銀行員
世の中の堅い仕事の代表格と言えば、銀行員ですかね。
銀行員は堅い仕事なので、金融庁によって厳格なルールが定められています。
そして、金融庁によらずとも、会社として銀行員に対して厳しめのルールを定めています。
例えば、銀行員がロン毛で茶髪でピアスでチャラチャラしていたらどうでしょうか。
お客さんの方が敬遠しますよね。
銀行が自社の行員に、身だしなみに関する規則を定めるのは、行員に対する嫌がらせや感情論ではなく、お客さんに対するアピールなのです。
チャラチャラした銀行員がたくさんいる銀行だと経営が傾きますから。
アイドル
さて、本題。
AKB48などのアイドルグループでは恋愛が禁止されています。
本来は、恋愛は個人の自由のはず。
それを禁止するのは、人権侵害では無いかとの意見もあります。
恋愛を禁止するのは、別に感情論でも何でもありません。
アイドルを雇う事務所の経営の問題です。
ファンの目線で考えてみましょう。
- 恋愛をしないアイドル
- 自由に恋愛をするアイドル
どっちを応援したいですか。
まあ好みの問題ではあるんですが、一般的に考えれば、自由恋愛をしているアイドルよりも、恋愛をしないアイドルの方を応援したくなるのが人情。
アイドルが目指すところが人気の獲得であるならば、自由恋愛のアイドルはビジネス的には高いハードルを課せられてしまうわけです。
- 恋愛はできないが人気が出る
- 恋愛はできるが人気が出ない
もし、人気アイドルになることを志してアイドルになったのであれば、人気が出るための方法論を採るでしょう。
組織
これを読んでいるみなさん。
サラリーマンでしょうか。事業主でしょうか。
サラリーマンは会社の規則に従う必要がありますよね。
それがイヤでイヤで。
そう言う人、多いでしょう。
しかし、自分で事業をしてみて初めて気付くのです。
規則があることによって毎日、規則正しく活動ができていることに。
自分で事業をする人は、自分の行動をすべて自分で律する必要があります。
つまりモチベーションです。
なにせ、朝起きなくても誰にも怒られない。
夜、いつまでも夜更かししても誰にも怒られない。
そんな生活が手に入ると、多くの人は怠惰になります。
ごく一部の人だけが自分を厳しく律するのです。
だから事業は、ごく一部の人だけが成功するのです。
これ、アイドルも同じ。
所属している事務所が、もし、恋愛禁止ルールを撤廃したとしましょう。
つまり、自由恋愛です。
では、アイドルは自由に恋愛すべきでしょうか。
さっき書いたように、それは個人の自由ですが、それを応援するかどうかは、ファンが決めます。
規則が無いから自由に活動できると、多く人は怠惰になる。それはアイドルも例外ではありません。
つい、恋愛する人も出てくるでしょう。
そしてなかなか人気を得られません。
一方、例え恋愛禁止ルールが無くても、自分を厳しく律することができるアイドルなら、人気も得られる可能性は高いです。
人間は弱い生き物です。
事務所が恋愛禁止ルールを設けるのは、実はアイドルにとってはプラスである可能性が高いんですね。
アイドルの人権と言う、ひとつの面だけで判断するのであれば、恋愛禁止は撤廃すべきでしょう。
しかし、人気を獲得させてやりたいと言う親心があるのなら、むしろ、人気を獲得できるための施策をあえて採るのも方法ですよね。
チャラい銀行員がお客さんから避けられるのと同じです。
判断するのは、お客さんであり、ファンであり、マーケットです。
AKBグループと言うのは、別にアイドル候補生を誘拐してきているわけではありません。
あくまでも、アイドルになりたい人が自分の意思で加入を希望するわけです。
当然、組織である以上、ルールがあります。
茶髪、ロン毛、ピアス禁止なんて人権無視だ!
なんて思う人は、銀行に入らないと言う選択肢があります。
茶髪、ロン毛、ピアスはしたいけど、銀行員になりたい、と言っても、お客さんがそんな銀行を選んでくれないんですから、事業が成り立ちません。
恋愛禁止なんて人権無視だ!
と思うのであれば、そんなルールが無い組織に入るか、もしくは組織に所属せずに自分で活動すればいいんです。
もちろん、その場合、人気を獲得するのにさらに高いハードルが待っているんですが。
そう言う観点から見れば、アイドルの恋愛禁止ルールはむしろ、アイドルにとって優しいルールだと思うんですよね。
アイドルが一番欲している「人気」を獲得するための方策なんですから。
そして、もし、恋愛をしたくなったのなら、その組織を抜ければいいんです。
職業選択の自由、転職の自由は保証されているんですから。
その代わり、人気が落ちても、それは本人の自己責任です。