高速道路の受益者負担
小中学生でもわかる感じで、あえてわかりきったことを書いてみますか。
今さらですが、
高速道路の無料化
って無茶です。
いくら高速道路通行料金を無料にしても、高速道路の維持運営コストはかかります。
もし通行料金が無料になれば、そういうコストはどうやって負担するのでしょうか?
答えは簡単。
国が負担します。
では、国のお金はどこからくるのか?
当たり前の事ですが税金です。税金というのは原則、国民みんなが払います。
もし、高速道路が有料であれば、その通行料金を使って高速道路を維持運営できます。つまり、高速道路を使った人が使う分に応じて費用を負担するわけです。たくさん走る人がたくさん払いますからね。
ところが高速道路を無料にしてしまうと、税金を使って高速道路は維持されます。つまり、高速道路を使わない人までもが、お金を出すことになるわけです。
これがどういうことか?
AさんBさんCさんDさんEさんを例に出して書いてみましょう。
とあるAさんが高速道路を使ってレジャーに行ったとします。高速道路料金は無料です。Aさんはタダで高速道路を通行できるわけです。
でも実際には高速道路には維持コストがかかります。
それにはBさんやCさんやDさんやEさんが払った税金が使われます。BさんもCさんもDさんもEさんも車を持っていませんから高速道路は使いません。でもそのBさんとCさんとDさんとEさんが払った税金のおかげでAさんは無料でレジャーに行けたわけです。
つまり、車を持たないBさんとCさんとDさんとEさんは車を持つ見知らぬAさんにタダでお金をプレゼントしたことになるわけです。
なぜ、車を持たなくて高速道路を使わない人たちが、車を持って遊びに行く見知らぬ人にお金をタダでプレゼントしなきゃならないのか?
これが高速道路無料化の仕組みです。
もし、高速道路が無料あるいは格安になって喜んでいる人がいるなら、それは、代わりに高速道路を使わない、あるいは車を持っていないあなたの友人知人が犠牲になっていることを知っておいてください。
やっぱり、使う人が払う、これが公平であり当然じゃありませんか?
政党は、選挙に勝つために、お金をばらまくような政策を打つことがよくあります。これは自民党でも民主党でも関係ありません。
記憶に新しいモノだと、上に書いた高速道路無料化とか、あと子供手当てとか定額給付金とか。
当然のことですが、政府というものはお金なんて所有していません。政府が配るお金はすべて国民の税金です。
つまり、国民からお金を取って国民に配っているだけです。
だから、例えば、定額給付金をもらって喜んだ人も、それは結局、払った税金が戻ってきただけであり、何も得したわけではありません。そしてそうやって戻すための書類作成や手続きなどに膨大なコストがかかっています。それは税金から使われるわけです。
結局、国民から取った税金を国民に戻す作業をするためにかかるコストのためにまた税金を使っているわけです。
ということは国民は最終的には損したわけです。
わかりやすく言えば(数字はテキトーですが、)、例えば誰かに2万円貸して、後から2万円返してもらうために、さらに1000円払った、結局トータルでは1000円損したということです。
政府の活動というのはそれが大規模になるほどコストも大きくなるのです。
ボクがこの記事で言いたいことは、どこの政党が良いとか悪いとかという話ではありません。
国というのは魔法で動いているのではなく、運営するにはすべて現実にコストがかかります。
そして、そのコストは税金です。
一見、お金がもらえるような政策があったとしても、それは国民にとって得なのではなく、プラスマイナスゼロなわけです。
そして、それを実行するためのコストがかかり、結局、国民は損をすると言うことです。
もちろん、国民全体が損をしても、それが長期的に国力を浮上させる力になるものであれば良いですし、あるいは、極端に偏った富を適切に再分配するものであればボクは良いと思います。
でも、単に集めたものを返すためだけにさらに無駄にコストがかかる政策があるということを知っておいてください。目先のお金がもらえたとしてもそれは得でもなんでもありません。損です。
あるいは上記の高速道路無料化のように、一部の人が得をするために全体が損をする政策もあると言うことも知っておいてください。