非天マザー by B-CHAN

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学校の勉強なんていらないって事は無い話

學校の勉強のおかげで生きていられることに感謝しよう


ボクは以前から書いていますが、芸能人がテレビで、
「学校の勉強なんていらない!」
と偉そうに叫んでいるのが解せなくて、その芸能人が出ているテレビも、放送設備も、移動のための交通手段も、すべて学校の勉強(物理・科学)をベースに作られているわけです。
つまり、テレビに出られるのは、そういった勉強をきちんとしてきた人たちのおかげなのに、感謝の気持ちも忘れて思い上がっているわけです。
そしてそれを平気で公共の電波に乗せる。
まさに害悪そのものだと思います。
今のボクは、テレビを見るのは月に1日か2日程度(そんなに見ないかな。月にゼロということも多いので。)なので、全体の状況はわかりませんが、テレビを見れば見るほど間違った知識と悪い人間性が身に付いてしまうと言うトラウマは一生消えなさそうです。


仕事をする上でちょっと役立つ学校の勉強の話をしましょうか。
高校レベルの数学です。
そこに簡単なミクロ経済学を混ぜます。
例えばあなたが芸能人のコンサートのチケットを売る必要があるとします。
座席は3000席、つまり3000枚のチケットがあります。
1枚の価格をP円とします。
モノというのは価格が上がれば上がるほど需要が低くなります。つまり売れにくくなります。
逆に安くなればなるほど需要が上がります。つまりたくさん売れます。
当たり前ですよね。
縦軸に価格P、横軸に売れる数xを置いたグラフを書くと右下がりになるわけですね。
この右下がりの数式が例えば、


P = -x + 3000 ……式A


だとします。
すると次の図のようになりますね。
需要曲線


上記のようなグラフを経済学では「需要曲線」と呼びます。
直線は曲線の一種なので一般的には曲線と呼びます。
また、さっき書いたように多くの商品は価格が上がるほど需要が下がるので、このような右下がりのグラフとなるわけです。
では、コンサートの売上高を最大にするためには、チケット1枚の価格Pをいくらにすれば良いでしょうか。
高くしすぎると販売枚数が減ってしまって売上は伸びません。
安くしすぎるとたくさん売れますが、安すぎてあまり売上は上がりません。
バランスが重要ですね。
売上というのは、1枚の価格と売れた枚数の掛け算ですよね。売上をSとすると、


S = P * x ……式B


となりますね。
売上を最大にするチケット価格を求めるには、式Aと式Bの両方を満たす必要があります。
式Aを変形して次のようにします。


x = -P + 3000……式A2


この式A2のxを式Bに代入します。


S = P * ( -P + 3000 )


さらにこれを変形して、


S = -P^2 + 3000P


この、^2 というのは2乗を表します。P^2 はPの2乗です。
これを平方完成しますよ。高校で学んだはずです。覚えていますか。


S = -( P^2 - 3000P )
S = -{ ( P - 1500 )^2 - ( 1500 )^2 }
S = -( P - 1500 )^2 + ( 1500 )^2


はい、売上SはPの入った項 -( P - 1500 )^2 と定数項 ( 1500 )^2 に分かれましたね。
売上Sを最大にするためには、-( P - 1500 )^2の項がゼロになればよいわけです。
なぜなら、この項は2乗の項であり、しかもマイナスが付いているからです。
2乗の項は必ずプラスになりますし、それにマイナスが付いていると言うことは、必ずマイナスになります。
と言うことは、この項がゼロで無ければ必ずマイナスになってしまい、売上Sは最大にはなりませんよね。
では、-( P - 1500 )^2がゼロになるためには、価格Pはいくらでしょうか?
当然、


P = 1500


ですよね。
つまり、チケットの価格を1500円にするのが正解です。
これを式Aに代入してxを求めると、


1500 = -x + 3000
x = 1500


つまり販売枚数は1500枚になります。
これらを式Bに代入すると、


S = 1500 * 1500
S = 2,250,000


結局、チケットの価格を1枚1500円に設定すれば、チケットは1500枚売れて、売上は最大の225万円となるわけです。
これ以上チケットを高くしても安くしても売上は225万円には届きません。


これは数学の問題の範疇に留まるのでは無く、実際に企業で商品価格を決めるときに取り入れる考え方です。
これを間違えれば、せっかくの販売機会を失って、売上を落としかねません。
つまり、学校の勉強というのは、生きていく上でとても重要でしっかりと活きているということです。
ちなみに、上記のレベルの問題は公務員上級レベルです。
よく、公務員は難しい試験に受かってるんだから給料が高くて当然というトンチンカンな意見を目にしますが、こんな高校レベルの基礎的な試験で高い給料がもらえるなら、やはり甘いと言わざるを得ません。
もちろん他にも分野はありますが、決して難関試験ではありません。
給料というのはその人がどれだけ貢献したかに応じて決まるべきであり、ボクは多くの公務員の給料は高すぎると思っています。
なにせ倒産リスクも限りなくゼロに近いわけですから、ノーリスクハイリターンという不公平な給与体系が税金によってまかなわれているわけです。
多くの民間企業では、より高い経営リスクを背負いながら、より高いスキルを要求されます。
それでも公務員の給料に追いつかないところが大多数です。
ボクは公務員人件費を減らして、その財源をそういった民間の活力に活かすべきだと考えます。