統計値と確率は別
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
プロ野球の日本シリーズは昨日で3戦を終えました。
第1戦:勝 タイガース - 負 ホークス (甲子園球場)
第2戦:勝 ホークス - 負 タイガース (甲子園球場)
第3戦:勝 ホークス - 負 タイガース (福岡ヤフオクドーム)
メディア上ではあちこちで優勝確率に関する話題が飛び交います。
第3戦勝利で日本一の確率77% ― スポニチ Sponichi Annex 野球
こういう記事を見て、ホークスファンは喜び、タイガースファンは、短期決戦に確率なんて関係無いと言います。
まあ見てる分には面白いんですが、そもそもの間違いを指摘しておきます。
それは、「確率」と「統計」とを混同してしまっている点です。
確率というのは、これから起こる出来事の確からしさの比率です。
統計はすでに起こったことの比率です。
これから起こる出来事の確からしさが過去の出来事の統計値に引っ張られることはありません。
過去、3戦を終えて2勝1敗だったチームが優勝「した」統計値は約77%であり、これは誰が計算しても同じです。
事実として残っています。
一方、今年の日本シリーズはまだ終わっていません。まだ終わっていない日本シリーズの優勝確率が、過去の統計値に引っ張られるなら、ホークスが日本一になる確率は77%ということになりますが、もちろん間違いです。
もしそれが事実なら、仮に過去の日本シリーズで、2勝1敗だったチームが100%優勝していたと仮定したら、今年の日本シリーズもホークスが100%優勝することになってしまいます。
それなら日本シリーズをやる意味がありません。
過去の結果は100%だったとしても、今年は変わる可能性も当然にあるわけです。
77%と言うのは過去のチームが優勝「した」比率であって、これからのチームが優勝「する」確率とは無関係です。
コインの表が出る確率
コインを3回投げて、3回とも表が出たら、4回めも必ず表が出る、なんてことは無いですよね。それと同じです。
過去の統計値とはまったく関係なく、次にコインの表が出る確率は50%です。
統計と確率は無関係です。
ここは多くの人やメディアも間違えているんですが、優勝「した」比率と、優勝「する」確率はまったく別の話です。
統計と確率を混同してしまっています。
帰納法、演繹法
「帰納法」を知っているでしょうか。
例えばある実験を10回行って、10回ともAという結果が出たので、おそらくAは正しいと結論付けます。これが帰納法です。
当然ながら、帰納法で得た結論は間違いであることもあります。
11回めから10回連続でBになる可能性もあるからです。
過去の日本シリーズの結果から推測するのは帰納法であって演繹(えんえき)的ではありません。
つまり、過去の統計値を引き合いに出してきて、どちらが有利になったというのは、議論すること自体が無意味です。
確率的にホークスが有利なのは間違いない
ただし、統計値は置いておいて、確率論だけで優勝確率を計算することはもちろん可能です。
例えば、ホークスとタイガースの戦力が互角だと仮定すると、試合に勝つ確率は50%です。
すると、ホークスは、あと2回勝つ必要があるので、
50% × 50% = 25%
タイガースは、あと3回勝つ必要があるので、
50% × 50% × 50% = 12.5%
の関門を突破する必要があり、ホークスの優勝確率のほうが高くなります。
繰り返し書きますが、これは過去の統計値とは何の関係もありません。
そして、もし今日タイガースが勝って2勝2敗になれば、優勝確率はぴったり50%になります。
こんなふうに考えながら、日本シリーズの両チームのファンの罵り合いを見ていると、面白いですよ!
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