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Appleの株式時価総額が史上最高を更新した理由

株式の意味と会社の価値とAppleの成長

 

みなさん、こんにちは!

B-CHANです。

 

Appleの株式時価総額が史上最高を更新したようです。

 


米Appleの株式時価総額が史上最高記録を更新 | 気になる、記になる…

 

毎年のように、

 

Appleはそろそろダメだ

 

と言われ続けて、はや数年。

今年もまた史上最高の指標を更新しました。

 

このブログで何度も言ってきましたが、ボクはAppleのファンでもどこの企業のファンでもありません。

 


どこかの企業のファンになることは損という考え方 - 非天マザー by B-CHAN

 

 

なので、Appleを持ち上げるつもりもありません。

しかし、それとは無関係に、Appleの株式時価総額が史上最高額を更新したのは客観的な事実です。

ボクは、どんな企業であっても業績が良いことは喜ばしいと思っています。

なぜなら企業の好業績は経済全体に波及して、多くの人にメリットをもたらすからです。

 

さて、そもそも株式時価総額って何でしょうか?

 

企業は現金や不動産など、色んな資産を持っています。

その資産は誰に帰属するのでしょう?

実は2通りあります。

ひとつは債権者、ひとつは株主。

例えば、ある企業、X社の資産が1億円だとします。そのX社には7千万円の負債があるとします。

すると1億円の資産から7千万円の負債を返済した残りが3千万円ですよね。

これがX社の純粋な資産です。会計用語ではズバリ、純資産と言います。

昔は自己資本と言いました。

X社の自己資本比率は30%です。

自己資本比率が高ければ高いほど、つまり負債の比率が小さいほど、倒産のリスクは小さくなります。

こう書くと、無借金経営がベストだと勘違いする人がいるので、必ずしもそうでは無いことを以前書きました。

 


無借金経営って良いこと?(ファイナンスの基本) - 非天マザー by B-CHAN

 

 

負債といえばソフトバンクが有名ですが、負債のおかげで、つまり強い財務レバレッジを掛けることによって大きな利益を生み出していることを知ってくださいね。

あの天下のトヨタだって10兆円以上もの負債があるんですよ。

 

話が逸れました。

純資産は株主に帰属します。X社だと純資産3千万円は株主のモノです。

例えば株主が10人いて、一人が一株ずつ、つまり合計で10株あれば、一株につき300万円の価値があります。

もし、今すぐX社を解散して財産を分け合えば、株主は一人につき300万円もらえる権利があるってことです。

この3千万円を会社の解散価値と呼んだりもします。

実はこの3千万円が株式時価総額です。

Appleはこの株式時価総額がが史上最高なわけですね。

株式時価総額が上がれば上がるほど、株主が分けてもらえる価値が上がるということです。

さっきのX社であれば、一株の価値が300万円でした。これが実は株価になります。

例えば、もしX社の株価が200万円だったらどうなりますか?

200万円で株を買えば300万円分の会社の財産を貰う権利が手に入るわけです。

当然、人気が集まります。

210万円で買う。

220万円で買う。

250万円で買う。

そういう人が出てきます。

300万円より安く株を買えればトクですからね。

結局株価は上がり、300万円で止まります。

なぜなら310万円でその株を買っても損だからです。

これも読んでくださいね。

 

 


経済学を全く知らない人だけにオススメの経済学……需要と供給と物価の決まり方 - 非天マザー by B-CHAN

 

 

とにかく株価は300万円になり、それが10株あるので3千万円、まさに株式時価総額です。

 

今の話はAppleの話に通じます。

Appleの時価総額が上がっているということは株価が上がっているということです。

なぜ株価が上がるかはさっき書きました。

欲しがる人が多いからです。

なぜ欲しがる人が多いか。

現在の株価以上にAppleの資産価値が高いからです。

なぜAppleの資産価値が高いかと言えば、儲かっているからです。

ただし儲かっているだけでは株価は上がり続けません。

儲かった分と一致する状態になれば株価は止まるからです。

Appleの株価が上がり続けているのには理由があります。

それは、現在儲かっているからでは無く、将来も儲かるだろうと考えられているからです。

将来も儲かるということは将来もAppleの資産価値は上がるということです。

将来、資産価値が上がる会社の株式を今買っておけば値上がりが期待できますよね。

これがAppleの株価が上がり続ける理由です。

 

つまり、非常に多くの人が、

 

Appleはそろそろ終わりだ

 

では無く、

 

Appleはまだ成長する

 

と見ているわけですね。

 

株価は景気の先行指標だと言われていますが、それはさっき書いたように将来の期待値が現在の株価に反映されるからです。

将来性があるから株が買われて値上がりするということです。

 

スマートフォンの世界ではすでにAndroidのシェアが大半です。

しかしAndroidを作っているメーカーでAppleほど稼いでるメーカーも、Appleのような時価総額のメーカーもありません。

なぜでしょうか?

それはApple製品の付加価値が高いからです。

 


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わかりやすく言うと、Appleは時給1万円の労働をしてる間にAndroidメーカーは時給千円の労働をしているわけです。

Appleが少ない台数で大きな利益を稼ぐ間にAndroidメーカーは多数を売って少し儲けるわけです。

ビジネスとしては明らかにAppleが優れているわけです。

付加価値の少ない製品であれば低価格で無いと売れませんが、付加価値の高い製品は高価格でも売れます。

これは世界の一流企業のブランド価値に現れていますね。

 

付加価値は必ずしも製品のスペック・性能で決まるわけではありません。

顧客がどれだけおカネを支払ってよいかと考えるかが付加価値の高さです。

その世界ではiPhoneとAndroidスマートフォンの性能の比較をしても仕方ないわけですね。

例えば宝石のダイヤモンドなんてネットもメールもSNSもおサイフケータイもできない小さな石ころですが、それに数十万円数百万円を払う人が存在するわけです。

 

仕事をする人が、ブランド価値、付加価値を忘れて、単なるスペック競争に走っても、企業の儲けにはつながらず、会社に貢献できません。

そういう人は、仕事のできない人、とみなされてしまいます。

例えばSONYのXperiaというスマートフォンはiPhoneを圧倒的に凌ぐ高性能ですが、会社は大赤字です。

高性能な機器を開発するコストが高いのに、顧客はそれに付加価値を見いだせず、ふさわしい価格で売れないからです。

そういう意味ではAppleの中の人たちは、世界一仕事のできる人たち、と言えます。

 

近年は日本の家電メーカーはかつてのような競争力を失いました。

Appleに対してスペック競争を挑んでも意味が無いどころかビジネスリスクにすらなりうることを学んだと思います。

ボクは日本に住む日本人なので、日本メーカーがスペック競争ではない価値を高める競争に挑んで、再び世界市場を牛耳ってほしいなあと思っています。