非天マザー by B-CHAN

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パクリと言う一面的な現象だけを捉えて批判する人たち

曖昧なパクリ

 

パクリという言葉ほど曖昧(あいまい)なモノって無いですよね。

だって、似てるか似てないかなんて主観じゃないですか。

 

例えば日本中で走っている自動車。

そのほとんどが、

  • 4つのタイヤ
  • 右前の座席にハンドル、足下にアクセルとブレーキのペダル
  • 真ん中にシフトレバー
  • 前にエンジン
  • 後ろに荷物入れ
  • 前後に2列か3列のシート

 

ほとんどそっくりです。

 

ノートパソコンだって、ほとんど全部が同じ形。

掃除機も洗濯機も電卓もカメラもほうきもちりとりも。

三菱グループのマークなんて、パクリどころかほぼ完全に三菱鉛筆のマークと一致してますよね。

 

でも、世の中では特定のパクリにのみ、攻撃が浴びせられるわけです。

 

世の中をデジタルで表現するとわかりやすいです。

 

あるデザインが、二進法で4桁だとします。

すると、可能なデザインは、

0000 , 0001 , 0010 , 0011

0100 , 0101 , 0110 , 0111

1000 , 1001 , 1010 , 1011

1100 , 1101 , 1110 , 1111

この16パターンのみ。これ以上の数のデザインは不可能になります。

基本的には現実世界でもこれと同じ考え方ができます。

もちろん4桁では無くもっともっと桁数は多いわけですが、例えば似たようなパターンはパクリだと言われてしまいます。

ドラえもんの顔のデザインのうち、赤い鼻の部分だけを青色に変更しても、それはパクリだと言われます。

こうやって減らしていくと、実はかなり制限がかかります。

 

ネット社会の弊害

 

例えば犬をモチーフにデザインすると言えば、犬という原型を逸脱することはできません。

犬の原型を脱して猿の形に近いデザインをしても、それは犬とは見なされないわけです。

面倒なのは、今や世界がインターネットでつながってしまったことです。

70億人の大半の人に瞬時に情報が行き渡る世界です。

てことは、パクリと言われないためには、現在存在する70億人の誰一人も描いていないデザインにする必要があります。

70億人の人たちの多くは人生で一度は犬の絵を描いたことがあると思います。

もしあなたが犬のデザインを創作したときに、それがその70億人の誰一人とも似ていてはいけないわけですね。

試しにいま、犬をモチーフにロゴマークを考えてみて下さい。

しかも犬だとわかるデザインにしなければならないです。

では、そのデザインが世界の70億人の誰が描いた犬とも似ていないと断言できるでしょうか?

まあ無理でしょうね。ボクも無理ですし、あなたも無理でしょうし、それが可能な人はいないです。

それを実現するためには、70億人が描いた犬の絵をひとつ残らず全部調べる必要があります。

デザインって制限があるんですよね。

ヒトデのデザインを作るならヒトデの形に制限されます。

Aさんが赤い五角形のデザインでヒトデを描き、そのあとBさんが赤い五角形のデザインでヒトデを描いたら、BさんはAさんをパクったことになるでしょうか?

違いますよね。

 

法律

 

パクリってのは著作権や意匠権を守るために便宜上、法が定められていますが、厳密に運用できるわけが無いんですよ。

インターネット時代の今、どんなデザインをしたとしても、世界の70億人のうち誰か一人の絵と似ていたら、瞬時にネットで告発される可能性があります。

もはや、デザイン業界自体が運用不可能な状態です。

はっきり言って、法が時代遅れになってるんじゃ無いでしょうか。

 

パクリが意図的じゃ無くても、世界の誰のデザインにも似ていない確率なんて限りなく低いわけです。

今回は一人のデザイナーの作品のパクリ疑惑が問題になっていますが、世の中の他のデザイナー(さっき書いたように自動車や家電や企業ロゴなど)すべてにその疑いがありますし、もっと言えばあなたもボクも、何かデザインした瞬間に世界の誰かのデザインに似ているわけです。

70億人の誰にも似ていない、つまり70億分の1の確率を満たさない限り、そうなるわけです。

 

それにしても、パクリ疑惑というだけで無言電話を掛けたり私的制裁をする人たちって悪質ですよねえ。

今の法の下ではパクリはもちろん無罪では無いでしょう。

しかしそれへの制裁を、私的に、さらに重いやり方で行うのは理不尽です。

 

前にも書きましたが、世の中にはもっと悪質な違法行為を平気でしながら罰を受けてない人がたくさんいるんですよ。

例えば自動車のスピード違反。

スピード違反のせいで日本では年間に何万人もが怪我をし、何千人もが亡くなっています。

スピード違反ってのは人の命を奪う悪質な行為なんですよ。

デザインのパクリと比べても圧倒的に悪質な行為なんです。

なのに、たった1度2度のパクリ行為には無言電話を掛けたりネットに個人情報をさらしたりして悪質な制裁を加え、一方で、スピード違反で捕まったら警察を批判する。

もはやバカそのものです。

デザインとかイベントなんかは重視して人命は軽視する愚かな人たちです。

自分の方がはるかに悪質な行いをしながら、それより罪の軽い人間に私的に制裁を加える、ホント、見てて情けないです。

スピード違反した人たちの顔写真をネットにアップしていく方が、よほど安全な国になりますよ。せっかくオービスという写真撮影システムがあるんですからね。

 

このブログも、毎日1万人前後の人が読んでいます。

まあ、こういう文章を書くと、中には、デザイナー擁護だ、なんて言い出す人がいるんでしょうね。

つまらない。ボクがデザイナーを擁護する意味も必要性も無いです。

そんな次元で書いていないのは明白なのに、読み違えする人が出てくるのは残念ですよ、過去の経験から予想できますが。

 

 

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