非天マザー by B-CHAN

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鉄道の改札を全廃すると世の中はどう変わるか

券売機

 

 

昔、山田真哉さんの、さおだけ屋シリーズを全部読みました。

 

 

 

 

その中で、ラーメン屋か牛丼屋かは忘れたんですが、食い逃げがある程度は発生すると言う話がありました。

それを見るたびに、券売機を導入すれば食い逃げを防げるのではと言われるそうですが、店では導入する気が無いとのコト。

理由はカンタン。

券売機を導入・運用するコストよりも、食い逃げされる損失の方が小さいから。

券売機を導入して食い逃げが5万円減っても、券売機コストが10万円増えれば意味が無いわけですね。

なるほど。その通り。

 

代金を後払いにする以上、食い逃げは想定されるわけで、それはある意味、

 

性善説

 

なわけです。

お客さんが後から代金を払ってくれると信じているわけですね。

結果的には、一部の人には裏切られるわけですが。

もし、性善説では無く性悪説なら、券売機を導入するわけです。

そして、その結果、食い逃げは減るモノの、経費は逆に高く付く、と。

 

 

改札

 

 

最近、光本勇介さんの、「実験思考」と言う本を読みました。

 

 

 

 

光本さんは実に奇抜な起業家で、この本も無料です。

紙の書籍版は印刷費がかかるので、その程度だけ有料ですが、電子書籍版は0円です。

なので、ボクも無料で読みました。

 

この人の実験として、性善説に基づくビジネスが色々あります。

 

実は、この本も性善説型です。

厳密に言うと、無料なのでは無く、読み終えてから、好きな金額を払えるのです。

もちろん払いたくない人は払わなくてもOK。

で、結果、発売10日間で6000万円も集まったそうです。

無料で読める本なのに払う人が少なからず存在して、しかも巨額。

6000万円って、1500円の本なら4万5千部も売らなきゃならない額ですよ。

 

これが光本流。

 

光本さんが起業した旅行会社は、旅行代金が後払い。

まあ他にもたくさんの面白い事例が載っているので、読んでみてください。

払わなくて良いので。

 

で、ボクが言いたかったのは、鉄道の駅の改札。光本さんも書いています。

あれって、完全なる

 

性悪説

 

なんですよね。

先に運賃を払ってもらってから改札機でチェックする。

 

これがもし、性善説型に切り替わったら、激変しますよね。

何せ、

 

全国のすべての駅から改札が消滅します。

切符や定期券を買えば、あとは素通り。誰もチェックしません。

つまり、大勢の人が列をなす必要も無くなるのです。

 

 ここで最初に書いた、飲食店の券売機と同じ考えが出てきます。

 

一定の人数は不正乗車をするでしょう。

何せ、改札が無くてノーチェックなので。

その分は損失になります。

しかし、改札機を導入・運営するコストがすべてゼロになります。

はたして、不正乗車による損失と、改札機のコストと、どっちが高いのか。

冒頭の飲食店の論理で行けば、不正乗車の方が安上がり、と言うコトになります。

 

もし、それが正しいコトが証明されれば、全国の鉄道会社は面倒な改札機の管理運営をする必要が無くなり、しかも利益率も上がります。

お客さんも改札に列をなす手間が無くなります。

 

日本は自動販売機もめったに壊されない、世界の中でも治安の良い国。

はたして、そんな日本で鉄道会社が性善説型に切り替えると、どうなるんでしょうか。

やはり律儀な大半の日本人はきちんと運賃を払うのでしょうか。

であれば、改札機撤廃がWin-Winで良いんですが。