ロゴマーク
世の中には会社っていくつあるんでしょうか。
日本だけでも300万社とか400万社とか言われています。
てことは、社長も300万人くらいは存在するんですね。
1人で複数社の社長を兼任している人もいるので、実人数はもっと少ないはずですが、1億2000万人の人口に対して社長が300万人なら、120人に1人が社長なんですね。
わりと社長って多いですね。
で、社長もそうですが、多くの会社にはロゴマークがあります。
日本で一番有名なロゴマークって何でしょうね。
例えば、トヨタ自動車のロゴマークは一番有名なひとつでしょうね。
Googleの画像検索のリンクを貼るので見てください。たぶん、ほとんど誰でも知っているマークです。
では、同じ自動車メーカーであるマツダのマークはどうでしょうか。
これです。
さらに、ホンダ(本田技研工業)のマークはこちら。
ここまでは、ある共通点があります。
では、同じ自動車メーカーでも、次の3社のロゴマークはどうでしょうか。
わかりますかね。
文字を元にしたロゴマーク
トヨタとマツダとホンダのロゴマークは、それぞれの会社名のアルファベットの頭文字がモチーフになっています。
- トヨタはT
- マツダはM
- ホンダはH
一方、フェラーリやベンツやアウディのロゴマークは企業名の文字とは全然関係の無いマークです。
個人的な話ですが、ボクは、文字を元にしたロゴマークがあまり好きになれません。
理由はとても単純。
それは、デザイン上の制約が大きすぎるからです。
例えば、マツダのロゴマークはアルファベットのMが元になっていますね。
では、同じMを元にしたロゴマークとして有名なマクドナルドのロゴマークを見てください。
他にもいくつか、アルファベットのMを元にしたロゴマークを貼りますね。
当たり前ですが、すべてアルファベットのMを元にしているので、アルファベットのMの文字の特徴が反映されています。
中央上部が凹んでいて、左右の両端が脚のように下に伸びています。
それぞれのロゴには工夫が凝らされていて、特徴があるんですが、それでも、アルファベットのMを逸脱することはできないわけです。
例えば、マクドナルドのロゴマークが、
K
こんな形や、
Q
こんな形をしていたらおかしいわけです。
それらはもはやMでは無くKやQなんですから。
つまり、文字を元にロゴマークを作ると、必ずその文字の特徴が反映され、それは裏返しに言えば制約となります。
自由に作れないわけです。
そう言う意味では、さっきのベンツやアウディなどは、ベンツのBの特徴もアウディのAの特徴もありません。
つまり、 文字の制約からデザイン的には完全に解放されています。
今回はたまたま1文字のロゴマークを例に出しましたが複数文字でも同じことです。
むしろ文字数が増えるほど、制約は増え、デザイン上の自由度は減ります。
例えば、FUJIと言う文字をロゴにしている会社はたくさんあります。
見てください。
でも、どの会社も、
FUJI
と言う形からは逸脱できません。あくまでも同じ造形の中でフォントや色やデザインを変えているだけです。
RVSL
と言う形にはできないんです。
特に、アルファベットの場合はたったの26文字しかありません。26種類しか形が無いんです。
だからマークでの差別化が難しい。
逆に、文字をベースにしていない企業のロゴマークで一番有名なのは、おそらく、Appleでしょう。
他にも、鳥のマークだったり、星のマークだったり、文字に捕らわれなければ、無限のロゴマークの可能性があります。
この世に実在する物体ですらある必要は無いんです。
ボクが個人的に優れていると感じるのは、ナイキのロゴマークとソフトバンクのロゴマークですね。
もちろん、ナイキにもソフトバンクにもちゃんとアルファベットのロゴマークもありますが、それとはまったく別にマークがあります。
ナイキは羽のようなマーク。
ソフトバンクはグレーの2本の横線。
これらは、ナイキのNともソフトバンクのSとも関係無い形です。
シンプルでありながら、誰が見ても、それとわかるマーク。
今日は、デザインの制約の話をしました。
ま、好き嫌いの話ですけどね。