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非天マザー by B-CHAN

iPhoneの使い方、IT、金融、経済、不動産、保険、ビジネス、音楽、映画、ニュース、自己啓発などを語ります。

空室が増えているのにアパートがどんどん建築される理由

相続の話

アパート

 

 

いまは不動産業界に身を置くB-CHANです、こんにちは。

 

いまの日本では賃貸アパートの建築がすごく多くて、空室率の上昇を招いています。

 

こちらの記事に書かれていますね。

 

toyokeizai.net

 

 

で、そちらの記事に書かれていない部分をもうちょっと詳しく書いてみましょうか。

 

日本は国土が狭く人口が多い国ですよね。

つまり、アメリカのような国土の広い国とは違って、土地の価値がすごく高いんですよ。

土地が貴重な国なので、土地の無駄遣いをなるべくしないように法律が決められています。

そのひとつが税制。

大ざっぱに言えば、土地を何にも使っていない状態、つまり、空き地のままにしておくと税金がたくさんかかります。

逆に、建物を建てて有効に利用すれば、税金は安くなります。

 

それを念頭に置いてくださいね。

 

2015年に相続税に関する法律が変わりました。

それまでは、

 

5000万円 + 1000万円 × 相続人の数 

 

が基礎控除額でした。

例えば、Aさんが無くなって、その妻と子供2人が遺族となったら、8000万円が基礎控除額、つまり、8000万円までの財産は非課税だったんです。

 

しかし2015年からは、基礎控除は以前の6割に減り、

 

3000万円 + 600万円 × 相続人の数 

 

に改正されました。さっきの例だと基礎控除が4800万円に下がったわけです。

以前なら8000万円の遺産があっても非課税だったのが、いまでは、3200万円(8000万円 - 4800万円)分の遺産として課税されます。

 

ここで、資産家について考えてみましょう。

資産家とはおカネ持ちのことだと思ってしまいがちですが、意外とそうでも無いんです。

例えば、先祖代々、東京の渋谷区の土地にある一軒家に住んでいる両親と子供2人の4人家族がいるとします。普通のサラリーマンなので、貯金はほとんどありません。

この家族のお父さんが亡くなったとします。まさにさっきの計算の事例ですね。

貯金は無いんですが一軒家がありますから、それが遺産になります。

で、渋谷区にその自宅があるため、遺産としての評価額が非常に高く、1億4800万円の評価になったと仮定しましょう。

すると、相続税の総額は1450万円にもなります。

 

実際には相続財産の分割のやり方によっては相続税額は減らせるんですが、それでも遺族が数百万円の負担をすることになります。

さっきも書いたように、この家族には貯金はほとんどありません。

納税するためには、先祖代々の土地や建物を売っておカネを作るか、借金するしかありません。

悲惨ですよね。

 

資産家と言うのは必ずしもおカネ持ちとは限らず、おカネは無いのにたまたま先祖からの家に住んでいて、その評価額が高額になる、カネ無し資産家も少なからず存在するってことです。

おカネは無いけど不動産だけがある資産家ですね。

 

これも頭に入れておいてください。

 

2015年の相続税法改正によって、そんな悲惨な資産家が大幅に増えました。

何も対策をしないまま親が亡くなれば、家を手放して出て行くか、借金をするか。

そんなことは何としても防ぐ必要があるわけです。

 

空室か景気か

 

そこで冒頭の話になります。

そうです。

賃貸アパートを建てるのです。

 

さっき書いたように、日本では土地を有効利用すると税金は軽くなるんです。

もし、土地に空きスペースがあるのなら、そこに賃貸アパートを建てれば、その土地の税制上の評価額を下げることができるんです。

つまり、税負担が減ります。

そうすれば、相続時に家を手放したり借金したりする必要が無くなります。

 

だから、望む望まないに関わらず、そうやって対策をせざるを得ないんですね。

それが都会に住む、カネ無し不動産あり資産家の運命なんです。

 

しかも今はゼロ金利時代。

 

金融機関から借り入れを起こして建築するには絶好のタイミングなんです。

なにせ借金の金利が低いわけですから。

 

こうやって、空前の賃貸アパート建築ブームが起こってるんですね。

もちろん、人口が減っていく中で賃貸アパートがどんどん増えれば空室が増えます。

 

借金してアパートを建てる場合、借金の返済は家賃収入から行うのが前提なんですが、空室が増えれば、家賃収入が入ってこないので、借金の返済が滞るようになります。

場合によっては破綻ですね。

 

相続税対策のために仕方なく賃貸アパートを建てたモノの、賃貸アパートが増えすぎて破綻する家族が増える、そんな世帯が増えているのがいまの日本なんですね。

 

それを食い止めるひとつの方法はゼロ金利政策をやめて金利を引き上げることです。

 

しかし悲しいかな、金利を引き上げれば、景気が悪くなります。

景気が悪くなれば、一般の大多数の国民の生活が苦しくなります。

 

いまは金利が低いので賃貸住宅建築が活況で、そのことが景気に貢献しています。

その代わりに空室が増えると言うデメリットも抱えるわけです。

 

つまり金利を上げても悲惨、下げても悲惨。

苦しいですね。

 

解決のためには他の政策しかありません。

ひとつは総量規制。

つまり不動産に対する融資の総額を規制するのです。

今から約30年前、バブル経済で好況の絶頂にあった日本経済、それを緩めるために行った総量規制がバブル崩壊を招き、その後20年間にも及ぶ不景気を招きます。

総量規制のコントロールは難しいんですね。

 

実は一番の解決策があります。

それは人口減少を食い止めることです。

人口が増加すれば、 市場が拡大し、景気も上向きつつ空室も減ります。

 

日本が抱える人口減少問題は、ホントに影響が大きく、これを解消することは、他のどんな政策よりも優先されるべきなんですね。

 

みなさん、選挙に行くなら、ぜひ人口減少の解消にチカラを入れる政治家に投票しましょう。

人口が増加すれば、大多数の国民にプラスになりますから。