努力
何だか、ネット上で、努力したら報われるかどうかについての話題が流行しているようなので、ボクが誰にでも当てはまるコトを明確に書きます。
それは、
- 努力しても報われるとは限らない。
- 努力しないと報われない。
この両方が成立すると言うコトです。
これ、数学的な表現なんですが、違いを理解できますか?
必要条件と十分条件
数学で学んだのを覚えている人もいると思いますが、前者は十分条件に関する文であり、後者は必要条件に関する文です。
なので、必要条件と十分条件を理解する必要があります。
- 人間であるコトは日本人であるコトの必要条件。
- 日本人であるコトは人間であるコトの十分条件。
考えてみてください。
人間であっても、必ずしも日本人とは限りませんよね。
でも、日本人であるためには、人間であるコトが必ず必要です。
だから、人間であるコトは日本人であるための必要条件なのです。
逆に、日本人であれば、必ず人間ですよね。
つまり、日本人であるコトは、人間であるために十分に条件を満たしているのです。
これが、必要条件、十分条件の考え方。
- テニス大会で優勝するために練習が必要。
- でも、練習した人が全員、優勝するとは限らない。
つまり、一度も練習しなければ絶対に優勝できないので、練習は必要条件です。
優勝するためには、絶対に練習が必要です。
でも、練習したからと言って、優勝できるとは限らない、言い換えれば、練習は優勝のために十分な条件では無い。
必要ではあるけど、完璧じゃ無いんだよ。
それが練習と言うモノ。
逆に、テニス大会で優勝した人は必ず練習を経験している。
つまり、テニス大会での優勝は練習をした事実の十分条件。
優勝した人は必ず練習を経験しているのです。
だから、優勝は練習の十分条件。
卵は目玉焼きを作るのに絶対に必要だけれど、卵を使ったからと言って絶対に目玉焼きができるとは限らない。
この場合は、卵は必要条件ですね。
逆に、目玉焼きには必ず卵が使われているので、目玉焼きであるコトは卵が存在するための十分条件です。
この、卵に該当するのが努力ですね。
目玉焼きに卵が必ず必要なように、報われるためには必ず努力が必要です。
でも、卵を使ったらすべて目玉焼きになるわけでは無いのと同様、努力をしても、必ず報われるとは限らない。
これ、数学で学んだ必要条件・十分条件の図で見れば一目瞭然なんです。
世の中には、努力しない人(ピンク色の部分)と努力する人(水色の部分)がいます。
そして、報われるのは、努力する人の一部(緑色の部分)なんです。
この図を見てもわかるように、報われるためには、努力する必要があるんですが、努力しても報われるとは限らないわけです。
だから、
「努力しても報われないのだから努力してもムダだ!」
と言うのは間違いなんですね。
努力しないのはそもそも報われる確率がゼロですからね。
言うなれば、努力と言うのは、テニス大会への参加チケットですね。
チケットが無ければ絶対に優勝できませんが、チケットがあっても優勝できるのは1組だけ。
テニス大会への参加チケットを買わずに「優勝できないのはなぜだ?」と言っていても無意味ですよね。
まずはチケットを入手する必要がある、つまり、努力は必要なんです。
これで、冒頭のボクの2つの文が理解できたでしょうか。
どちらも成立しますよね。