大学で出会った衝撃
大阪大学という国立大学。
ボクが青春時代を過ごしたキャンパス。
大阪府豊中市にある、その敷地にある大学生協の書店で、ボクが初めて買ったのは授業のテキストでも教材でもありませんでした。
それは、衝撃的な4コマ漫画。
吉田戦車という奇妙なペンネームの作者が描く不条理な世界。
「伝染るんです。」と名付けられたその書籍は上質なカバーで覆われたハードカバーでした。
一見、高品質な書籍。
しかしその中身はヘタウマな画風。
でも、そんなルックスはどうでも良いんです。
シュール、不条理、そんな言葉しか当てはまらない、その漫画のアイデア。
天才って、アインシュタインだけじゃ無いんですよ。
学術の世界だけに天才が存在するわけじゃ無いんです。
全盛期の松本人志がお笑い界で天才の名をほしいままにしたように、吉田戦車もまた、ギャグ漫画界の天才だったのです。
不条理な漫画、わけのわからない漫画は他にもあります。
お笑いの世界にもあります。
でも、それが実際に笑いを誘うのはほんの一握り。
シュールで斬新だけど、そんなに面白く無い
ではなく、
シュールで斬新で、かつ、飛び抜けて面白い
そんな漫画が、伝染るんです。
見た目の面白さよりも論理の面白さ。
伝染るんです。は、見た目も面白いので勘違いされがちですが、論理的な面白さがズバ抜けています。
考えれば考えるほど面白いです。
猫
ボクが伝染るんです。を人に紹介するときに、一番お気に入りのページを見せるんですが、それがこれ。
大山犬猫病院かと思って犬を連れてきたのに、犬を扱ってないと言われる。
大山犬猫病院でしょ、と確認すると否定される。
大山犬猫病院では無く、犬山大猫病院と言われる。
点の位置が違うんですね。
つまり、大猫しか扱っていない。
大猫って何だよ!
とツッコむ間もなく、最後のコマで大猫が「みゅいみゅい」と鳴きながら抱えられて登場。
子猫ですらダメ。大猫のみ扱う病院。
どんな病院だよ!
絵と文字と理屈と、すべての面白さを見事に融合させたこの作品にボクは感動で震えが止まりません。
この世界観に笑える人なら、伝染るんです。はピッタリ。
Amazonのkindle版も出ているので、スマートフォンで読めます。
ぜひ爆笑で眠れない夜を送ってください。