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圧勝に見えて圧勝では無いアメリカ大統領選挙の仕組み。皆さん、これくらいは知っておいてくださいね。

まずはプロ野球日本シリーズに例えてみる

アメリカ大統領はオバマ氏が再選されました。
ここでちょっと話を日本のプロ野球の日本シリーズに移します。
チームAとチームBが戦うとします。
最大で7戦まで行い、先に4勝した方が優勝です。
こんな展開を考えてください。


第1戦:チームA 15点 - 0点 チームB
第2戦:チームA 0点 - 1点 チームB
第3戦:チームA 20点 - 0点 チームB
第4戦:チームA 0点 - 1点 チームB
第5戦:チームA 18点 - 0点 チームB
第6戦:チームA 0点 - 1点 チームB
第7戦:チームA 0点 - 1点 チームB


結果は4勝3敗でチームBが優勝。
総得点はチームAが53点、チームBが4点。
次の様に書けます。
チームAは圧倒的な打撃力を持ちつつ、投手陣も3回完封、残りの4試合も1点ずつしか取られていない完璧な投手力。
チームBは7試合でわずか4点と極端な貧打、ピッチャーは7試合中3試合も二桁失点し、完封はチームAよりひとつだけ多い4試合。
この書き方だとチームAがどう考えても投手力、打線ともにチームBを圧倒しているんですが、優勝はチームBです。
なぜなら、勝利には打撃力も投手力も加味されず、単にスコアが1点でも上回れば勝ちだからです。
20対0で勝っても1対0で勝っても同じ価値なんです。


日本シリーズとアメリカ大統領選挙の類似点

実はアメリカ大統領選挙もこれに似ているんですね。
アメリカ大統領は有権者の投票によって行われますが、有権者が直接選ぶのは大統領ではなく、その地区の選挙人です。
選挙人をたくさん獲得した候補者が勝ちとなります。
例えばカリフォルニア州には選挙人が55人います。
もしカリフォルニア州の有権者の投票数が、
候補者A:1,000,000人
候補者B:999,999人
だったらどうでしょうか?
史上まれに見る大接戦ですよね。つまり有権者の支持は真っ二つに分かれています。
でも、選挙制度上では、有権者の得票数で勝った方がすべての選挙人を獲得できます。
この例では候補者Aが55人の選挙人を獲得し、候補者Bはゼロです。
有権者の支持は分かれているのに、選挙結果は55対0なんですね。
今回の大統領選挙ではオバマ氏はロムニー氏に圧勝したように見えますが、それは選挙人の数。
有権者の得票数で見ればかなりの接戦なんです。
一見、圧勝しているからと言って、その人が大半の国民の支持を集めているわけではない、ということです。
この勘違い、日常生活でも意外とやってしまう人が多いので、皆さん、気をつけてくださいね。
前にも類似の事例を書きましたよね。
未読の人は読んでくださいね。

択一式アンケートの恐ろしさと数字のからくりと世論


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