非天マザー by B-CHAN

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スクロールバーのいらない時代になりますよ

スクロールバーを動かしてスクロールさせる必要性が無くなる


時代とか書くと大げさですが。
昔のパソコンってウインドウが無かったんですよ。Windowsのことではなく窓のことです。
アプリごとに窓を開いて、それらを自由に大きさを変えたり並べたり重ねたり、不要になったら閉じたり。
昔はそうではなくて、1つのアプリを画面全体にドーンと表示して、別のアプリを起動するときは、いったん今開いてるアプリを終了して、と面倒な事をしていました。
時代ってそうやって変わっていくんですが、昔も今も変わらないのが、スクロールバー。
画面の右端や下にあるアレですよ、アレ。
ボクはWindowsとMacを使っていますが、どちらにも当たり前のように付いています。
WindowsとMacの画面を載せますね。

Windows

Mac


今まではスクロールバーがないと不便だったんですよ。
上に貼った画面を見てもらえばわかりますが、ブログ全体が表示されていません。ブログの右のほうを見たいときは画面下にあるスクロールバーを動かし、ブログの下の方を見たいときは画面右にあるスクロールバーを動かすわけです。
当たり前のことばかり書きますが、スクロールバーの長さは可変です。表示されていない部分が大きいほど、スクロールバーは小さくなります。
上の画面でも画面下のスクロールバーはとても長いですが、画面右のスクロールバーはとても短いです。
これは、このブログが左右にはそんなに広くはなくて、上下にはとても長いことを示しています。
こんなのは文字で説明するよりも実際に動かしてみたほうがわかりやすいですね。
そもそもなぜ、スクロールバーが必要なのか。それは画面の隠れた部分を表示させるための優れた方法が他に無かったからです。キーボードのカーソルキーでもできないことはありませんが万能ではありません。
そんな長きにわたって愛されてきた(?)スクロールバーですが、最近は役目を終えようとしています。
まずは、マウスのホイールの登場です。
これですね。

マウスホイール


このホイールの登場によって、わざわざマウスカーソルをスクロールバーまで持っていかなくても、ホイールをクルクル上下に回すだけでスクロールができるようになりました。
一度この心地良さを体感すると二度とスクロールバーを使う気が起こらなくなるくらいインパクトが大きいものでした。
早く回せば早くスクロールし、ゆっくり回せばゆっくりスクロールする。そんなアナログな操作性も利便性に貢献しています。
最近は、そのホイール自体を左右に倒せるものも多いですね。
要するに縦方向だけではなく横方向にもスクロールさせようというわけです。
しかし残念ながら、横方向の場合はアナログではなくデジタル、つまり倒すか倒さないかのどちらかになってしまいます。早くスクロールさせるとかゆっくりスクロールさせるという調整ができません。
これはホイールの形状から言って仕方のないことですが、アプリによってはいらいらする原因にもなります。だって横方向の時だけスクロールが一定速度なんですから。
そこでいくつかのマウスメーカーは考えました。ホイールではなくボールを埋め込んだら上下左右自由自在にスクロールできるということを。
ここでは有名なAppleのMighty Mouseの画像をお見せします。

Mighty Mouse


こんなふうにマウスにボールが埋めこまれています。こういうボールを一般的にはトラックボールと呼びますね。
このおかげでアプリの操作性は劇的に改善しました。
例えば、グラフィックを描くアプリでは画面をはみ出すような大きな絵でも自由自在に表示場所を移動できるようになりましたし、エクセルのような表計算ソフトでも広い表を自由に移動できるようになりました。
マウス本体の移動によってマウスカーソルを移動させ、マウスに載っているトラックボールを動かすことで画面の表示位置を移動させる。
一つの機械で2つの移動手段を載せることに成功したわけです。
ところで、そんな頃、スクロールバーの概念を覆すもう一つの大きな勢力が出てきました。
そうです。iPhoneです。
それまでに確かにスマートフォンやタッチパネルを搭載した機械はいろいろ存在しました。
しかしiPhoneはそれらとは一線を画していました。
今でこそ多くのスマートフォンが採用するようになりましたが、iPhoneは指の動きにぴったりくっついて、指を少し動かせば画面も少し動き、指を大きく動かせば画面も大きく動く、そして勢いを付けて指を弾いて離せば、画面は高速でスクロールしてだんだんゆっくりになって最後には止まるというユーザーインターフェースを実現しました。
いわゆる慣性スクロールと呼ばれるモノで、自然界の実際のモノの動きにとてもよく似ています。
iPhone登場前と登場後で携帯電話やスマートフォンの操作性が大きく変わったため、そのこと自体もとても大きな発明だと思いますが、この記事ではそこではなく、スクロールバーに注目します。
そうです。iPhoneではスクロールバーを動かす必要はありません。スクロールバーではなく、画面そのものをタッチしてスクロールさせられるからです。
でも、だからといってスクロールバーが無くなったわけではありません。
次の2枚のiPhoneの画面を見てください。

