株主と経営者
とあるビジネス本でボクが、今さらながら、なるほど!と思ったことがあるので書きます。
それは接待に関して。
株式会社とは、株主がおカネを出し、誰かに経営を任せる会社形態です。
株主は会社の所有者、オーナーですね。
そして経営者はあくまでも雇われているだけ。
それに対する報酬をもらうのです。
非上場のオーナー企業や中小企業なんかは、株主兼経営者と言うこともありますが、上場企業の場合は、大部分は、所有と経営は分離されているのが原則です。
経営者は株主が出してくれたおカネを元手にしてビジネスを行い、最大限のリターンを得るのが仕事です。
そのために必要なことをします。
例えば、製造装置が必要なら、それを買います。
作業する人が必要なら従業員を雇い給料を払います。
材料が必要なら、それを仕入れます。
いずれも費用がかかり、それは、株主が出したおカネを使います。
接待は株主と利益相反
さて、どこの企業でも珍しくない、接待、と言う行事。
接待するのは、受注する企業の人たち。
接待されるのは、発注する企業の人たち。
接待することで、今後も継続して注文してくださいね、なんて意味合いです。
これが、よく考えたら、おかしいんですね。
さっき書いたように、経営者や従業員は株主に最大のリターンを生むのが仕事。
もちろんそれがすべてとは言いません。
企業には社会的責任がありますから。
しかし、一義的な仕事としては、経営者は従業員は利益を生み出す必要があります。
そうしないと、株主は損しますし、そもそも利益が出なければ、会社は存続できず、結果的に、経営者も従業員も路頭に迷います。
まずは利益を生むこと。
それを達成する必要性があるのです。
接待を受けると言うことは、今後もその会社に発注すると言うこと、と書きました。
本来なら、複数の企業から相見積もりをとって、同じ品質なら、より低コストの企業に発注すべきです。
接待を受けたからと言って、その企業に発注すると、それは会社の利益に反します。
接待を受けるのは経営者や従業員、つまり、株主では無いのです。
なのに、接待を受けたことで、相見積もりをとらずに発注すると、株主の損失になります。
接待を受けると、経営者や従業員だけが良い思いをし、株主は損をする。
ね、企業のオーナーである株主から見れば、接待ばかり受けているような経営状態なら、それは株主利益に反するのと同等なので、そんな経営者はクビにすべきなんですよね。
今まで、何も考えずに、良い関係、心地よい関係だけの目線で、接待と言うモノを捉えていましたが、よく考えれば、背任と大して変わらない行為なんですよね。
もちろん、接待を受けても、それを無視してちゃんと相見積もりをとるなら別ですが。
あ、これです。