無形バリュー
とある経営に関する本を読んで思い知らされました。
今までの自分の無知さに。
経営って、経営技術より、もっと大事なモノがあるんですよね。
例えば、財務諸表を理解できない社長もいますけど、できた方が絶対に有利です。
資金繰りさえ何とかなれば倒産せずに済んだのに、とか、黒字なのに倒産、なんてことも珍しくないんです。
だからボクはいろんなことを学びましたが。
学んで学んで、でも、一番大切なことを学んでいませんでした。
みなさん、「無形バリュー」って言葉、知ってますか。
会社にある財産で目に見えるモノは「有形バリュー」です。
バリュー(value)ってのは価値とか財産って意味ですね。
有形バリューは、おカネとか土地とか建物とか人材とか。
そういうモノを経営者は活用して、おカネを稼いでいく。
それが経営者の仕事。
それはその通りであり、間違ってはいません。
でも、何のために?
おカネを稼ぐのが目的でしょうか。
それって、存続できないんですよ。
答えは簡単で、ある企業がお客さんに、
「当社の1番の目的はおカネを稼ぐことです。」
「当社の1番の目的はお客さんを喜ばせることです。」
どちらを支持したいですか?
間違いなく後者ですよね。
当たり前といえば当たり前ですが。
結局、おカネを稼ぐことが目的になると、支持を得られないんです。
ボクはこのブログで、おカネを稼ごう、と書いています。
読んでもらえばわかりますが、カネ儲けを目的とせよ、とは書いていません。カネ儲けは、何か良いことをするための、
手段
なんです。そこは間違ってないと思います。
で、具体的にどうやって稼ぐか。
ビジネスの基本の基本は、安く仕入れて高く売る。
これです。すべてこれです。
100円で仕入れて150円で売るから150円の利益が出る。
100円で仕入れて100円で売ってたら、儲かりません。
儲からなければ企業は存続しません。
企業が存続しなければ、お客さんはその商品を買えませんし、雇用も失われますし、株主は投資資金を失いますし、何も良いことは無いんです。
だから、うまく経営しなきゃならない。
では、100円のモノをどうやって150円で売るのか。
このプラス50円にお客さんが魅力を感じれば、その価格で買ってくれます。
そのプラス50円を生み出すのが、アイデアです。
アイデアって人間が考え出すモノであって、おカネや不動産と違って目には見せません。
小麦粉を仕入れてくるのは有形バリュー。
それをどうやってこねて焼いて、おいしいパンに仕上げるか。
そのアイデア、スキル、知恵こそ、無形バリューなんです。
では、有形バリューと無形バリューの最大の違いは何か。
それは、量ですよ。
有形バリューは量に限りがあります。
おカネは底を尽けば経営が終わります。
でもアイデアはいくら使っても減りません。
経営とは
日本は戦後数十年間、高度経済成長期という有形バリュー一辺倒の時代を経験しました。バブル経済を経験し、おカネの価値が重宝されました。
無形バリューを考えなくても、有形バリューであるおカネさえ出せば、商売は成り立ちましたし儲かりました。
でも今後の日本は違いますよね。
人口減少でマーケットも縮小します。
おカネを投じるだけでは商売は成り立たず、いずれおカネは尽きていきます。
大切なのは無形バリューの活用。いくら使っても減らない無形バリューを使って利益を生み出すんです。
無形を生み出すのは人間です。
だからこそ、従業員を大切にしなきゃいけない。
ブラック企業が根本的に間違えているのは、人間を有形バリューとして扱う点。
だから、こき使うだけ使って切り捨てる。
それをリストラと呼んでいますが、リストラの本来の意味は再構築。
人減らしでは無いんです。
人を減らせば、無形バリューを生み出す源も減ります。
無限のアイデアの源が減るんです。
だから、ブラック企業は利益を生むことができず、そのためにまともな給料も払えず、厳しい環境で従業員を使うという悪循環。
経営者が持つべき大切な視点。
何のために稼ぎ、利益を生むのか。
それは人を喜ばせ、幸せにするため。
いくらボクがここで書いても、伝わりません。
読んでください。
ボクが直近で読んだ100冊で圧倒的ナンバーワンのすばらしい本です。
紙の書籍だと高いですが、電子書籍(AmazonのKindle)版なら150円。
とりあえず買ってダウンロードしましょう!
iPhoneやiPadやandroidなどのスマートフォンやタブレット、あるいはパソコンで簡単に読めます。
「経営」をする人だけじゃなく、自分自身が企業で働く身なら読む価値あり。
いや、働いていない人も勇気付けられ、考えさせられますよ。
ホントにオススメです。