リアルな震災の現場を知る
今からちょうど19年前の1995年1月17日、ボクは兵庫県宝塚市に住んでいました。
阪神大震災では震度7のエリアで、まさに街は壊滅状態でした。
2011年に東日本大震災が起こり、多くの記録映像が残されたので、震災の凄まじさを知った人は多いと思います。
テレビ、雑誌、新聞、YouTubeなど、さまざまなメディアで津波や建物の倒壊の様子が見られます。
津波に巻き込まれながらも危機一髪救出された人の映像もいくつかありました。
いっぽうで海に向かって、
「お母さん!お母さん!」
悲痛な叫びをする小さな子供の映像はボクも忘れられません。
ただ、これらの映像と、実際にボクが経験した現場とは大きな違いがあります。
なぜなら、メディアにはメディアに掲載できる基準があるからです。
例えば、生きている人がまさに死ぬ瞬間はテレビの映像には絶対に出てきません。
でもそれは実際に数多く発生しています。
そして、現場で震災を経験した人たちは、まさにその「瞬間」に立ち会っています。
ボクは阪神大震災の本震の直後、周囲の家々が倒壊しているのを目の当たりにしましたが、それだけならマスコミの映像と同じです。
現実には、その瓦礫の山の中から、
「助けてーーー!!助けてーーーー!!!」
という悲鳴が聞こえています。
ボクたち外の人間は大慌てで救出するために走り回ります。
何とか瓦礫の中から助け出しても、全身から血を流してドロドロになって泣き叫んでいる状態だったりします。
皮膚が剥がれたり、骨が折れたり、尋常では無い状態です。
助けだしても、すでに手遅れでぐったりしている人たちもいますし、もちろん瓦礫の山の中ですでに死んでいる人たちもいるわけです。
テレビなどの映像ではそんな場面は映りませんが、現場の人たちは、それを身をもって体験しています。
テレビでは、高台から眺めながら、津波が街を押し流す様子や、街が破壊されている様子が映し出されています。
でも、決して流血で死にそうになっている人や死んだ人の映像は映りません。
つまりリアルな現実は映らないんですよね。
だから、それを見た、被災地以外の人々は、ある程度の危機感が抱くものの、「本物」の危機感はなかなか持ちにくいんですよね。
実際に震災が起こった時、何の対策もしていないと、あなた自身、あなたの家族が、そして、あなたの友人が、全身から血を流して悲鳴を上げたり死んで行ったりするのです。
これが現実。
だからこそ、そうならないための準備が必要です。
テレビやマスコミの映像や記事にとらわれるのではなく、実際に被災地に足を運び、被災者の生の声を聞いてみてください。
その教訓を、必ずやってくる次の震災への備えにしてはいかがでしょうか。