非天マザー by B-CHAN

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違法=悪、とは限らない事を知ってください(ヤマト運輸の信書配達事件を見て)

法律が常に正しいとは限らないから改正される


法律を守っていることを遵法と言い、法律に違反していることを違法と言います。
一般的には、遵法=善、違法=悪、だと認識されているのではないでしょうか。
でも、それは必ずしも当てはまりません。
なぜなら、法律の方が間違っていることもあるからです。
法律は誰が作るのでしょうか。
今の日本であれば政府です。もっと細かく言えば、立法は国会つまり衆議院と参議院によって行われます。
衆議院や参議院を構成しているのは議員で、議員というのは単なる人間です。
その顔ぶれは時代によって変わりますし、そもそもその人たちは、正しい人たち、善人であるという理由で選ばれたわけではありません。
選挙という手段、つまり一番多くの人々から支持された人が選ばれただけです。なので、必ずしも正しいとは限りません。
今は民主党政権ですし、その前は自民党。もっとさかのぼれば、徳川政権や足利政権など、時代とともに政権は移り変わります。
その政権が法律を定めるわけですから、法律が必ず正しいと考えることは危険なわけです。
有名な徳川五代将軍綱吉の生類憐みの令、これは人間よりも犬を大事にするという、将軍の御都合主義の法律だったわけですが、当時は、やはりその法律に違反すれば、「違法」だったわけです。
でも違法だからといって、その人が悪だとは言えないのは明確ですよね。
こんな風に、法律の方がおかしいというのはいつの時代にもあります。
例えば数年前までは、自動車運転中に携帯電話を操作していても違法ではありませんでしたが、その後、道路交通法が改正され、運転中の携帯電話の操作は違法になりました。
運転中の携帯電話操作というまったく同じ行為をしていても、時代によって違法であったり違法でなかったりするわけです。
つまり、違法だから悪いとか遵法だから良いという考え方は危険を伴うと言うことです。
本質的に人間として正しいかどうかをきちんと考えることが大事なわけです。
法律を守っていても悪いこと(電車で体の不自由な人に席を譲らないなど)もあるわけですね。
逆に違法でも悪いと言えないこともあります。そんな場合は、法律の方を改正すべきだと考えたりします。
こんな事件がありました。


ヤマト運輸が手紙、はがきなど「信書」の送達防止策を発表 メール便は仕様変更


要するに民間業者が禁止されている信書の配達をやってしまったわけですね。
ヤマト運輸が違法行為をやったわけです。
宅配業者は中身を見ることができませんから、顧客を信じるしかないわけですが、この件をきっかけに、さらに荷物引き受け時の確認作業が増えることになり、ヤマト運輸側にも顧客側にも面倒になります。
この件、単純にヤマト運輸が違法行為をした=悪、と言えるでしょうか。
民間業者が信書を配達できないという法律は線引きも非常にあいまいで、しかも現状に即していません。
かつてヤマト運輸が宅配の世界を大きく変えた(つまりとても世の中が便利になった)ように、こういった信書に関する規制も撤廃すべきだとボクは考えます。
つまり法律の方を変えるわけですね。
そうすれば同じ事をしても民間業者は違法にはなりませんし、そもそも荷物引き受け時の面倒な確認作業もしなくて済みます。
顧客側も郵便以外に選択肢が増えます。
つまり法律を変えることによって、一部の利権を享受している人たち以外はみんな幸せになれるわけですよ。
法律を守らないことが悪、ではなく、法律の方がおかしい、という考え方も持ってほしい、そう思ってこの記事を書きました。
もちろん法律を破ろうという話ではありません。法治国家ですから法律は守る必要があります。
ただ、既存の世の中が必ず正しいと見るのでは無く、間違っていることもあると疑って見ることも大事であり、法律も、毎年たくさん改正されていることも知っておいて欲しいと言うことです。
間違った法律は改正すべきであり、そうしないと、正しいことをやっていても、法律に違反しているから悪、と見なされる危険があります。
実はボクはずいぶん前にも似たような記事を書いているんですよ。
それが、こちら。


1冊100円の書籍PDF化「BOOKSCAN」の是非について、合法かどうかじゃなくて