非天マザー by B-CHAN

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思い込みという誤解が世の中に氾濫している

表面の現象だけで判断すると間違う

「白髪を見つけたら抜かないほうがいいよ。抜いたら、もっと白髪が増えるから。」
これ、聞いたことありませんか。
実はこれ、科学的根拠は何もありません。人間の体の構造もそのようにはできていません。
では、なぜ、白髪を抜くとさらに白髪が増えるという噂が定着したのか?
そもそも白髪が見つかる時点で、すでにその人には白髪が生える体になっているわけです。
白髪が増えやすい状況にすでになっているわけですね。
だから、見つけた白髪を抜いても抜かなくても、今後、白髪は増えていくわけです。
にもかかわらず、最初に見つけた白髪を抜いた人は、その後、白髪が増えていったのを見て、
「白髪を抜いたら余計に白髪が増えた。」
と思い込んでしまうわけです。
実際には最初の白髪を抜かなかったとしても、その後も白髪は増えたんですが、それはもう確かめるすべはありません。
白髪が生えるのは、その人がそういう年齢になったかそういう体質になったのが理由であるにもかかわらず、「白髪を抜く」ことと「白髪が増えていく」という無関係な二つを結びつけてしまうわけです。
こういう思い込みを利用するケースで思い浮かぶのは、手品ですね。
炭酸水の中に物体を入れると、泡の力で物体が上下左右に動きますが、その物体の動きに合わせて手を動かせば、見ている人は、まるで手の動きに合わせて物体が動いているかのように思うわけです。
これはまさに思い込みを利用した手品です。
白髪の話も、手品の話も、こうやって種明かしを言ってしまうと、なあんだ、と納得してしまうわけですが、世の中にはこういう思い込みを利用した手口があふれかえっています。
詐欺商法はまさしく思い込みを利用していますし、新興宗教の一部にも思い込みを利用するものがあります。
それらは種明かしがなされない限り、騙されている方は、騙されていることすら信じることができず、場合によっては人生そのものを変えてしまうほどの影響(たいていは悪影響)を受けてしまいます。
被害に遭わないためにはどうすればいいか。
一つは科学的、客観的に矛盾が生じていないかどうかをもう一度考えてみること。
昔の人は雷を見て神の怒りだと考えていましたが、現代人は雷は放電現象だと知っています。
間違った知識ではなく正しい知識を身に付けることが大事です。
そしてもうひとつは物事を一面で考えるのではなく多面的に考えることです。

  • 白髪を抜いたから、さらに白髪が増えた
  • 白髪が増えつつあるときに、たまたま白髪を抜いた

この両方の可能性があるにもかかわらず、後者の可能性を根拠もなく捨て去り、前者であると断定する。だから間違った知識が身に付きます。
間違った知識に基づいて物事を判断すると間違った判断をすることになります。
それは時には命すら脅かします。
もし
「硫酸は飲み物である」
という知識を間違って持ってしまったら、その人はのどが乾いたときには硫酸を飲むでしょう。
まあこれは極端な例ですが、選挙で政治家を選ぶときや、仕事を選ぶとき、その他あらゆる場面で間違った判断をしてしまうと、良かれと思ってやったことが結果的に悪い結果を生みます。
ですので正しい知識を身につけて物事を多面的に科学的に客観的に考える能力を身につけましょう、というお話でした。