DoCoMoではなくauから出ると聞いて、DoCoMoユーザーとしてホッとしている理由。
au(KDDI)からiPhoneが発売されるというニュースはすでに出回っているので、ここで書いても意味がありませんよね。
なので、ボクの考え方を書いてみます。
まず、DoCoMoではなくauであることは、DoCoMoユーザーでもあるボク、いやすべてのDoCoMoユーザーにとって、ある面で助かったと考えられます。
理由を書きます。
携帯電話各社(DoCoMo、au、SoftBank、e-mobile、WILLCOM)のこの8月時点での契約者数のシェアは、およそ、
- DoCoMo…46%(5879万件)
- au…26%(3353万件)
- SoftBank…21%(2662万件)
- e-mobile…3%(350万件)
- WILLCOM…3%(410万件)
です。つまりDoCoMoだけでマーケットの半分近くを握っています。以前は半分を超えていましたが、SoftBankが純増1位をとり続け、少しずつDoCoMoが減ってきています。
また、3位のSoftBankと2位のauはiPhoneが発売されるまでは900万件近い開きがありましたが、その後、iPhoneの発売とSoftBankがWILLCOMを買収したこともあり、現在、両者の差は300万台程度にまで減ってきています。
このペースで行けば、いずれSoftBankが2位に、auが3位に逆転するのも時間の問題でした。
そこへ来てのauからのiPhone発売のニュースです。
経済学の基本を学んだ人ならわかると思いますが、市場の価格決定メカニズムは需要と供給に左右されます。
DoCoMoが比較的高い料金を設定できるのは、上記のように他社を圧倒する大きなシェアを握っているからです。
つまり、ニーズ(需要)が大きいため、価格が高止まりするわけです。
もし、一番人気の携帯電話であるiPhoneがDoCoMoから発売されれば、ますますDoCoMoにユーザーが流入し、シェアが拡大するでしょう。
そうなると当然、さらにDoCoMoの料金の上げ圧力となるのは目に見えています。
ボクはDoCoMoユーザーですが、DoCoMoの料金が上がることなんて少しも望んでいませんし、多くのユーザーはそうでしょう。
iPhoneがauとSoftBankの2キャリア体制になることで、ますますDoCoMoのシェアは下がっていくと思います。
そうなると現在の1強時代から、3社の競争激化へと変わっていきます。競争が激化すれば価格も引き下がりますし、サービス競争も激しくなって、より便利になります。
携帯電話ユーザーとしては、DoCoMoがこれ以上強大化するのではなく、auとSoftBankにもっとがんばってもらってDoCoMoに並ぶようになってもらうのが一番メリットがあるわけです。
これがDoCoMoとSoftBankを使っているボクがauからのiPhone登場を喜んだ理由です。
auでは音声通話とパケット通信が同時に行えないという弱点。それとテザリングは?
おおざっぱに言うと、SoftBankとDoCoMoはW-CDMA方式という通信方式を使っており、auはCDMA2000という通信方式を使っています。
なので、SoftBankから出ているiPhoneは規制さえ無くせばDoCoMoでも使えますが、auでは使えません。異なるiPhoneということになります。
ただし、この秋に出ると噂されている新型iPhoneは1台で両方の通信方式に対応するとも言われています。
auが採用しているCDMA2000方式には弱点があって、それは音声通話とパケット通信を同時に行えないと言うことです。
なので、例えば、誰かと電話で会話しながら、Webブラウザを開いて何かをインターネットで検索するという使い方はできないわけですね。これはスマートフォンらしい使い方で非常に便利な点だけに、できないのは痛いと思います。
SoftBankはDoCoMoでは当然できますから、ここが一歩劣る点です。
数年後に普及すると言われる次世代通信ではこの点は改善されますが、現時点でauのiPhoneを買う人はちょっと注意ですね。
いっぽうでauが一歩リードしそうな点もあります。
それはテザリングです。
テザリングとは、本当に単純に言うと、携帯電話にパソコンなどをつないで、パソコンでネットが使えるようになる機能です。
パソコンでも無線LANが使えるのは今では当たり前ですが、無線LANは全国どこでも使えるわけではなく、外でノートパソコンでネットにつなぐにはモバイル無線ルーターを一緒にもち歩く必要があります。
でも、携帯電話でテザリングができれば、パソコンを携帯電話につなぐだけでネットが使えます。携帯電話の電波は全国隅々まで来ていますから、パソコンでも同じように全国隅々でネットができるようになるわけです。
もちろん携帯電話とパソコンはケーブルでつなぐ必要は無く、無線LANでやりとりするのでとても便利です。
これをテザリングと言い、実はiPhoneにもテザリング機能があるんですが、日本では、キャリアであるSoftBankがテザリング機能をオフにしてしまっています。
これはSoftBankのデータ通信料が非常に大きくて通信回線を圧迫してしまっているための措置なんですが、そのせいで、日本では外国とくらべ、iPhoneの非常に便利な機能の一つが使えないという状況です。
現在、auでは他のスマートフォンでテザリングを使えるようにしていますので、もしauからiPhoneが出たらiPhoneでもテザリングができる可能性が高いです。
そうなるととても便利で、ボクも気軽にiPhoneとノートパソコンを外に持ち出すことができるようになるので、これだけのためにSoftBankのiPhoneからauのiPhoneに乗り換えてもいいと思うくらいです。
そもそもSoftBankの回線圧迫は深刻で、だからこそテザリングを停止しているわけですが、言い換えれば、SoftBankの通信はDoCoMoやauよりも遅くなる可能性が大きいと言うことでもあるわけです。
よく、SoftBankの電波は悪い、と言われますが、それには大きく次の2つの意味があると思ってください。
- エリアの問題(電波の届く範囲が相対的に狭い)
- トラフィックの問題(データが混んでいるので通信速度が相対的に遅い)
まだ、この記事を書いている時点でauからiPhoneが発売されるという正式発表はありませんが、選択肢が増えると言うことはユーザーにとってはメリットです。
また、最初に書いたようにより競争が激化するのもユーザーにとってはメリットです。
この秋がとても楽しみになりました。