先に死ぬ
ボクは永遠の独身なので、結婚している人たちの切実な気持ちはよくわかりません。
ただ、法的な婚姻届はしていなくても、同棲したコトはあるので、ふたりで暮らす雰囲気は知っているつもりです。
暮らしていると、たまに思うコトがありました。
それは、死に関するコトです。
結婚生活であれ、同棲生活であれ、人間は生き物である以上、死ぬ可能性があります。
死の可能性は、誰にでも平等に与えられていて、5分後に死ぬかもしれませんし、明日に死ぬかもしれませんし、10年後に死ぬかもしれません。
おそらく2人が同時に死ぬ確率は低いでしょう。
交通事故で同時に死ぬような状況以外は、たいていは、2人のどちらかが遺されます。
つまり遺族になります。
遺(のこ)りたくない
現実問題として、自殺しない限り、死のタイミングのコントロールはできません。
ボクを含め、誰もが、自分がいつ死ぬかを知らないのです。
こう書いているボクだって、明日にはこの世にいないのかも知れないのです。
結婚したり同棲して、一緒に暮らすと言うコトは、いつか、2人のどちらかの死を経験するコトになります。
自分が先なのか、相手が先なのか。
後に遺る方が、先に逝く方を看取(みと)るコトになります。
これは、そのときの愛情の大きさによるかも知れませんが、どちらの立場でもツラいですよね。
でも、先に逝く方は、それでおしまい。
遺された方は、その後も、悲しみに耐え続けなければなりません。
ボクは自分で考えるんですよね。
このまま独身で生きれば、誰かを看取るコトも看取られるコトも無い。
でも、もし、結婚したり同棲して、そのときが来たら。
やっぱり、深く考えれば考えるほど、看取る側には、なりたくない、そう考えてしまいます。
好きな人が先に亡くなるコト、その後の生活に耐えられるかどうか。
ニュースなどで、どこかの小さな子供が虐待で命を落とす事件を聞いただけでも胸が苦しくなる。
何日も何日もそのニュースが頭をよぎる。
だったら、目の前で自分の大切な人が永遠にいなくなる場面に遭遇したら。
たぶん、耐えられません。
となると、もしボクが結婚や同棲して、好きな人と最後の日を迎えるのなら、それはボクが先でありたいと願ってしまいます。
大切な人が逝くコトに耐えられない、それくらい大切に思いたい。
でも、人生って、上手くいかないモノですね。
たまに、お付き合いする人と、その話をすると、
「あなたって、相手を大切に思うと言いながら、自分が苦しみたくないんだね。自分が大事なんだね。」
と言われるコトがあります。
そう言われてしまえば、反論もできないんですが、決して、冷たい心で苦しみから逃れたいと願っているわけでも無いので、取り消すコトもできないんですよね。
そんなコトに引っかかるボクなので、たぶん永遠の独身なのかも知れません。
みなさん、先に逝きたいですか。後に遺されたいですか。