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「大事な年金資産を危険な株などで運用するな!」と言っている人は自分の財産を失う可能性がありますよ。

年金問題

 

みなさん、こんにちは!

B-CHANです。

 

普通の国民は国民年金や厚生年金に加入しています。

若いうちに国におカネを預けておいて老後に受け取れる仕組みです。

国民から預かったおカネは国(実際には代行機関)が運用しています。

株式や債権など様々な形で運用しているわけです。

運用成績は毎年まちまちで、大きな利益を出したり大きな損失を出す年もあります。

マスコミはセンセーショナルなニュースを好むので、年金機関が利益を出した時は大きく報道しないんですが損失を出した時はわりと大きめに報道します。

そういうニュースを見て、

「年金資産という大事なおカネは株などの危険な方法で運用せずに大切に預金しておけ!」

と怒っている人が必ず現れます。

気持ちはわかりますが、その怒りは知識不足による誤りです。

説明しましょう。

 

貨幣価値は一定では無い

 

そもそもおカネの価値は一定では無いです。

毎日毎日変動します。

わかりやすいのは野菜などの食料品価格。

スーパーへ毎日買い物に行くとわかりますが、野菜の価格は日々変動します。

例えばキャベツが一玉100円の日と、一玉200円の日があるなら、前者ではおカネの価値は低く、後者ではおカネの価値は高いということになります。

前者では100円というおカネはキャベツ1個分の価値があり、後者では100円というおカネはキャベツ半個分の価値しかないからです。

 

昔、プロ野球に長嶋茂雄というスター選手がいました。

彼が1957年にプロ野球に入るときの契約金は1800万円でした。

現在の人が1800万円という金額を見ても、これで一生食べていけるとは思わないでしょう。

しかし当時の1800万円という金額は大金でした。

当時のサラリーマンの月給が良くても1万円程度でした。

つまり1800万円という金額はサラリーマンの150年分の収入に匹敵する金額だったわけです。

 

ではもし、その大金である1800万円をまったく使わずに自宅の金庫に大切に保管して50年以上経過して現在に至るとします。

いま金庫を開けると1800万円がそこにあります。

でも現在の人はそれを見ても数年分の生活費だとしか捉えられません。

たったの1800万円でとても150年も暮らせないわけです。

昔の1800万円は巨額の大金だったのに今は数年分の生活費。

明らかにおカネの価値は下がっています。

これはインフレが起こったからです。

インフレが起こればオカネの価値は下がりデフレはその逆。

日本においては、この数十年の間に10倍以上ものインフレが起こったわけです。

だから、おカネを大切に持ったままだと価値が大幅に落ちてしまったということです。

 

預金ではインフレに対応できない

 

おカネを預金に置いておくということは、まさにこの状態です。

預金ではおカネの額面は変化しません。

利息が付くだけです。

確かに景気が良い時は金利も上がるので、銀行預金でもおカネは増えますが、バブル期でも金利はせいぜい8%程度。

ましてや、あのような異常なバブル好景気は今後期待できないので、預金金利はあって無いようなモノです。

 

年金というのは数十年に渡る長期の仕組みです。

預かったおカネを数十年も預金しておけば、その間のインフレやデフレにはまったく対応できません。

仮に22歳の長嶋茂雄氏が1800万円を年金に預けて、60際になったときにそれをそのまま受け取るのはあまりにも少なすぎます。

年間300万円受け取っても6年で底をつきます。

 

インフレ・デフレに対応するには

 

おカネを大切に持っている間にモノの価格が10倍になってしまえば、おカネの価値は10分の1になったということです。

物価が変動する以上、おカネを持つということは、そのリスクに晒されます。

物価が10倍になっても財産を10分の1に減らさずに済む方法はあるでしょうか。

 

あります。

 

それは財産をおカネ以外で所有することです。

物価が10倍になるということは、オカネではなくモノを持っておけば、そのモノの価格が10倍になると言うことですよね。

つまり、モノを持っておけば価値を減らさずに済むのです。

 

Aさんは100万円を大切に現金で持ち続けました。

Bさんは100万円で土地を買いました。

 

数十年後、物価は10倍に。

カフェでコーヒー1杯が5000円の時代です。

こうなると現金100万円しか持っていないAさんはコーヒーを飲むのも慎重になりますよね。

いっぽうBさんの土地は10倍に値上がりし1000万円で売れました。

物価も10倍になりましたが財産も10倍になったのでダメージは受けません。

そういうことです。

 

年金を運用する機関が年金資産をすべて預金したままだと、長い年月の間に物価変動の大きなリスクに晒されます。

株式や土地や外貨など、国内の通貨以外の形に換えておくことで、物価変動のリスクが回避できるわけです。

長期的な財産である年金資産を様々な形で運用するのは、別に値上がりを狙ってバクチをしているわけではなく、リスクを回避するための行為であることを理解しましょう。

 

日本の円だけで預金している人は注意

 

ボクが日本の円で100万円持っているとします。

これを半分の50万円分だけアメリカドルにしておくとします。

1ドル=100円だとすれば、5000ドル分ですね。

もし今後、日本円の価値が半分になってしまったとします。

すると金額は50万円でも実質的には25万円分の価値しかありません。

一方、日本円の価値が半分ということは、1ドル=200円ということになります。

5000ドルを持っていて1ドル=200円なので、日本円で言えば、100万円分の価値になりますよね。

つまり日本円の価値が下がってもアメリカドルの価値は上がるので、全体では損することがありません。

もし100万円全部を日本円で持っていたら財産は半分に減っていました。

逆にアメリカドルの価値が半分になっても、相対的に日本円の価値が倍になるので、全体では損しません。

全額を日本の預金ではなく、半分をアメリカドルにしておけば、インフレでもデフレでも財産を減らさずに済むわけです。

もちろん為替の手数料が発生するので全額を維持できるとは限りませんが、何もしないよりずっと安全です。

これがリスク回避ですね。

 

すごく基本的な話ですが、投資の世界では複数の形式に投資することを「分散投資」と呼び、リスクを回避するためのオーソドックスな手法として知られています。

もちろん投資だけではなく一般の人の財産にも当てはまることを知っておいてください。

物価が10倍になって、おカネの価値が10分の1になれば、

 

  • 1億円持っている人は9000万円を失い、
  • 100万円持っている人は90万円を失う。

 

財産が多い人ほど失うモノが大きいです。

自分は安全な預金だけで、株や投資はしないので安全、と思い込んでいる人は将来のリスク対策ができていないのでご注意。

 

数兆円単位の巨額な資産を預かる年金が預金だけに留めない理由を理解してもらえたでしょうか。

 

 

 

ただし、年金資産の無駄遣いは過去にいくらでも事例があります。

ムダな保養施設などをたくさん作って赤字を垂れ流して大切な年金資産を失ったのに役人は責任を取りません。

そのことは分散投資とは別の問題です。

批判されて当然でしょう。

 

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