努力
センター試験の世界史が満点だった高校生の話題。
仕事でもよくありますよね。
仕事をすることが目的化してしまうこと。
仕事とは本来、相手に便益をもたらすと言う「目的」のための「手段」にすぎません。
しかし、仕事自体が目的化する話をよく見聞きします。
以前、ある会社の先輩が何日も残業して仕事をしていたところ、後輩がパソコンを使って自動化し、同じ仕事をあっと言う間に終わらせました。
すると、その後輩に対して、
「ラクをするな。」
との批判が巻き起こったんですね。
呆れた話ですが、これこそ仕事の目的化。
成果物は、少しでも早く提供したほうが、サービスとしては高くなります。
なので、後輩のやり方の方が正しいわけです。
なのに、働くこと自体が目的化してしまっているので、たくさん働いた先輩の方がエラい、みたいな変な話になるんですね。
後輩の方が同じ成果物をより早く提供でき、しかも本人の残業も減る。
双方にメリットがあります。
仕事の意味をきちんと問う必要があります。
ボクも昔、パソコンの苦手なおじさん社員が1日がかりでワードで文書を作って、
「今日も1日、よく働いたので疲れた。」
と言っていたのを目撃しました。
ボクなら小一時間でできる作業です。
彼は、仕事の質よりも、サービス提供の質よりも、とにかくたくさんの時間働いたことに意義があったと思い込んでいるわけです。
当たり前のことですが、長時間働くことは努力では無く、同じ成果物をより短時間でアウトプットする工夫をするのが努力です。
長く働いたからエラいね、と言われるのは子供です。
努力は報われるか
さて、冒頭の高校生の話。
彼女の努力はすごくレベルが高いです。
その理由はカンタンで、結果を出したからです。
参考書にたくさんの書き込みをする人は少なからず存在しますが、それ自体が目的化してしまって、結果が出ない人が多いんです。
彼女は、書き込みを目的では無く手段としました。
目的はあくまでもテストの合格であり、書き込みはその手段。
目的に向かって努力したわけです。
これができた数少ない人だから、良い成績を獲得したんですね。
ところで、
努力は報われるのか
と言う議論が存在します。
答えはカンタンで、
努力しても報われるとは限らない
が正解です。
すると意味を取り違える人が出てきます。
努力しても報われないのなら、努力しない。
と言う人です。
努力しても報われるとは限りませんが、努力しなければ報われません。
つまり、努力は成功のための必要条件ではあっても十分条件では無いのです。
努力が重要な意味を持つのは、そう言う理由です。
努力すれば必ず成功するとは限らないけど、努力しなければ絶対に成功しません。
わかりやすく例えると、
テニスで猛練習しても、全員が大会で優勝できるわけでは無いが、一度も練習しない人は絶対に優勝できない。
と言うことです。
だから努力は必要です。
ただし、努力の意味を間違えないように。
工夫も無く、ただ量だけをこなすのは努力では無い、それを肝に銘じましょう。