非天マザー by B-CHAN

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アドビ(Adobe)がモバイル用Flashの開発を終了するとこうなる

FlashからHTML5へ


昨日、iPhone絡みでわりと大きなニュースがありましたね。


Steveの哄笑が聞こえる–Adobeがモバイルデバイス用のFlashを断念


いや、正確に言えば、iPhoneでFlashは動かないので、iPhone絡みのニュースでは無いですね。
ただ、iPhone登場以来、Flashが嫌いなスティーブ・ジョブズとAdobe社の争いは話題の的でした。
ライバルであるAndroid機ではFlashが動くので、Android機のテレビコマーシャルでもFlashが動くことを売りにしたりしていました。
Flashの見られないiPhoneはFlashの見られるAndroid機に負けるとか、あるいは、いつかは圧力に負けてiPhoneにもFlashが搭載されるとか、いろんな声が聞こえてきました。
ところがどっこい。
Adobe社自らが、モバイル用Flashの開発終了宣言。
Adobeの思惑は外れてしまいました。
引き続き、パソコン用のFlashの開発は続けるとのことですが、ちょっと影響が大きい気がしますね。
そもそもこの話、AndroidではFlashが見られるのでiPhoneよりも有利だったのが、その利点を失うというだけの話でしょうか?
スマートフォンの利点って、インターネットが見られる、つまり、小さなパソコンという位置づけです。
しかも台数が爆発的に増えていて、パソコンを使う時間が減った=スマートフォンを使う時間が増えた、という人もずいぶんいます。
そんなスマートフォンで、今後はAndroidでもFlashを使ったWebサイトが見られなくなる、ということです。
これって単に一歩後退つまり不便になる、ということではないんですよね。
というのも、Webサイトを提供している側からすれば、できるだけ多くの人に見られる必要があるわけで、単純に今までのWebサイトがそのままスマートフォンでも見ることができますよ、というわけには行かなくなるからです。
これまではAndroid機でFlashを見ることができ、しかもそのAndroid機が爆発的に増えているわけですから、パソコン用にFlashを使った派手なWebサイトが、Androidユーザーにも見てもらえるってことで、需要は急拡大して好循環でした。
今後のユーザー数のことを考えればWebサイト提供者はAndroidやiPhoneなどのモバイルは無視できないはずです。
なのに、これまでのFlashを使用したWebサイトをiPhoneのみならずAndroidでも見ることができなくなると、単にパソコン向けのWebサイトをそのままスマートフォンで見てもらうわけにはいきません。
もちろんWebサイトによっては、パソコン用とモバイル用との2種類を用意することもできますが、コスト面の制約から、そういうわけにいかないケースも多いですし、そもそもパソコン用のWebサイトがそのまま見られるというのがスマートフォンの売りの一つのはずです。
となると、今回のAdobeの発表によって考えられるのが、パソコンのWebサイトでもFlashを採用するページが減っていく、ということですね。
これまでは地球上のほとんどのパソコンにはFlashプレーヤー(Flashを動かすためのプログラム)が入っていると言われています。
なのでWindowsやMacと言った機種を問わず、どれでも同じように見ることができました。
しかし今やパソコンをしのぐ台数で普及し始めているスマートフォン。これらを数に入れると、地球上の大半のパソコンにFlashプレーヤーが入っているとは言えず、むしろ大半のマシンにはFlashプレーヤーは入っていないという状況になります。
そうなってくるとWebサイト制作においては最初からFlashを使わないページを作る方がコストの面でもアクセス数の面でも圧倒的に有利になります。
ボクがここでこんなふうにくどくど書くまでも無く、そんなことは誰でも考えつくので、今後はパソコン用のFlashの使用機会も減っていくでしょう。
つまり、Adobeがモバイル用のFlashの開発を終えると発表したことは、実はパソコン用のFlashも事実上終了に向かうという意味に限りなく近いと考えられますがいかがでしょうか。
Flashが無くなっても、今後はHTML5やJavaScriptなどでそれに近いことが実現できるのであれば、わざわざ処理が重いプラグイン(Flashプレーヤー)をインストールし無くて済みます。
そのことは消費電力の低減つまりモバイル機器のバッテリー持続時間の向上につながります。
またFlashを使ったWebサイトはGoogleなどの検索エンジンにヒットさせにくいというSEO(検索エンジン最適化)の問題も解消されますのでユーザーの利便性も上がります。
そんな事から今回の発表はモバイルだけではなくパソコン用のFlashにも大きな影響が出る気がします。
ボク個人は、いくつかのデメリットさえ解消できればFlashは残って欲しいと思っていて、むしろiPhoneでも採用されたらいいなと思ってるんですけどね。
基本的に、何かが出来ないよりも、出来る方が好きなんですよ。