非天マザー by B-CHAN

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iPhoneの実質無料表示を詐欺だと言っている人は計算をもう一度きちんとやってみましょう

「実質」は実際、「名目」は形だけ


こういう記事を書くのはとても面倒なんですが、きちんと物事を正確に捉えるためには必要だと思って書きますね。
まず最初に言っておきますが、ボクは携帯電話会社を擁護する気はまったくありません。
正しいことは正しいと、間違っていることは間違っているときちんと言った方がボク自身を含めたユーザーのためになるので、きちんと言います。
そんな中でよく見かけるのは、携帯電話会社が打ち出している、
「実質無料」
というのが詐欺だと言っている人たちです。
まず、日本語の勉強をしてほしいんですが、実質という言葉と名目という言葉を混同しているのではないですか?
「実質」というのは「実際に」という意味であり、「名目」というのは「表向き、見かけ上」という意味です。
つまり、名目無料なら実際は無料になってないので問題がありますが、実質無料なら実際に無料になっているので、問題はありません。
では具体的に計算してみましょう。
携帯電話を持つと、いくつかおカネがかかります。
わかりやすく言えば、

A.使用料(毎月固定)
B.通話料(毎月変動)
C.端末購入代金

のおおまかに3つにわけられます。
iPhoneを始め、最近は端末購入代金を一括で支払うのでは無く、毎月分割で支払う、つまりローンで支払うことも可能になっています。
さて、auとソフトバンクで実質無料を打ち出しているのはiPhone4Sの16GBモデルです。
これを見ていきましょう。
まずau。
どのプランでも考え方は同じですが、例えば、「プランZシンプル」の場合。

A.基本使用料980円/月とデータ通信料4980円/月、インターネット使用料315円/月、ユニバーサルサービス料7円/月が毎月固定の料金です。合計6282円/月が固定ですね。
B.通話料は人によって違います。
C.端末代金は51360円です。これを24回の分割で払うわけです。分割代金は2140円/月となります。

ユーザーはこのA.B.C.の3種類を支払うわけです。
使用料と通話料と端末代の3つ。簡単ですね。
では、どこが実質無料なのでしょうか。
実は、auでは毎月2140円を2年間割り引いてくれます。毎月割と呼ばれる制度です。2140円を24回割り引くので、合計51360円の割引になります。
そうなるとユーザーが支払うのは、
A.固定6282円/月 + B.通話料 + C.端末代金2140円/月 - 毎月割2140円/月
となり、結局、
A.固定6282円/月 + B.通話料・・・X
だけになります。
iPhoneの端末代金51360円がまるまる無料になるわけです。
ユーザーは毎月の固定の使用料と通話料を2年間支払えば、iPhone本体は無料で手に入れられるわけです。
名目の話では無く、実際の話です。なので実質無料というのは詐欺でもなんでもありません。
ではソフトバンクも見ておきましょう。基本的にauと同じです。
ホワイトプランを例に出します。
A.基本使用料980円/月とデータ通信料4410円/月、インターネット使用料315円/月、ユニバーサルサービス料7円/月が毎月固定の料金です。合計5712円/月が固定ですね。
B.通話料は人によって違います。
C.端末代金は46080円です。これを24回の分割で払うわけです。分割代金は1920円/月となります。
ユーザーはこのA.B.C.の3種類を支払うわけです。
auと同じく使用料と通話料と端末代の3つ。簡単ですね。
でauと同じようにソフトバンクにも割引があります。
ソフトバンクでは毎月1920円を2年間割り引いてくれます。月月割と呼ばれる制度です。1920円を24回割り引くので、合計46080円の割引になります。
そうなるとユーザーが支払うのは、
A.固定5712円/月 + B.通話料 + C.端末代金1920円 - 月月割1920円
となり、結局、
A.固定5712円/月 + B.通話料
だけになります。
iPhoneの端末代金46080円がまるまる無料になるわけです。
ユーザーは毎月の固定の使用料と通話料を2年間支払えば、iPhone本体は無料で手に入れられるわけです。
要はauもソフトバンクも固定料金の差はあれど、iPhone4Sの購入代金は不要です。
名目では無く実際に無料になっているわけです。なので実質無料という表示は詐欺でもなんでもありません。
というかもし本当に詐欺なら、そもそもボクがここでauやソフトバンクを批判します。
ではなぜ、「無料」と書かずに「実質無料」と書くのか。
それは毎月割や月月割が端末代金からでは無く通信料から引かれるからです。
auの例で言えば、
(A.固定6282円/月 - 毎月割2140円/月) + B.通話料 + C.端末代金2140円/月
という事です。
つまりあくまでも請求書上ではA.が安くなるのであって、端末代金は毎月払ってくださいねということです。
しかし、この計算式、単に順序が変わっただけで、上記のXの式と同じですね。
よって名目上の端末代金は残りますが、それは単に名目であって、実質の(実際の)端末代金は無料ということです。
まさに小学生レベルの計算でわかることですね。
iPhoneは販売ランキングでトップを占めているのは、もちろんiPhone自体やAppleのサービスの魅力もあるでしょうが、もう一つ大きな理由が、他の携帯電話と比べてとにかく安いからなんです。
他の携帯電話ならA.固定料金B.通話料C.端末代金のすべてを支払う必要がありますし、割引があってもiPhoneのように実質無料まで安くなるものはほとんどありません。
世の中には、中身もよく検証しないで批判する人がいますが、その結果として批判している方が間違っていることがよくあります。
また、
「スマートフォンは高いから普通の携帯電話でいい」
と、単にイメージだけで言っている人も、上記のような具体的な計算をしていないのではないでしょうか。
実際にきちんと分析して計算すると、普通の携帯電話を持つ方が支払総額はずっと高く、実はかえって損をしているかもしれないわけです。
上記計算は何も難しくありません。せいぜい数万円程度の足し算引き算掛け算割り算で小学生レベルです。
ボクがここで言いたかったのは携帯電話会社の姿勢の話ではありません。
そんな小さい話ではないんですよ。
いつも言っているように、物事って言うのは理論的・分析的に思考しないと、判断を誤ったり事実と異なる事を言ってしまったりするということです。
誤ったことをすると自分が損をしたり他人に迷惑をかけたりします。
日常生活の中で、単にイメージだけで判断して実は誤っていることが無いかどうか、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。
では、次回の記事では、上記の割引制度を利用して、毎年、iPhoneの新機種をほとんどコストをかけずに手に入れる方法を書いてみたいと思います。