非天マザー by B-CHAN

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企業の好業績と景気って反する時代(ファイナンスの基本シリーズ)

人件費を削って企業利益が上がる

ここ数年、企業の好決算が発表されています。
でも景気は悪いです。
なんででしょうか?
タイトルにファイナンスと書いてしまいましたが、どちらかと言えば会計のお話になります。
誰でもわかるように簡単に書きます。
簡単に書きますから、詳しい人から見れば、
「あれが抜けてる!」
と思われるかも知れませんが、話を簡単にするためですのでご了承下さい。
まず、一般的に企業の目的は利益の最大化です。
では利益というのは何か?
例えば、1000円で手に入れたモノを1300円で売れば、300円が利益になります。
これがすべての企業に共通する基本です。
この1300円を売上高、1000円を費用、300円を利益、と呼びます。
計算式は、
売上高1300円 ー 費用1000円 = 利益300円
ですね。
この利益が高くなればなるほど、企業は好決算、というわけです。
では、この計算式を眺めて、利益を高くするにはどうすればいいでしょうか?
方法は2つあります。

  • 売上高を上げること
  • 費用を下げること

昨今の不景気では売上高を上げることはなかなか難しいですね。
すると、費用を下げる方に目が行きます。
企業にとって費用とはなんでしょう。例えばさっきの1000円で手に入れたものも費用ですよね。
つまり仕入れ代金です。
他には、企業で働く従業員の給料や事務所の光熱費も費用ですね。
仕入れ代金や光熱費の価格というのは外部の人たちが決めることなので、なかなか交渉で下げるのが難しいんです。
しかし従業員は内部の人たちですよね。
だから給与を下げていくのが一番手っ取り早い。
となると、
企業の好業績=従業員の給料が下がる
という結論になります。
もちろん景気が良い時には売上高を伸ばしつつ従業員の給与アップも達成できます。
しかし、
売上高が伸ばせない環境でも企業は業績アップを求められます。
となると残念ながら従業員の給与は下がるわけです。
従業員の給与が下がると消費が冷え込む。つまり企業の売上高が落ち込みます。
悪循環ですね。
現在の環境においては、企業の好決算は必ずしも景気にとってプラスではないということを知っておいてください。
ちなみに、利益というのは企業のものであるという誤解をしている人が多いと思いますが、その話もいずれしましょう。