個人情報の紛失
ボクはとある飲食店の宅配をよく利用します。
忙しいので、つい、宅配を頼ってしまうわけです。
注文はほぼネットから。
ある日、ボクは自宅を出て、前の道路に何やら紙が落ちてるのを見つけて、何気に覗き込みました。
すると、ボクの氏名が見えるではないですか。
拾い上げて確認すると、ボクがよく利用する飲食店の注文書。
ネットからその店への指図書です。
そこにはボクの氏名、住所、電話番号、年齢、性別、注文内容、ネットで貯まっているポイント数まで記載されています。
それがボクの自宅前の道路に落ちていたんですね。
配達員が落としたのでしょう。
たまたまボクが見つけて拾ったので良かったんですが、もし他の人が拾っていたら、完全に個人情報流出です。
そこで、ボクは、その会社の本社宛、メールで、事の顛末を連絡しました。
いわば、クレームです。
相手は誰でも知っている巨大飲食チェーンの本社。
もちろんその後、すぐに該当の店舗の担当者から電話が掛かってきました。
そして、電話だけではなく、直接自宅に来て謝罪したいと。
ボクは基本忙しいので、自宅で会える時間なんてほとんど無いんですが、なんとか調整して、来てもらいました。
そして担当者は玄関先で土下座をして、原因説明と、改善方法を説明してくれました。
クレームのホントの意味
なんだかそこだけ見ると、ボクがクレーマーで、店員に土下座させているような構図でした。
ボクを知っている人ならわかると思うんですが、ボクは怒る性格じゃ無いんですよね。
そんなボクがクレームを入れた。
なぜでしょう。
答えは簡単です。
もしクレームを入れなければ、その会社はその後も同じ体制を続ける。
すると、また同じこと(顧客情報の遺失)が起こるかもしれない。
もし、それを他人が拾ってしまったら、その会社は顧客情報を紛失した会社として、当然のように世間から非難されます。
そうです。
ボクがクレームを入れたのは、ボク自身のためでは無いんです。
今回の件は結果的にボクが自分で拾ったのでボク自身に何の損害もありません。だからボクは怒る理由も無いんです。
でも、またどこかで同じことが起こって、今度は他人が拾って、情報が漏れた人や、その会社自身がダメージを受けるのを心配したんです。
だからボクがクレームを入れるのは当然なんですよね。
再発を防いでほしいから。
で、謝罪に来た担当者は、さっそく、再発防止策を実行していることを説明してくれました。
今までは料理を入れていたボックスにそのまま書類を放り込んでいたのを、今ではきちんと別のファイルボックスに収納するようにしたと。
これでもう、書類を落として、誰かの情報が漏れてその人に被害が行く心配や、その会社自身がダメージを受ける心配が無くなりました。
クレームは過度にやりすぎるとモンスタークレーマーと呼ばれます。
モンスタークレーマーはあくまでもクレームによって自分が謝罪を求め、何かを要求する悪質な存在です。
そういうのになってはダメです。
今回のように、他の誰かや相手のことを心配して、それを防ぐために正しくクレームを入れる。
そうして世の中が良くなっていって欲しいものだと思いました。
それでも、先方は、手ぶらで来るにもいかず、ボクにはいくつかのお詫びの品を持って来てくれました。
まあそれは、ボクが受け取りを断ってしまうと、相手の担当者もまた困るでしょうから、素直に受け取りました。
あくまでも常に、自分中心ではなく、相手を考えて、あるいは他の人のことを考えて行動する。
みんながそうすれば、ホントは争いごとも無くなって世の中は平和になるんですよ。
5年前に書いた記事も載せておきます。
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