議席
このブログで何度か書いたんですが、今月は参議院議員選挙なので、おさらいとして書いておきます。
支持率と議席数の関係についてですね。
話をカンタンにするために、キリの良い数字で例えますね。
例えば、ある国の国会の議席数が全部で10だとします。
選挙があって、
A党……7議席
B党……2議席
C党……1議席
になったとしましょう。
全議席10のうち、A党が7議席、つまり70%を占めました。
この国では、A党が国民の圧倒的多数の支持を得ている。
そう言えるでしょうか。
選挙方式
上記の国の選挙方式は、小選挙区制です。
小選挙区制とは、ひとつの選挙区で上位の1人だけが当選する仕組みです。
さっき見たように、議席数では、A党が圧倒的にトップ。
では、選挙の得票数はどうだったか。
選挙区と得票数を書きます。
勝った政党を赤色にしますね。
第1選挙区…A党:200票、B党:190票、C党:180票
第2選挙区…A党:50票、B党:40票、C党:40票
第3選挙区…A党:100票、B党:90票、C党:80票
第4選挙区…A党:50票、B党:300票、C党:280票
第5選挙区…A党:220票、B党:200票、C党:210票
第6選挙区…A党:300票、B党:280票、C党:290票
第7選挙区…A党:150票、B党:140票、C党:130票
第8選挙区…A党:310票、B党:290票、C党:300票
第9選挙区…A党:30票、B党:180票、C党:170票
第10選挙区…A党:50票、B党:30票、C党:480票
上記を見ると、確かに、A党が7議席、B党が2議席、C党が1議席ですね。
では、各政党の得票数を合計しましょう。
A党:1460票
B党:1740票
C党:2160票
いかがでしょうか。
何と、一番、得票が多いのがC党、次にB党、最下位がA党でした。
国会の議席数だけを見るとA党が圧倒的に支持されているかのようなイメージを持ちそうですが、国民から一番多くの支持を受けているのはC党なんですね。
一番の支持を得ているのに、国会ではわずか1議席。
この記事に何ら悪意はありません。
わかりやすくするために、あえて極端でカンタンな数字を使ってみました。
実際の選挙では、ここまで極端になるコトは無いと思います。
知ってほしかったのは、あくまでも、選挙制度の仕組みと支持率と議席数の関係。
いくら多くの支持を受けていても選挙制度によっては議席を得られないコトもありますし、逆に、支持が少なくても選挙制度のおかげで多数の議席を獲得するコトもありうる、と言う話です。
国会における議席の数や選挙結果だけを見て、国民に支持されている、と言う安直な判断をしないように。
きちんと、どの選挙区でどの政党がどれくらいの得票をしたのかをきちんと見て、どれくらい支持されているのかを考えてみてくださいね、と言う話です。
有名な話ですが、現在のアメリカのトランプ大統領も、2016年の大統領選挙では相手候補のヒラリー・クリントンに得票数では負けましたからね。
得票、つまり支持する人が少ない方の人がアメリカの大統領になったのです。
これも選挙制度の仕組みによるモノです。
まあボクは、支持率が少ない政党が国会で大きな議席を占める可能性がある選挙制度は良くないとは思いますけどね。民意が反映されませんから。
上記の例の国でも、国民から一番支持されているC党の政策では無く、最も支持が少ないA党の政策が通ってしまうんですよ。
ちなみに、日本では、単純に小選挙区だけでは無いので、上記の様な極端な例が発生する可能性は低いです。
が、支持率と議席数が直結しないのは十分に起こり得ますし、現に起こっているので、選挙の結果だけを見て民意だと言ってしまうおバカな発想はやめましょうね。
マスコミから与えられた情報を鵜呑みにするのでは無く、頭を使うコトが大切なんですよ。