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非天マザー by B-CHAN

iPhoneの使い方、IT、金融、経済、不動産、保険、ビジネス、音楽、映画、ニュース、自己啓発などを語ります。

トヨタと言う超優良企業ですら巨額の借金をする理由

ファイナンス ビジネス 不動産

借金 

借金

 

 

世の中の大多数の人は、

 

借金

 

に対してマイナスイメージを持っていると思います。

 

  • 生活をするのに借金は無い方が良い。
  • 会社経営に借金は無い方が良い。

 

そう思っている人って多いでしょ?

 

先日、あらゆることに無知な同僚と話していると、彼は、

 

「トヨタなんて日本一の優良企業だから無借金だと思っていた。」

 

と言い、逆にボクは、ああコヤツはファイナンスに関しても知識ゼロか、と驚いてしまいました。

 

ここにトヨタ自動車の直近の決算ページを載せておきます。

http://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/investors/financial_results/2016/year_end/yousi.pdf

 

 

連結貸借対照表の負債額を見てください。

29兆円あるでしょ?

 

個別貸借対照表の負債額を見てください。

5兆円あるでしょ?

 

トヨタは日本最大級の巨額の借金会社なんですよ。

 

このことに関しては、会計や財務の知識がある人にとっては当たり前でしょうし、それらの知識が無い人には驚かれます。

知識の有る無しで、印象が真逆になるんですね。

 

もちろん、現実が正しい。トヨタは無借金経営だと思っているのなら、それは間違いなわけです。

正しい知識を持ちましょう。

 

じゃあ、それほど巨額の借金を負っているからトヨタはヤバいのか。

もちろんそんなことは無く、日本一の優良企業です。

 

つまり、

 

借金 = 悪

 

と言うイメージそのものが間違いであるのです。

 

借金と赤字はまったく違う

 

では、なぜ借金は悪いイメージなのか。

ボクの推測ですが、理由は以下の通りです。

 

  • 個人の生活と企業経営を混同している。
  • 借金と赤字を混同している。

 

まず、個人の生活について。

これはわかる気がします。

個人の生活ってのは、生きるってことです。

ただ生きるのであれば、その生活費は収入の範囲内に抑える必要があります。

働いた収入だけでは生活費が足りない人が借金をするわけです。

実に不幸な状態です。

単なる生活費が足りないから借金をすることは実は何の解決にもなっていません。

なぜなら借金は返済しなければならないからです。

借金とは、おカネを得たのでは無いのです。単に一時的に存在場所が移転しただけであり、借りた人の財産が増えたわけではありません。

利息も払わなければならないので、むしろ借金はおカネを減らすことになります。

あと、もうひとつ、借金をする人はギャンブルのイメージがあります。

これも借金のイメージを悪くしている原因です。

企業経営での借金はギャンブルのためではありません。

 

ふたつ目の理由は、借金と赤字の混同。

先日の貸借対照表と損益計算書の記事を見てください。

 

www.b-chan.jp

 

借金つまり負債は貸借対照表に載り、赤字は損益計算書に載ります。

そもそも別物です。

借金はあくまでも一時点での状態を表す言葉です。

今日1月19日の時点で借金が1億円ある、てな言い方ですね。

一方、赤字は、一定期間での業績です。

1月1日から12月31日までの「1年間」で、3千万円売り上げて5千万円の費用を使ったので2千万円の赤字、てな言い方です。

つまり、借金があるかどうかと、赤字かどうかは何の関係もありません。

あれほど借金のあるトヨタもソフトバンクも、巨額の黒字を計上していますよね。

 

企業が借金する理由

 

それでも一般の人は疑問に思うでしょう。

 

なぜそんなに儲かっているのに借金するの?

 

これは企業のファイナンスの本質を表す実に重要な疑問なんです。

まともに書けば本を1冊2冊と書けてしまう話です。

それをあえて1ページのブログ記事に納めます。

なので、細かいことはすべて省略します。

 

まずみなさん、知っておいてください。

企業の財産は正確に言えば企業の財産ではありません。

株主の財産です。

次の図に書きました。 これが貸借対照表です。

バランスシート

 

 

右側は、企業がどこからおカネを調達してきたかを表しています。

この企業の全財産つまり総資産は1,800円あります。

その1,800円は、借金が1,000円、株主による出資が800円です。

そして右側が、そのおカネの状態と言うか行き先。

1,800円は、工場などの不動産に1,100円が使われ、残り700円がまだ現金で残っています。

そう言う企業だと思ってくださいね。

何度も言いますが、細かい点は全部省略してます。

 

