりなので、比較的故障する確率は高いと言えます。
FFではエンジンが横置きなので、クルマの室内が広く取れるというメリットがありました。
逆にFRではエンジンが縦置きなので、室内を広くするためには、結局、クルマ自体を大きくするしかありません。
そう考えると、FRというのはメリットとデメリットの両面から考えても、高級車に採用されやすい、ということになるわけです。
トヨタのクラウンや日産のFUGA、メルセデス・ベンツの大部分やBMWやジャガーなど、高級車では軒並みFRが採用されています。
そんな中、前回も冒頭で書きましたが、ホンダというのは、ほとんどFF専業メーカーと言ってもよく、最高級セダンであるレジェンドにもFFが採用されています。
ホンダはおそらくFFの高級車でも売れると思って出したんだと思いますが、やはりマーケットにはほとんど受け入れられませんでした。
トヨタのクラウンが毎月数千台規模で売れるのに対し、ホンダのレジェンドは数百台かそれ以下です。
今後、FRの製造ラインを持たないホンダがレジェンドをどうして行くのか、ちょっと注目したいところです。
なお、高級車=FRという話になりましたが、スポーツカーの世界でも後輪駆動が主流です。
F1などのレーシングカーはMRですし、前回も書いたようにポルシェの代表車種はRRです。フェラーリもランボルギーニもMRです。
エンジンの置き場所こそ違えど、駆動輪はみんな後輪です。
レーシングにおいては自動車のバランスは非常に重要です。FF車はどうしてもクルマの前部が重くなりますが、後輪駆動車は前後のバランスが均等に近くなります。
また後輪駆動のほうがアンダーステアが発生しにくい(オーバーステアが発生しやすい)ので、コーナーを曲がることが重視されるレースの世界では重宝されます。
最近は、電子制御で高度化した4WD(4輪駆動)もたくさんあり、自動車の世界もますます奥深くなっています。
ボクは今まで、FR車と4WD車を持っていましたが、もちろん仕事や友人の車などでFF車にもたくさん乗りました。
またいずれ、そういう話もしてみたいと思います。