楽天の功績
楽天の祖業かつメイン事業は楽天市場です。最近は稼ぐ事業は金融方面ですが。
楽天市場には賛否両論ありますが、まあそれは、それだけ規模が大きく、影響が大きいからですね。
好きなタレントの上位者がキライなタレントの上位にも入ることがあるように、人気者には必ずファンとアンチが存在するわけです。
楽天はそう言う意味では影響が大きいんですが、とにかく日本の通販を変えたのは事実です。
いくら、ジャパネットたかたが有名でも、全国の商店を、価格順で並べ替える機能を持つのは楽天です。
ITの特性を活かして買い物に革命を起こしました。
また、プロ野球界においても、かつてはセントラルリーグの読売ジャイアンツを中心に動いていた構図にくさびを打ち、地域密着型として、各チームに観客動員増をもたらしたのも東北楽天ゴールデンイーグルス(と福岡ソフトバンクホークスと北海道日本ハムファイターズ)です。
とにかく楽天と言う会社が登場してから、世の中の様子はかなり変わりました。
携帯電話
そんな楽天が、携帯電話事業に参入です。
大手キャリアから回線を借りるMVNOでは無く、MNOつまり大手キャリアと同じことをしようとしています。
ドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ4社目になろうとしています。
もちろん、参入障壁は高いので、困難が目に見えていますが、それは楽天の問題。
国民にとってはどうでしょうか。
すごく当たり前のことを書けば、競争が激しくなるので、
- 価格が下がる
- サービスが向上する
ことが期待できます。
なので、国民にとっては、新規参入は歓迎すべきだと。
国策的にも、携帯電話の競争促進の立場なので、おそらく、良い方向に働くんでしょう。
過剰設備
一方で、ボクが何年も前から、ふと思うことがあります。
それは重複インフラです。
例を出しましょう。
何でもいいんですが、例えば水道。
浄水場から各家庭に上水道を送ることを考えます。
これを仮に民間化して、競争を促す場合、同じエリアに上水道を送るのに、いくつもの浄水場ができます。
そして、同じエリアに重複するように、A社の配管、B社の配管、C社の配管ができます。
1社なら1億円のコストでできる事業が、3社なら3億円のコストがかかります。
配管が3倍ですからね。
もちろん、競争が起こるので、売上高は3倍にはなりません。
確かに、国民にすれば、価格面のメリットがありますが、一方で、同じエリアに、上水道の配管を3本も埋めることって、ムダじゃないでしょうか。
規模の経済と言う言葉があります。
産業は、規模が大きくなればなるほど、単価が下がります。
だから、企業は、どんどん合併するんです。
大きくなれば、費用低減の法則が働き、安いコストで運営できるようになるので、その分、消費者にも安く提供できるようになります。
つまり、
- 社数が増えることで競争が生まれて価格が下がる。
- 社数が減って規模が大きくなって費用低減が起きて価格が下がる。
前者は企業のサービスの向上と言うメリットがある代わりに企業の体力を奪い、場合によっては疲弊します。
後者は寡占化によって企業は余裕を持って値下げが可能ですが、競争が無いので恣意的に値下げが止まる可能性があります。
実際、同じエリアに、4社もの基地局、アンテナが立つわけです。
この狭い日本です。
総合的にはムダなコストかもしれません。
もしかしたら、携帯電話の電波は国家インフラとして国が土管の役割を果たした方が安いのかも知れません。1社(1国)だけの基地局やアンテナで済みますから。
競争が有利なのか。
規模の経済が有利なのか。
あなたはどう思いますか?
なんか、6年前にも似たようなことを書いていました。