バナナ、納豆、フルーツグラノーラ
テレビ番組で、視聴率が取れるのか、わりと健康な食品についての特集が多いですよね。
テレビでバナナがダイエットに良いと放送すれば、多くの人がこぞってバナナを買い、納豆が特集されれば納豆が売れます。
テレビ番組の内容の正しさについての検証も無く、とにかく多くの人がテレビに振り回されます。
ボクはテレビを見ることが非常に少なくて、例えば今日は2月13日ですが、今年はまだ一度もテレビのスイッチをオンにしていません。
全く見てないわけです。
それくらい、テレビに振り回されない人間なんですが、そんなボクが思うことを書きます。
食品による健康への影響度を調べるには
健康に良いとされる食品の検証としてテレビ番組でありがちなのが、例えば、Aさん、Bさん、Cさんの3人に2週間の実験に参加してもらいます。
Aさんには2週間毎日、朝食と夕食で納豆を食べてもらいます。
Bさんには2週間のうち、1日おきに夕食で納豆を食べてもらいます。
Cさんには2週間で1回も納豆を食べないでいてもらいます。
すると、2週間後に3人の血液を検査すると、Aさんの血液の●●という悪い成分が一番少なくなっており、Cさんが一番多くなっていました!
みたいなモノですね。
やっぱり納豆は健康に効果があります!
と結論付けて、そして人々が納豆を買いに走る構図。
う〜ん。
クリティカル・シンキングをしっかり学んだビジネスマンのみなさんなら、このおかしさに気づきますよね。
ある要素で物事を比較検証するためには、他の要素が与える条件をすべて揃える必要があります。
上記の例で簡単に言えば、もしかしたらAさんは、ふだんから毎日オレンジジュースを飲んでいて、Cさんはまったく飲まない人かもしれません。
すると、血液成分に影響を与えたのが納豆ではなくオレンジジュースである可能性がありますよね。
あるいはAさんのほうが歩いた距離が長かったのかも知れません。
納豆の体への影響を測定するなら、納豆以外の条件を揃えなければ意味が無いわけです。
2週間、3人とも同じ場所で、寝起きの時刻を揃え、同じ食事を摂り、同じ運動量で、同じ過ごし方をする必要があります。
それでも、年齢、性別、それまでに過ごしてきた数年間の食事など、いろんな要素が影響を与えるので、比較としては正確ではありません。
そうです。
そもそも2週間で何の素材を食べたかなんていう実験の結果なんて全然あてにならないわけです。
健康を得るのに絶対的な方法はありませんが、クリティカル・シンキングを駆使して、なるべく正確な情報を得たいのであれば、テレビの番組の特集をうのみにするのではなく、複数の手法を併用して検証したほうが良いですよね。
健康のためだと思い込んで実は無意味なことに時間とオカネをつぎ込んでもムダです。
統計的に言えば、数値が大きいほうがより正解に近づきます。
演繹的に考える(Aであり、Bであるから、Cである)、帰納的に考える(A、B、C、D、E、FだからGである)場合も証拠は多いほうが正確度は上がります。
1億2000万人以上いる日本人の平均寿命がどんどん伸びている原因を探るほうが、3人の2週間の実験よりもはるかに収穫は大きいと言えるわけです。
何でもかんでもテレビをうのみにして振り回されてたら、そのうち、やらせ番組にに引っかかりますよ〜。
あ、ボクはバナナも納豆もグラノーラも大好きで、よく食べてます。