契約書
仕事をしていると契約書を作ることが多いです。
契約書などの文書を作ることをドキュメンテーションと言いますが、ドキュメンテーションを行うのにマイクロソフトのワードは非常に便利です。
で、例によって、ボクの同僚の話。
今回も登場の彼は、IT業界出身で不動産業界に転職した、わりと珍しいタイプ。
IT業界出身なんですけど、意外とITに弱い。
彼に、ドキュメンテーションの仕事が回って来たんです。
彼だけではなく、チーム全体でやるんですが、その中で、当然のように彼の意見も求められます。
契約書の内容
取引の相手方から契約書の雛形(ひながた)が来ました。それを検証するわけです。
ボクたちの会社が大家さんの立場で、相手方(入居者)が退去した際に、預かっている敷金をなるべく早く返さなくちゃいけないんですが、相手から来た雛形には次のように書かれていました。
それを彼は次のように校正したんです。
おいおい、それって元の文字を赤く塗って取り消し線を引いて、新しい語句を書いて黄色で塗っただけじゃん。
そんなことしてたら、契約書が完成した時に、すべての赤い箇所を削除していかなきゃならないし、黄色の文字も黒に戻さなきゃいけない。
そうじゃなくて、正解は次の図のとおりでしょ。
ワードの校正機能を使えばいいんです。そうすれば、削除した語句は書面の外に表示され、挿入した語句は色付きで表示されます。非常にわかりやすい。
そして全体が完成したら、「すべての変更を反映」ボタンを押せば、一気に全自動でキレイな契約書が完成です。
IT技術というのは、人の労力を減らすためにあるモノ。
なのに彼のやり方では、かえって労力が増えてしまいます。
IT出身者だから期待したけど、どうやらドキュメンテーションの知識は無かったようです。
でも、実はボクのツッコミはそこだけでは無いんですよ。
元の文は、
敷金は速やかに返還すること。
だったのに、それを、
敷金は遅滞なく返還すること。
に変えてしまってます。
それって自分のクビを絞めちゃってるじゃん。
自分に不利なように変更してどうする!
彼は次の打ち合わせで総ツッコミを受けるでしょう。
IT技術以前に日本語の話でした。