非天マザー by B-CHAN

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人々を誘導する心理作戦と落とし穴

一部分だけを見て全体を判断するという過ち


ネット上で気になる記事を見ました。
とある企業(A社とします)の社内の様子を写した動画なんですが、それを見る限り、お客さんに送るべき商品の扱いが雑なんですよね。
その映像を見て、いろんな人が、
「A社はやめて、今度からB社かC社に注文しよう」
と言ってるんですよね。
ここに落とし穴があります。論理的思考ができるかどうかで、この落とし穴を見抜けるかどうかが左右されます。
A社だけの映像を見せることで、人々をB社やC社に誘導することに成功しているわけですが、実はB社もC社も社内ではA社と同じように雑な扱いをしていたらどうでしょうか。
その場合、もしB社の映像だけを見せていれば、人々は、
「B社はやめて、今度からA社かC社に注文しよう」
と言うでしょうし、C社の映像だけを見せていれば、
「C社はやめて、今度からA社かB社に注文しよう」
と言うでしょう。
つまり、本質的に3社とも良くない状態であるにも関わらず、情報の見せ方によって人々を都合の良い方へ誘導することができるわけです。
もちろん、ボクがこうやって書いているように論理的に考えることができれば、上記のトリックを見抜くことができるわけですが、見抜くことができない人がたくさんいるのもまた事実です。
いつも言っていますが、視野は広く、知識や経験は多く持つことが大事で、そうすることで、一面的なものの見方から脱却し、誤った判断をすることから逃れられるわけです。
さて、ボクが見た記事はこちらです。


これは一体?? とある午後の佐川急便 荷物取り扱いの実態


ここでは上記で言うA社は佐川急便なんですね。つまり佐川急便だけの映像を見せているわけです。
ボクがここで言いたいのは、佐川急便の擁護ではありません。そんなつまらない議論をしているわけではありません。もしそう思った人はもう一度この記事を最初から読み直してください。
一つの事柄だけを見て他が良いと断定するのは早計だという話です。
佐川が雑な扱いをしていることは映像からわかりますが、いっぽうで他社が丁寧だという映像も確証もありません。
にもかかわらず佐川がダメだから他社にしよう、というのは短絡的だという話です。
佐川はダメだけれど、実は他社はもっとダメだったということも可能性としてはありうるわけで、それは他社の映像を見ないと断定できません。
世の中にはこうやって一面的に見せることで判断を誤らせる事例はいくらでもあるので、気をつけてください。
先日書いた、原発の話も似ていますよね。原発は危険だけれど、原発「だけ」が危険なのではない、という話です。


原発と命と相対評価と絶対評価と