さて、ここで考えて欲しいのは、右側です。

上に負債つまり借金、下に株主資本つまり株式が描かれています。

負債は借金なので、返さなきゃいけないんですよ、貸し主に。主に銀行ですね。

一方、株主資本は返さなくて良いんです。

例えばあなたが800円でこの会社の株を買ったのなら、右側の株主資本はあなたが所有しているわけです。

つまり、株を買うってことは、そのままその金額分だけ、その会社の財産を保有するのとおなじことなんです。

さっき、企業の財産では無いと書きましたよね。

 

負債の貸し主は、おカネを貸したら、後で元本と利息を返してもらえます。それで儲かるわけです。

株主は、おカネを返してもらえませんが、別にそれはおカネを失ったわけでは無く、会社の所有権を手に入れたわけです。

その所有権は他人に売ることができます。これが株の売買ですね。

また、会社の業績が上がれば、株価つまり株主資本の部分も上がります。それで儲かるわけです。

 

で、この上下関係が実は重要なんです。

この負債と株主資本の上下はそのまま優先順位を表しているんです。

 

例えば、会社が倒産したときに、会社にある現金や不動産を、貸し主や株主に分配することになるんですが、その優先順位は貸し主が上なんです。

つまり、先に貸し主に借金を全部返してから、さらに財産が残っていれば、それを株主に分配できるのです。

借金の貸し主に比べて、株主はリスクが大きいわけです。

もし、この会社が倒産したときに財産が1,000円しか無かったら、借金1,000円を貸し主に返した時点で残りはゼロですよね。そうなると、株主の取り分はゼロです。

株がホントに紙切れになってしまうわけです。

常に、貸し主が優先、株主はそのあと。

 

ここで儲けについて考えます。

もし、貸し主の儲けと株主の儲けが同じだとしたら。

例えばどちらも5%の儲けだとしたらどうでしょうか?

そうなると、誰も株主になんかならないですよね。

貸し主と株主が同じ儲けなら、わざわざリスクの大きな株主になんてなるはずがありません。なるのはよっぽどのモノ好きです。

資金調達の方法を借金と株にわけているのは、実は、儲けの大きさが違うからなのです。

借金の金利は5%だとすると、株主の儲けは絶対にそれ以上が求められるのです。

株主は株が紙切れになるリスクがある代わりに、企業が儲かれば、株価上昇で10%の儲け、20%の儲けを得る可能性があるわけです。

逆に貸し主は、企業がどんなに儲かっても、決められた金利分しか儲かりません。

貸し主は、ローリスク・ローリターンです。

株主は、ハイリスク・ハイリターンです。

うまくできていますね。

で、これを会社経営者から見てみましょう。

 

会社にとっては、おカネを調達したい場合、上記の理由により、株で調達するよりも、借金で調達する方が負担が少ないわけです。

借金の金利が5%なら、同じ額を株主から調達するなら、それ以上の還元を要求されます。

つまり、会社経営をする上では、借金をした方が負担が少なくて有利に進めやすいわけです。

しかも、税制上のメリットもあります。

会社が金利を払って借金すると、金利負担に応じて法人税が減ります。

 

以上の理由で、無借金経営と言うのは会社経営者にとっては、メリットが小さいのです。

 

だからと言って、借金の比率があまりに大きすぎると、金利の負担が大きくなりすぎて、これまた経営を圧迫します。

バランスが重要なのです。

さっきの企業だと、1,800円の総資産のうち株主資本が800円です。この比率を自己資本比率と言います。

この企業の自己資本比率は、

 

800円 ÷ 1,800円 = 0.4444

 

で、約44%ですね。

業種にもよりますが、自己資本比率が10%を割ったりすると、かなり危険だと思います。

 

ちなみに、借金をして事業を行うことには他にもメリットがあります。

資本の効率性や、事業機会などです。

事業機会に関しては以前もカンタンに書きましたが、この記事には資本の効率性の話も含まれていますね。

 

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まあ、最後は端折りましたが、無借金経営は必ずしも万歳ではなく、多くの企業が借金をすることで好業績をあげていることを知ってほしくて今回の記事を書きました。

こんなのも読んでみてください。 

 

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30分で一気に書き上げました。

細かいことを省略しすぎて、うまく伝わるかもわかりませんし、逆に専門家からのツッコミも入りそうですが、1ページで納めるとこんなもんです。