静止状態 スクロール状態


最初の画面は静止状態、次の画面はスクロールしている状態です。
スクロール中はきちんと右側にスクロールバーが出ていますよね。
スクロールバーは、従来はそれ自体がコントローラーであり、同時に位置を示すメーターでもあったわけです。
それがiPhoneではコントローラーとしての役割は画面そのものに譲り、メーターとしての役割にとどまっています。
そして、そうした操作体系になったメリットとして、スクロールバーを常時表示しておく必要がないということです。
常時表示しておく必要がありませんから、画面の表示範囲が広くできます。iPhoneのようなモバイル機器にとっては大きなことです。
そんなiPhoneで培った技術をAppleはパソコンに持ち込んできました。
それが、これです。


ボクも今は普段これを使っています。

Magic Mouse


こんな風に、マウスの表面上にはトラックボールもホイールも無く、iPhoneと同じタッチパネルになっています。
このマウス自体はWindowsにもMacにも対応していますが、特にMacで使うとiPhoneと同じように慣性スクロールになりますので非常に心地良いスクロールが実現できます。
ボクはWindowsとMacを使っていると書きましたが、普段のネットサーフィンなどでは主にMacを使っています。理由はこのMagic Mouseの慣性スクロールなどの操作性があまりにも優れているからです(上に貼ったように画面のフォントがWindowsは汚すぎるからという理由もありますが)。
慣性スクロールだけではなく、上下左右になぞるだけで自由自在にスクロールできますし、マルチタッチにも対応しているので、2本指や3本指で操作すると別の機能も割り当てられます。
例えばボクは2本指クリックには「画面を閉じる」機能を割り当てているので、わざわざ画面にある「閉じる」ボタンまでマウスカーソルを持っていかなくても2本指で押すだけで簡単にウインドウを閉じられます。
こうやってマウスの機能が増えることで、スクロールバーや画面のボタンが不要になる実例です。
こういうタッチパネル式のマウスにはもう一つ利点があって、それは可動部分(ホイールやトラックボールのように実際に動く部分)が無いことで、故障しにくいということです。もちろんホコリも入りません。
今はまだまだホイールマウスが多いですが、マウスの大手メーカーであるMicrosoftもタッチパネル式のマウスを発売するようですし、今後は、このタイプが主流になるような気がします。
そうなると、もはやパソコンの画面にもスクロールバーというものが不要になります。iPhoneと同じようにスクロール中だけ表示させておけば済みますから。
変化の激しいITの世界で長年変わらなかった文化であるスクロールバーにもいよいよ変化の波が押し寄せている気がします。
ちなみにノートパソコンでおなじみのトラックパッド。
こちらはマウスと違って本体を動かすわけにはいきませんから、指の動きでカーソル移動させることになります。
WindowsとMacと両方を使っている人は気がつくと思いますが、あれだけいろんな会社がWindowsのノートパソコンを出しているにもかかわらず、Macのトラックパッドの方がかなり操作しやすいです。

トラックパッド


これはiPhoneで培ったノウハウが活きていると思いますが、例えば先ほども書いた慣性スクロールが当たり前のようにできますし、1本指だとカーソル移動なのに対して2本指で動かすと上下左右自由にスクロールできます。
また3本指4本指での操作にも機能を割り当てられます。
どんな装置でも慣れるまではそれなりに大変ですが、いったん慣れた後では、他のトラックパッドよりもMacのトラックパッドの操作性が快適だと思います。
別にAppleの肩を持つわけではありません。Androidのスマートフォンがどんどん快適になっているのと同様、ノートパソコンでもどんどん研究が進んで各社のノートパソコンの操作性が同じように快適になることを望みます。
別にモノマネであっても、それがユーザーにとってメリットになるならそれでいいわけですから。