非天マザー by B-CHAN

iPhoneの使い方、IT、ビジネス、金融、経済、不動産、保険、音楽、映画、ニュース、自己啓発その他。

橋下氏の言う年金の掛け捨て案は若い世代は賛成した方がいいと思っている理由。

下の世代が上の世代を支える年金制度


年金改革議論が活発です。
ボクは以前、こんなことを書きました。


国の年金問題を詳しく知らない人へ。全国民に関係する事なので、ぜひ読んでみてください。わかりやすく書きます。


読みましたか?
とにかく賦課方式の年金は少子化の日本では継続不可能なんですよ。
最近、大阪市長の橋下さんが2つのアイディアを公表しましたね。

  • 積み立て方式
  • 掛け捨て方式

積み立て方式は、さっき貼った記事の中に書きましたね。
積み立て方式にすることで、少子化の影響は無くなります。だけど高齢化の影響は無くなりません。
では掛け捨て方式とは何でしょうか?
それは若い間はずっと国に年金保険料を払い続けるのは今と同じなんですが、歳を取って年金をもらえる年齢になったときに、年金をもらわなくても暮らしていけるほどたくさんの資産を持っていれば年金はもらえないということなんです。
簡単に言えば金持ちは年金をもらわなくても生きていけるでしょ、と言う話です。
この掛け捨て案に対して、街頭インタビューが行われていました。
予想通り、
「歳を取るまで払い続けたのに、歳を取ったらもらえないなんて、平等の点から良くないと思う」
という意見が多数でした。
さあここで、いつも通り、本質で物事を考えてみましょう。
払い続けたのにもらえないという目先の現象で判断するのでは無く、なぜこの提案が出てくるのかという根幹の原因を考えましょう。
まずそもそも、年金は貯金とは違います。
貯金なら1000万円預けたなら、将来、1000万円と利息分が返ってくるという資産としての考え方ができます。
でも、年金は保険としての性格をもっています。
歳を取って仕事を引退して収入が無くなっても生活に困らないように、毎年一定額を受け取れるような仕組みにみんなで参加する、それが年金です。
憲法で定められている生存権を保障するためのものなんですね。
つまり、生活費が無くて餓死するような家族が発生しないために、国によって保護されるための資金となるわけです。
一方で、上記の記事でも書きましたが、国が持つおカネの額には限りがあります。
それらはすべて国民から徴収したものです。
例えば、国民の生活を守るために1兆円のおカネが必要だとしても、国の金庫にそもそも8000億円しかおカネが無ければ、物理的に不可能になってしまいます。
このときに掛け捨ての案が効いてくるわけです。
わかりやすい事例で書いてみますね。
ここに、年金をもらわなくても生きていけるお金持ちが5人と、年金が無いと死んでしまう人が5人いるとします。
そして上記の記事でも書いたように、高齢化によっておカネが足りなくて、国には5人分の年金資金しか無いとします。
このときに、2つの選択肢があります。

A案.これまでたくさん年金保険料を納めてきたお金持ち5人にきちんと年金を払って、残りの5人には死んでもらう。
B案.お金持ちは年金を受け取らなくても十分生きていけるので払わずに、その資金を残り5人に払って、10人とも生きてもらう。

さて、国家としてどちらがあるべき姿でしょうか?
ボクはお金持ちの努力はもちろん認めます。ボクもそうなるようにがんばっています。
でも、お金持ちになるのは努力だけでは無理です。
たまたま五体満足に生まれてきた幸運、たまたま戦争の無い国に生まれてきた幸運、たまたま災害で財産を失うことが無かった幸運、たまたま勤務先の会社が倒産せずに済んだ幸運。
いろんな幸運のおかげです。
たまたま運良く金持ちになった人が救われて、たまたま運が悪かった人が救われない国家はもはや国家ではありません。ただの人混みです。
そもそも論ですが、現行の年金制度のままだと、世代間格差があるのでどっちみち不公平なんです。
今のお年寄りはこれまでに払った年金保険料よりもずっと多くの額を受け取ることができ、それを負担するのは今の若い人たちです。
そしてその若い人たちは払った額よりも受け取る額の方がずっと少なくなります。今現在の制度が、すなわち掛け捨てなんですよ。
しかも金持ちだけでは無く貧しい人も全員掛け捨てです。
その結果、餓死する人もたくさん出るでしょう。
しかし、上記の橋下さんの掛け捨て案ならば、掛け捨ては金持ちだけで済みます。しかもその結果、金持ちも貧しい人もみんな生きることができます。
果たして、それでも本当に掛け捨て案に反対すべきでしょうか。
一度考えてみてくださいね。
ちなみにボクは橋下さんの支持者ではありません。
この記事を読んでください。


一つ一つの事象で判断しないと、ひっくるめると判断を誤りますよ


どんな人物でも完璧では無いと言うことです。正しいことも間違ったことも言います。
ボクは上記の掛け捨て案には賛成ですが、同じ橋下さんが主張しているTPPへの参加には大反対なんですから。
大事なのは、人物まるごと賛成反対するのではなく、個々の意見の中身を一つ一つ検証することです。
橋下さんが正しいとか、橋下さんが間違ってるとかじゃないんです。
橋下さんが言っているいろんな事のうち、この部分は正しい、とか、この部分は間違っている、という見方が必要と言うことです。
そうしないと、間違った判断をしてしまうでしょう。
これは他の政治家やすべての人物に当てはまります。


関連記事
本質で物事を考えよう、命を守るために(おかしな世の中をつぶやくシリーズ)
子供にシートベルトをさせない親なんて殺人未遂と同じくらい罪が重いと思う
国の借金が1000兆円になるニュースを聞いても何が問題なのかがよくわからない人へ
建設を途中でやめる事はもったいないのか?埋没費用(サンクコスト)について