人間の能力
人間と他の動物との違いを聞かれたら、みなさん、いろんな答えを出すでしょう。
ボクが考えるに、人間と動物との本質的な違いは、創造したモノを残せるかどうかです。
中には頭の良い動物もいるんですよ。
教えたことを学ぶ動物。
でもそれまでなんですよ。
その動物が生きている間だけの成果。
それを残すことができないんです。
学習したことが子孫に伝わることは無いんです。
でも人間は違う。
自分が経験したこと、学んだこと、生み出したことを残せるんです。
残すことによって、他の人や次の世代に伝えることができます。
例えば、ボクたちは1000年以上前の法隆寺の建築現場を誰も見ていません。
しかし法隆寺は現存し、その構造を知ることができます。
人間は自分が経験したことが無くても、「残す」ことによって継承が可能です。
これが、人間が他の動物と違って文明を築き上げることができる大きな理由です。
ここで大切なのはアウトプット。
せっかく学習したことでも、それを頭の中にとどめていては自分以外の人の役に立ちません。
人の役に立とうという意思を持って行動するかどうかなんです。
ただ自分が食べたいときに食べたいモノを食べ、遊びたいときに遊ぶ。
それって自分が大切なんですよね。
でも自分だけが大切で、他人のことを考えない人ばかりになれば、世の中は平和にはなりません。
もちろん人間がどんな生き方をするかは、その人の自由です。
でも、他の人がそういう人を好きになるかどうかも自由なんですよね。
自分のことだけを考え、単なる動物のように生きる人は、人から愛されることも無いでしょう。
美男美女なら好かれるかも知れませんが、それは外面という要因。
つまり人間として愛されているのでは無く、性欲の対象に過ぎないんです。
外面に惹かれ、愛し愛されていると勘違いして結婚する人がとても多く、だから離婚もものすごい数です。
愛情では無く欲望で結婚するからですね。
人間は残すことができる生き物ですが、残すかどうかはその人の意思にゆだねられます。
他人の役に立とうと思わないような人は、当然、残そうともしません。
自分だけが良ければそれでいいんです。
せっかく人間として「残す」能力をもって生まれてきたのに、動物と同じレベルの生き方しかできないんですね。
一方、人のために役立とう、何かを残そうとする人は、人間の人間たらしめる能力を活かす人です。他の動物と違う、まさに人間として生きる人なんですね。
当たり前ですが、そういう人は、ホントの意味で、つまり外面では無く中身で、他の人から好かれます。
人間だから。
残すことは役立つこと
あなたはどうでしょうか。
自分だけを大切にする動物的な生き方をし、何も残さずに人生を終えるでしょうか。
それとも自分以外の人たちを大切にし、その人たちのために役立つことを残し、多くの人から愛されて人生を終えるでしょうか。
もし、残したモノが後生にまで役立てば、死後もずっと尊敬され名前が残るでしょう。
繰り返しますが、どちらの生き方を選ぶかは個人の自由です。
ボクの周りには幸いなことに後者が多く、そういう人たちは外面では無く、中身で、つまり人間として多くの人たちから好かれていますよ。