自転車の矛盾
道路交通法では自転車は車両と言う扱いなので、自動車と同じなんですよね。
なので、自転車を運転するには、自動車に匹敵するくらいの最新の注意が求められるんですが、実際には、そこまで注意深く走っている人は多くはありません。
実際、自転車の無謀運転はたくさんあります。
しかし、自転車の無謀運転を非難しても、何の解決にもなりません。
自転車は自動車と違って年齢制限も無く運転免許も不要なので、乗るスキルさえ身に付けば誰でも運転できます。
5歳の子供が運転しても良いのです。
ここに大きな矛盾があります。
判断力
子供が自転車で道路に飛び出して交通事故に遭うケースが少なからずあります。
それに対して、
飛び出した子供が悪い
と言う意見を言う人がいますが、まさに無意味の極致。
悪いと言うのは文字通り、悪事なのです。
悪事を起こしたのだから事故に遭っても仕方が無いのでしょうか。
全然違います。
例えば、自動車を運転している人が道路交通法に違反して自分が命を落とすのは自業自得と言えます。
その理由はカンタンで、
- 運転免許を取れる年齢に到達している。
- 運転免許を取るための訓練を受けている。
この2つですね。
つまり、年齢要件と技術・知識要件の両方を満たしているからです。
一方、自転車の場合、道路交通法を学ぶ機会がありません。
義務教育でも自転車に関する道路交通法を教えるコトはありません。
ましてや5歳の子供には、そもそも判断能力もありません。
判断能力も道路交通法の知識も無い子供が車両を運転できるのが日本の法律なので、無謀運転になるのが当たり前です。
5歳の子供に大人と同等の判断力を求めるコトが間違っているのです。
むしろ、5歳の子供の大人と同等の判断力を求める人には、大人レベルの判断力に欠けています。
未成年は大人のような判断力が無いから未成年なのです。
よって、道路交通法に関する知識を一度も与えられず、判断力も無い子供が無謀運転をしても、それは悪事では無く、むしろ正常な状態です。
判断力も知識も無い子供が道路交通法をきちんと守って適切な判断をして運転する方が異常事態です。
なので、自転車で子供が事故に遭えば、それは、その子供は犠牲者なのです。
はたして、運転免許を持っていない人のなかで、どれくらいの人が、自転車の二段階右折を知っているでしょうか。
もちろん二段階右折も義務教育では教えてくれません。
つまり、たまたま知っている人以外は、一度も学ぶ機会は無いのです。
自転車に乗る人は超能力者では無いんだから、二段階右折について知っておけと言うのは無謀です。
ここまで読めばわかると思いますが、そもそも日本の制度が矛盾してるわけです。
判断力が無い人でも乗れる自転車。
しかも道路交通法一度も学ぶ機会が無いのに乗れる自転車。
なのに、車両として扱う必要がある。
明らかにおかしいですよね。
自動車の免許を持たずに自転車に乗っている人は、そのことすら知らないわけです。
つまり、意図的に無謀運転をしているわけではありません。
だから、そう言う人たちを責めても問題は解決しません。
問題を解決するには、矛盾を解消する必要があります。
つまり、車両の運転には運転免許が必要とする。
少なくとも道路交通法を全員が学ぶのを義務付ける。
今年から自転車保険も義務化されましたが、それも、自転車保険が義務化されたと言う情報をたまたま入手した人だけが知っているコトです。
自動車なら全員が免許を取る義務があるので、自動車保険の知識も全員が知っています。
自転車の運転は、たまたま知っている、と言う状況の下に運用されています。
こうなると、それは、国の制度の問題です。
知らない人をいくら責めても、知らないモノな知らないので。