何事も多面的に考えないと間違える
次の話を聞いてどう思いますか?
日本で起きた殺人事件の犯人1000人のうち、750人が外国人だった。
外国人の日本への入国を厳しくしろ!
と言う人が少なからずいそうですね。
しかしこれは見事な誘導です。
次の話を付け加えるとどうでしょうか?
日本で起きた殺人事件の犯人1000人のうち、950人が覚醒剤常習者だった。
いかがですか?
もし、最初のように国籍という一面でしか見てないと、殺人事件の原因を推定する根拠を見誤ってしまう可能性があります。
人間(人間以外もすべて)の要素は一つだけではありません。
- 男か女か
- 大人か子供か
- 東日本か西日本か
- 理系か文系か
- 運動部か文化部か
- 英語が話せるか話せないか
- ラーメンが好きか好きで無いか
- 肥満かそうでないか
とにかく区別の仕方は無数にあります。
にもかかわらず最初の話のようにたった一つの要素だけを取り上げて、その要素だけで判断すると、覚醒剤のようなより可能性が高い根拠を見逃して判断を誤りかねません。
逆に言えば、うまく誘導すれば外国人排除のような世論を作り出すことも可能です(国民みんながきちんと考えれば別ですが)。
次の話はどうでしょうか?
誘拐犯1000人のうち700人の自宅にロリコン雑誌があった。
この部分だけを報道すれば、どう考えてもロリコン雑誌がやり玉に挙がります。
しかし次の一文を追加してみましょう。
誘拐犯1000人のうち900人は毎日のように音楽をヘッドホンで大音量で聴いていた。
こうなってくるとロリコン雑誌よりも音楽を大音量で聴く事の方がはるかに高い確率で犯人の共通項なわけであり、むしろ雑誌よりも音楽の方が原因である可能性も捨てきれません。
(別にロリコン雑誌を擁護しているわけでも大音量の音楽を非難しているわけでもありません、あくまでも例です。)
統計学的手法を使った報道というのは一見正しいようですが、こんなふうに世論をいとも簡単に意図的に誘導することができてしまいます。
このブログでしょっちゅう書いているように、大事なのは思考する能力。
固定概念にとらわれず、狭い視野にとらわれず、常に疑問を持ち、検証してみる。
それが正しい判断をするための道です。
なぜ正しい判断をしなければならないか?
それは罪も無い人が人災で犠牲になるのを防ぐためです。
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