賃貸物件の審査
今日は、この記事を引っ張って来ます。
えーっと感想を書く前にボクのプロフィールを。
ボクは金融、保険、不動産などの畑を歩んできました。
ってボクのブログの読者さんなら知ってますかね。
なので、そこらへんは専門家です。
で、ボクの目線から見て、変だと思った点が2つ。
ひとつ目。
これは別にボクだけじゃなくて誰が見ても変です。
お姉さんよりもチルドさんの方が厳しく見られたという点。
うーん、これは違いますねえ。
なぜなら審判が違うからです。
例えば、肉好きで魚嫌いな審判Aさんと、逆に魚好きで肉嫌いな審判Bさんがいるとします。
この二人の前に、肉と魚を並べて、
どちらがおいしいでしょうか
と尋ねたら、Aさんは肉、Bさんは魚と答えるのです。
この場合、肉がおいしいのか魚がおいしいのかは絶対評価ではありません。
単なる好みです。だから審判が違えば答えも違うんです。
チルドさんとお姉さんの事例も同じです。
チルドさんとお姉さんが同じ大家さんの同じマンションを同じ金額で借りたのなら、比較は可能です。
しかし、チルドさんとお姉さんの物件は異なり金額も異なり大家さんも異なるわけです。
異なった大家さんが判断するんですから、答えは違うのが当然です。
チルドさんの方が厳しく見られたかどうかはここでは言えません。
だって、チルドさんの物件をお姉さんが借り、お姉さんの物件をチルドさんが借りることになったら、結果は逆だったかもしれないからです。
ある事象を比較するためには、他の条件を同一にしないといけないんです。
砂糖を食べたら太るのかどうかを比較実験するには、他の条件を揃える必要があります。
Cさんは毎日砂糖を食べ続け、Dさんは一切砂糖を食べなかった。
その結果、Cさんは太り、Dさんは太らなかった。
これを見るとやはり砂糖は太るんだな、と思ったあなた。甘いです。砂糖よりも。
実はCさんは全然運動せず、Dさんは毎日運動してました。
つまり、もしかしたら太った要因は砂糖ではなく運動不足にあったかもしれないのです。
砂糖の効果を比較するなら、他の要素、つまり運動量は二人とも揃える必要があります。
もちろん運動だけでなく、睡眠時間、仕事内容、食事など、あらゆる条件を揃える必要があります。
これを世の中の多くの人は見落とします。
物事の一面だけを見て結論付けてしまう。
それを利用して騙す人、騙される人が後を絶たないわけです。
チルドさんがお姉さんよりも厳しく見られたかどうかを判断するには、物件から家賃から職業から、他の条件をすべて揃える必要があるわけです。
たまたまチルドさんが申し込んだ物件の大家さんが、お姉さんの物件の大家さんよりも厳しかった、単にそれだけのことです。審判が違うんです。
もし同じ大家さんの同じ家賃の同じ物件にお姉さんが申し込んだら、やはり厳しい目にあうでしょう。
それがひとつ目。
保証人
ふたつ目は、保証人になったのに署名も実印も押してない。
うーん、そんなこと、ありえるのでしょうか。
不動産業界に身を置くボクは聞いたことないです。
それって保証事故が発生した時に保証人たる確証がないので、求償時に抗弁できてしまいますよね。
つまり、本来はありえない。
もしホントに保証人なのに署名も押印も無いのなら、それは単に不動産屋のミスです。
チルドさんという人物の評価とは無関係です。
もう一度言います。
単なるミスです。
押印を求められたから厳しくて、求められなかったから厳しく無い、というわけではありません。
さらに言います。
単なるミスです。
という2点から導けるのは、クレジットカードの履歴が無いという理由で信用が落ちるということは無いということです。
クレジットカードの事故歴がある人が自己破産を経て実質的にホワイトになるということはもちろんありますが、逆にもともと事故歴の無い人が、それと同一扱いされることはありません。
というわけで、ご安心あれ、チルドさん。