非天マザー by B-CHAN

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株はギャンブル?(ファイナンスの基本)

株もまた社会の血液であることを知ってほしい

ボクは、世の中のありとあらゆるものを得意にしたいので、自分の一番苦手なものをずっと仕事にしてきました。
それが金融関連であり不動産関連なわけです。
逆に好きなモノはITとか映画とか作曲とか漫画とかスポーツとかカラオケとかパーティーとか自動車とか。なのでこういうブログを書いたり作曲したり絵を描いたり映画を大量に見たりします。
でも、もしそういう好きなことを仕事にしてしまうと金融や不動産の能力はたぶん全く身につかなかったでしょう。
逆に金融や不動産関連の仕事をしていても、好きなことはずっと趣味で続けているので、やはり得意分野であり続けてるわけです。
世の中の人とは逆かもしれませんが、苦手なことを仕事にすることによって苦手なことがなくなり、かつ、得意なことも伸ばせる、そんな万能な人間を目指しています。
また苦手なことから逃げるよりも、自分から苦労を買ってするほうが人間的にも成長します。
偉そうなことを書いていますが、周りの人にこういうことを宣言することによって自分を追い込み、モチベーションを高めることにもつながります。
さて、そんなことを書きつつ…。


企業経営とかファイナンス方面にもずいぶん関心がありまして、いろんな勉強をしましたし、そういう仕事もしました。
このブログにもたまにそういう記事を書いていますよね。
例えば、以前書いた、


無借金経営って良いこと?(ファイナンスの基本)


なんて記事には今でも少なからずアクセスがあるんですよ、実は。
ファイナンスというのは本当に奥が深いんですが、そのなかで、割と世の中に知れ渡っていて、しかも誤解が多いものの一つである、株、について書きましょうか。
まったく知識のない方に分かるように、できるだけ幼稚な書き方をしますので、ぜひ読んでみてください。
まず、一番の誤解ですが、
株はギャンブルである
と思ってる人が多いんですね。
保険はギャンブルである
と思ってる人と同じくらいいるんじゃないでしょうか。
株も保険も、ある理論によって株価や保険料が形成されていて決してギャンブルではないんですよ。
保険の話はいずれしますので、今回は株の話です。
株というのはわかりやすく言えば株式会社の所有権です。
例えば、簡単な数字で言いますと、あなたが、とある会社の株を100株、現金100万円で買ったとします。
その会社が発行している株式数は全部で100株だとします。
つまり株主はあなた一人で会社全部の株を買ったわけです。
他に株主はいません。
この場合、もしこの会社に負債がなければ、会社の財産は全部あなたのものです。
会社名義の貯金、会社名義の不動産、事務所にある会社名義の机や文房具、倉庫に置いてある会社名義の商品。
すべてあなたのものです。なぜならさっき言ったとおり、株は会社の所有権だからです。
こういう負債が無いケースを、自己資本比率が100%と言います。
負債のことを「他人資本」、株のことを「自己資本」というからです。
ここで考えてみてください。
もし、これらの不動産や机などを全部売った代金と貯金を合わせて全部で150万円になったとします。
つまり、そこでもう会社をたたんでしまうと仮定するわけですね。
そうすると、100万円出して株主になって会社をたたんだ結果、あなたの手元には150万円入ってきますよね。
つまり大儲けです。
ややこしいので、ここでは税金とか経費のことは考えるのはやめておきましょう。
こういう、会社のものをすべて売っぱらって会社をたたんだ時の価値を「清算価値」と言います。
精算価値じゃないですよ、清算価値です。
さて、会社のものを全部売って会社をたたんで150万円が手に入るのなら、誰だって、その会社の株を100万円で買いたくなりますよね。
つまり、この場合、この会社の株価、つまり100株で100万円でしたから、1株で1万円ですが、その株価は安かったと言えるわけです。
もっと言えば、あらかじめ会社が所有している不動産や備品や商品などの市場価格がわかれば、その会社の株価が高いか安いかがわかるわけです。
150万円手に入る会社の株を100万円で買えるのなら当然株価は安いので、その株は人気が上がり、株価は上昇します。だって、仮に149万円で100株買ったとしても1万円儲かりますからね。
でももし、さらに株価が高くなって160万円になったとしたらどうでしょうか。
160万円払って株を手にいれても、その会社の全財産は150万円しか無いわけです。つまり、その株価は高いわけですし、そんな株は人気が出ませんから価格は下がります。
となると、結局、その会社の適正な株価は150万円、つまり1株で1万5千円となるわけです。
現在、世の中にはたくさんの株式会社があり、日々、株価が変動していますが、その価格は基本的にはこんなメカニズムで変動していると思ってください。
決してギャンブルででたらめに動いてるわけではなく理由があるわけです。
なのできちんと会計とファイナンスの勉強をした人のほうが、当然、株でも儲けやすくなります。
楽をしては儲からない、苦労したら実りがあるという、良い事例です。
もちろん上記の例では話をとてつもなく簡単にしましたので、実際にはもっといろんな要素があります。
不動産や備品だけではなく、会社が持つ特許権の価値、将来生み出す売上から得られる利益、税率など、実にさまざま要因があります。
ただ、要因はさまざまですが、それぞれの価値を計算していって、それの合計額がわかれば、現在の株価がそれに対して高いか安いかがわかることには違いありません。
特に、上場企業であればバランスシートなどで企業の財産状況が公開されていますから、そういう計算はしやすいです。
なんとなくわかってもらえたでしょうか。
会社の持つ、現在と将来の価値の合計額と株式総額を比べてみて、株式総額のほうが安ければ、その会社の株価は安いわけです。
そう考えると、株が上がるか下がるか、高いか安いか、というのはギャンブルではないことがわかると思います。
まあ簡単に書きましたが、実際には会社が生み出す将来の価値を現在価値に割り戻したり、負債のことを考えたり、いろいろファイナンスの手法を使う手間はかかりますので、楽をして儲かるという話でもありませんので、そのへんはあしからず。
というか勉強してください。
ファンドというのはそこを徹底的に勉強して研究して儲けるわけです。
よく、ファンドビジネスの人たちの事を、
「汗水も流さずに儲けやがって」
みたいなことを言う人がいますが、とんだ勘違いです。
ボクもファンドにいましたが、とてつもなく勉強していて、とてつもなく働いています。
少なくとも大企業のぬるま湯に慣れている人には務まりません。
大企業経験者でもあるボクも、それまでは完全に誤解していました。
何日も帰宅できなかったり、世界を相手にするので24時間いつでも仕事をしている可能性があります。
しかも高度な能力と知識と結果が求められます。
恐ろしく勉強して恐ろしく働いているからこそ恐ろしく稼げる世界です。
「ファンドうらやましいなあ。自分も就職したい」
と考えている人は、それくらいの気持ちを持って臨んでください。
無理な人は、大企業というぬるま湯に就職することをオススメします。大企業のサラリーマンなら能力なくても務まります。


さて、次は、負債があるケースについても書いてみましょうかね。
あるいは、会社が付加価値を創造して企業価値を高めていくケースとか。
あるいは最近は景気が悪いので、マクロ経済のお話もいいですね。
政府が介入することによる社会全体のコスト効果とか。
いろいろ奥深くて面白い話があるんですよ、これが。
というか、この話は学生さん向けを想定して書いてます。この程度なら、企業の管理職以上の方なら知っていて当然なので、もし知らない管理職の方がいたら焦ってくださいね。