恐ろしい痴漢えん罪
最近、痴漢と疑われて、線路におりて逃走すると言う事件がいくつか起こっています。
まず、根本的な話ですが、痴漢えん罪と言うことが事実であるならば、実際には無実の人に刑罰を与えているわけで、これはもうホントに悲劇です。
何もしていない罪の無い人が罪人に仕立て上げられ、職を奪われ、名誉を失い、生活もまともにできなくなります。
悲惨です。
そして、その可能性が、これを読んでいるあなたにも、そしてボクにもあると言うことです。
防ぐのは非常に難しいです。
よく、電車内で痴漢に間違われないように対策をする話があります。
両手で吊革を持つと言う話ですね。
でも、考えてみてください。
痴漢をでっち上げるのであれば、そんなのは関係ないわけです。
吊革を両手で持っていようが、
「この人、痴漢です!」
と言われてしまえば、はい終わり。
吊革を両手で持つと言うのは、あくまでも、痴漢に間違われないための方法であって、痴漢にでっち上げられるのを防ぐ方法では無いわけです。
こうやって、悪質なでっち上げによって、何の罪も無い人が痴漢にされてしまうんですね。
ここで考えなきゃいけないのは、法治国家における大原則です。
それは、
疑わしきは罰せず
です。
痴漢えん罪事件では、被告は実際には痴漢をしていないわけです。
していないのだから、絶対に証拠は存在しないわけです(偽造しない限り)。
つまり、えん罪事件で犯人にされると言うことは、証拠も無しに罪を確定すると言う、法治国家ではあるまじきことなんですね。
てことは、警察、検察と裁判官の罪は重い、と言うことになるんです。
悪魔の証明と言う言葉を聞いたことがあるでしょう。
存在するモノの証明は、それを1つでも見せれば良いのでカンタンです。
でも、存在しないことの証明は、ほぼ不可能です。
だから、誰かを罪に問うためには、その人が有罪である証拠が必要なんです。
にも関わらず、痴漢えん罪事件では、その原則が守られていません。
だから、何の罪も無い人が自分の潔白を証明するために、無いことの証明、つまり悪魔の証明をせざるを得ないわけです。
アホですね、日本の裁判官。キミらこそ法を守れよ。
えん罪の場合に女性を処罰
一方、最近は、痴漢えん罪事件が注目されていることもあり、逆に、えん罪事件場合は訴えた女性の方を処罰しようと言う意見があります。
ボクはそれにも反対します。
理由はとてもカンタン。
誰もトクしない上に、不幸になる人が出てくるからです。
理由を考えてみましょう。
痴漢えん罪事件には2つのパターンがあります。
- 痴漢と間違われたケース
- 痴漢にでっち上げられたケース
まず、後者から。この場合は、痴漢をでっち上げた女性に非がありますから確かに処罰しても良いでしょう。
しかし、さっき書いたように、問題は、犯罪をやってもいない人間を有罪にする裁判官が悪質なことなのです。
今まで、痴漢だと訴えられて逮捕された人の大半は有罪になっています。
ホントなら、その中で証拠の無い人たちは有罪にはできないはずなのにです。
だから、司法がきちんと原理原則を守れば、でっち上げによる痴漢えん罪なんて防げるんです。罰すべきはちゃんと仕事をしない司法なのです。
では、前者のケース、つまり痴漢と間違われたケースはどうでしょう。
この場合は、痴漢をされた女性に罪はありません。
なぜなら、実際に痴漢をされているのに、人違いをしたんですから。
ホンモノの痴漢もそうカンタンに捕まるわけにはいきませんから、巧妙にバレないように痴漢をします。その結果、痴漢をされた女性は人違いをして訴える可能性があります。
その女性は実際に痴漢の被害に遭っているわけで、もし、その場合でも、痴漢えん罪なら、その女性を処罰すべきなんて意見が通るのであれば、女性は怖くて、実際に痴漢をされても訴えることすらできなくなります。
それって、誰がトクしますか?そうです。ホンモノの痴漢ですよ。
そして被害者は泣き寝入り。
つまり最悪です。
なので、痴漢えん罪の場合に女性を処罰するなんて言ってはいけないのです。犯人だけが得をして、善良な人はみんな不幸になるんですから。
ここまで書いて結論が出ましたよね。
痴漢えん罪が起こるのは、訴えた側に問題があるのではありません。
そもそも誰かを訴えるのは国民の権利です。
勝つか負けるかは結果次第。
裁判に負けたら、負けた方を処罰するルールなら、怖くて誰も訴訟制度なんて利用できなくなるんです。
問題があるのは、証拠も無い(実際に痴漢なんてやっていないんだから証拠なんて存在するはずも無い)のに有罪にしてしまう司法の責任です。
だから、痴漢えん罪事件で処罰すべき対象は女性ではありません。
わかりましたか?
※最後に念のために言っておきますが、本文中はあえて被害者が女性で加害者が男性と言う前提で書きましたが、もちろんそれに限定されるモノではありません。