ヒット
人気と言う言葉の定義は難しいですが、ここでは、好きであると言う感情を持っていることとします。
例えば、あるラーメン屋さんのラーメンが人気なら、それを好きな人が多いと言うことです。
ただし、気を付けなければいけないことがあります。
ボクは今、あえて「好きな人が多い」と書きましたが、必ずしもそうと言えないケースがあります。
この記事が話題になっています。読んでみてください。
本と言うのは、ヒット(たくさん売れること)と人気とはボクは必ずしも比例しないと思うんですよね。
理由はとてもカンタンで、本は、買った「後で」中身を知ることになるからです。
つまり、買わないと、その本が面白いかどうかが、わからないんですね。
そして、買って、読んだ結果、ツマラナイと思った、なんてこともあるわけです。
そんな人が100万人いれば、大ヒット作品ですよ。
大ヒットしたけど、ツマラナイと思った人ばかり、つまり人気は無し、と言うことです。
だから、商業的な売上を人気のバロメーターにしてはいけないんです。
これが、例えば、音楽なら、話は変わります。
音楽は、買う前にあちこちで聞くことができます。
聞いた上で、欲しいと思った人が買う。結果、ヒットする。
つまり、売上と人気がリンクしているんですね。
ただし、この場合でも、最近は注意することがあります。
AKB48でおなじみの握手券や選挙権です。
一人で同じ歌手の音楽CDを何枚も買うケースがあります。
- 1枚のCDを買ってくれたファンが1000人いる歌手
- 1000枚のCDを買ってくれたファンが1人いる歌手
この場合、売上は同じですが、明らかに前者は人気者、後者はむしろマニアです。
だから、物理的に複数枚を買うことのできる音楽CDの売上で人気のバロメーターにするのも、若干、気を付ける必要がありますね。
映画の場合はどうでしょうか。
映画も基本的には本と同じです。
おカネを払って見終わるまでは、その映画が面白いかどうかの判断はできません。
だから、映画がヒットしたかどうかと面白さ(人気度)とは無関係です。
ただし、本と違う点もあります。
それは、リピーターがいる点です。
面白い映画は、1人が2回、3回と見るケースがあります。
なので、その分の売上増加にはつながるので、映画の場合、ある程度は、売上(興行成績)が人気のバロメーターとも言えます。
ただし、さっきの音楽CDと同じで、1人で複数回なのか、それとも多人数なのかによって、人気度は変わるので、非常に複雑です。
ちなみに、本の場合は、いくら面白くてもリピーターはいません。
面白かったからと言って、同じ本をもう1冊買う人なんて、ほとんどいないでしょうから。
飲食店はどうでしょう。
飲食店の場合は、リピートは可能です。同じ人が何度もその店に通えます。
ただし、音楽CDのように大量購入はできません。
人が食べられる量に限界があるからです。
また、本と違って、料理の場合は、1回目こそ味は未知ですが、1回食べれば、おいしいかどうかはわかります。
それがリピーターになるかどうかの分岐になります。
なので、飲食店の場合、初見客よりも、むしろリピーターの多さが人気のバロメーターになる店が、本や、音楽や、映画と違う点ですね。
感性は個人の問題
まあ、よく考えたら当たり前のことを書きました。
世の中の少なからぬ人たちは、「ヒット」とか「人気」と言う、マスコミや口コミに動かされてしまうって話です。
実際には、上に書いたように、ヒットとか人気って実にあいまいなんですが、それでも多くの人は、
- ヒットしているから買おう!
- 人気があるから買おう!
と動かされるんです。
だから、世の中の経営者は、マーケティングを学び、いかに購買意欲を駆り立てるかに苦心するんですね。
世の中がボクのような「冷めた」人間ばかりだと、マーケティング理論は何の役にも立たなくなってしまうんですが。
例えば、自分へのご褒美に高級腕時計を買おう!と言う人は結構いますが、ボクは、腕時計に何の必要性も感じていません。
スマホでも駅の時計でも時刻は確認できますから。
なので、自分へのご褒美ができるくらい働いておカネが貯まったら、それを必要性のあるモノや寄付に回してしまうんですね。
飲食店を人気度で選ぶと言う考え方もボクには理解できません。
例えば、10人中9人が、肉料理が好きで魚料理が嫌いだとします。自分1人だけが肉料理が嫌いで魚料理が好き。
つまり、世の中では肉料理が大人気。
では、自分も世の中の人気度を見て、肉料理を喜んで食べるべきでしょうか。
それって損ですよね。意味も無いですし。
食べログなどの評価と言うのは、まさにこの話です。
単にその店の人気のバロメーターなんですよ。
つまり、その店の料理をおいしいと思う人たちの「人数」なんです。
おいしいと思う人数が多ければ点数が上がり、そうで無ければ点数が下がるんです。
だから、自分の味覚とはまったく無関係。
食べログの点数でおいしい店を探すと言う行為自体が、つじつまが合って無いんですよね。
もちろん、世の中の人の味覚が全員同じなら、食べログは完璧です。
実際には、違いますからね、味覚は人それぞれ。
こんな風にボクは世の中的には少数な考え方をする人間なので、嫌がられるんだろうなあ。