非天マザー by B-CHAN

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東日本に電力を回すという意味での西日本の節電が無意味であるきちんとした理由

電気の周波数の違いがもたらす弊害


すでにご存じとは思いますが、日本では西日本と東日本では電気の周波数が異なります。
西日本は60Hz、東日本は50Hz。
現在、震災のために東日本では電力不足に陥っており、西日本から電力の供給を受けています。
しかし東西の周波数が異なるため周波数変換を行う必要がありますが、その能力は1日あたり約100万kW(キロワット)です。
どんなにがんばっても1日100万kW以上は西から東に電力を供給できません。
インターネットなどで、
「首都圏では1000万kW以上が不足してるんだから、わずか100万kWを供給しても全く足りないのでほとんど意味がない。だから西日本での節電は意味がない。」
と言っている人が結構いますが、それは間違いです。変換能力が小さいから意味がない、というわけでは無いのです。
その理由を書いていきます。
そもそも必要量の10分の1でもあったほうがいいのです。
実際に西日本から東日本に100万kWが供給されていますし、それはとても貴重です。100万kWでもあったほうがいいのです。
無意味というのはそういう理由ではありません。
西日本での節電が無意味な理由を書きます。
西から東へ送られている100万kWはもともと西日本エリアの「余剰電力」が使われています。
つまり節電をするまでも無く、すでに西日本には100万kWを超える余剰電力があるのです。
その中から100万kWを送っているのです。
余剰電力だけで、すでに周波数変換の限界値を超えているわけです。
ですので、西日本の人たちが節電に協力して電力がさらに10万kW、20万kWと余ったとしても、東日本に送ることはできません。
もし仮に、もともとの余剰電力が80万kWしか無いのであれば、あと20万kWを送ることができますので、西日本の人が節電する意味はあります。
でも実際には、節電する以前にすでに100万kW以上余っているのです。
せっかくの善意ですが、そういう意味において西日本の人が節電しても無意味なんです。
いくら節電して電気が余っても、送ることができないんですから。
「節電する以前にすでに余剰電力が変換の限界値を超えている」
これが西日本の人が節電しても無意味な理由です。
変換できる能力が小さいから、ではありません。
もし仮に、変換能力が1000万kWあったとしても、余剰電力が1000万kW以上あれば、やはり節電の意味は無いわけです。
↑ここポイント。
電力の大小の問題ではなく、変換能力の低さの問題でもなく、「変換能力と余剰電力との比較」の問題です。
この理論がわかるでしょうか?
よって東日本の電力不足に協力する意味で西日本の人が節電することはできればやめたほうがいいです。
むしろ普通に電気を使ってください。
例えば、節電して浮いた電気料金を被災地への寄付に回すというのなら、そういう意味ではやる価値はあるでしょう。
でも、みんながみんな、浮いた電気料金を寄付に回すとは限りません。
無意味な節電のために経済活動が停滞すれば、企業の業績も悪化し、いずれは社員の給料にも悪影響を与えるでしょう。
人々の収入が減れば被災地へ支援する余裕も無くなってしまいます。
ですので、東京電力と東北電力のエリア以外の人は無意味な節電はやめて、いつもどおり、あるいはいつも以上に消費して、経済活動を活発にし、企業の業績を好転させて給料を上げ、どんどん寄付できるようにしてください。
逆に東日本の人は、この夏に向けてさらに電力不足が深刻になります。
破損した原子力発電所や火力発電所はすぐには復旧しないからです。
どんなに暑い日でも停電中はクーラーも扇風機も使えません。
あらかじめ保冷剤などの準備をしておいた方が良いと思います。
夏が近づいてからだと、需要が上昇しますので必ず価格が上昇します。
今のうちに対策を考えてみてください。