くじと税金
みなさん、こんにちは!
B-CHANです。
ある国では宝くじの当選金に税金がかかるとします。
税率は当選額の20%です。
宝くじは1枚1000円で買えます。
例えば、あなたがその宝くじを1枚だけ買って、運良く1000万円が当たったとします。
1000万円のうち20%(200万円)は税金で引かれますが、残りの800万円はあなたのモノです。
宝くじを1000円で買っているので、799万9千円の儲けですね。
めでたし、めでたし!
さて、ここでAさんが登場します。
Aさんもその宝くじを買うんですが、くじ運が悪く、なかなか当たりません。
10枚、100枚、1000枚と買い続け、ついに1万枚目で1000万円が当たりました。
1000円の宝くじを1万枚も買ったので、使ったおカネは1000万円。
そして当たった金額も1000万円。
結局、Aさんは労力をかけたわりには、1円の儲けにもなりませんでした。
と、そこへ税務署が。
「Aさん、あなたは1000万円が当たったんだから、その20%である200万円を税金として払いなさい。」
Aさんはびっくりしました。
あれだけ苦労して1円も儲かっていないのに、税金を200万円も取られるのです。
ただ宝くじを買っただけ。何の儲けもなし。
なのに200万円の税金。
Aさんにしてみれば大損です。
それを見ていた他の人たちは思いました。
「うわ~怖い。もう宝くじなんて買えないよ。」
そりゃそうですよね。何の利益もないのに税金だけが持っていかれる。
あなたは、この国の話をどう思いますか?
日本の競馬での話
実は、この話、日本での話なんですよ。
ただし、宝くじではなく競馬です。
日本で、ある人が、2007年から2009年にわたって競馬でたくさんの馬券を買ったんです。
買った金額は何と28億7千万円。
そして当選した金額は30億1千万円。
つまり、この人は1億4千万円の儲けを競馬で得ました。
ここまではめでたい話です。
でもそこに税務署が目を付けたんですね。
「あなた、30億1千万円も当選してるんだから税金払わないと脱税ですよ。税額5億7千万円を払いなさい。」
30億1千万円の当選に対して5億7千万円の税金なので、税率は約19%ですね。
しかし、これを聞いたその人は驚きました。
そりゃそうです。
1億4千万円しか儲かっていないのに、5億7千万円の税金を払わなきゃならない。
すごいですねえ。4億円以上を税金を払うために借金しなきゃいけないかも。
読者の皆さんはどう思いますか?
ボクは税務署がおかしいと思います。
法人税
普通の会社などの事業の税制を考えて見てください。
税金(法人税など)は利益に対してかかるんですよ。
例えば1億円売り上げた会社が8000万円の経費がかかったのなら利益は2000万円です。
なので、その2000万円に税金がかかるわけです。
法人税の税率が40%なら、2000万円の40%なので800万円。つまりその会社は800万円の法人税を払うことになります。
もし経費を無視して1億円の売上に税金がかかるとどうなるでしょう。
1億円の40%は4000万円。利益が2000万円しか無い会社なのに法人税は4000万円。そんなの払えませんよね。
おかしいですよね。
1億円売り上げた会社の経費が1億3000万円なら、3000万円の赤字です。損失です。
その会社には税金はかかりません。
利益に対して法人税をかける。これがいまの日本の考え方。
なのに競馬の件では、使ったおカネつまり経費を無視して当選金にのみ税率を適用して税金を取ろうとしています。
これってボクは税務署が変だと思うんですよねえ。
そういうわけで、この件は法定で争われてきました。
そして、最高裁で、経費を認められる見通しとなったようです。
そりゃそうでしょ。