スターバックス
自分の思考力が足りないと思うコトがよくあります。
昔、商業ビルのテナントリーシングの仕事をしていました。
何らかのリテール店舗を誘致してくるわけです。
飲食店とか美容室とか衣料品店とか。
入居する方は家賃が発生するので、当然ですが、その立地でその家賃を払えるだけの売上が生まれるかどうかを検討しますし、誘致するボクらも、事業に失敗して家賃の未払いと言う状態にはなってほしくないので、お互いに慎重になります。
回転率
飲食店が成功するかどうかの重要な指標は昔も今も、回転率です。
座席数が20席のお店に1日に300人のお客さんが来るなら、回転率は15回転ですね。
当然ながら、回転率は高い方が良いわけです。
立ち食いのお店は、お客さんが長時間滞在しにくい、つまり、高回転率を狙った業態です。
昔、スターバックスコーヒーが日本に上陸し始めた頃、ボクは不思議でした。
いくら商品単価が高いとは言え、あんなに快適な席で、お客さんが長時間滞在する業態で、なぜ存続できるのだろう、と。
実際、昔ながらの喫茶店やカフェの生き残りは大変です。
しかし、新型コロナウイルスの世の中になって、カンタンなコトに気付きました。
そうですね。
テイクアウトです。
スターバックスはそもそも店内滞在とテイクアウトの併用店舗です。
あの高単価な商品がテイクアウトされるわけです。
最初から昔ながらの喫茶店とは土俵が違ったわけですね。
多くの飲食店が新型コロナウイルスで大ダメージを受けていますが、その中で、テイクアウトが一般化しました。
ノウハウと体制が定着すれば、新型コロナウイルスが終息したあとでも、店舗飲食とテイクアウトの両方を併用できます。
つまり、稼ぐチカラはむしろ強まりました。
苦しい現状で、世の中の飲食店のあり方を大きく変えた新型コロナウイルス。
ボクはスターバックスの店の前を通り、今さらながら、そんなコトを思うのです。