粗大ゴミ
ボクは不動産業界に身を置いています。
不動産業界は幅が広く、建物の売買を仲介する仕事もあれば、自ら建物を買って運営する仕事もあれば、建物のメンテナンスをする仕事もあれば、土地を開発する仕事もあれば、建物を建てる仕事もあれば、建物を設計する仕事もあれば、建物を解体する仕事もあれば、土地や建物を貸す仕事もあれば、まあ他にも多岐にわたります。
ボクもいろいろと経験して来ました。
で、建物を管理する仕事ってのがあるんですよ。
住民から電話がかかってくるんです。
粗大ゴミが捨てられていますよ、と。
自転車
担当者って、担当物件をたくさん持ってるんですよ。何十棟も。
1日に1棟訪問しても全部回るのに1ヶ月くらいかかるんです。
もちろん、デスクワークも大量にあり、住民や取引先からの電話も大量にあるので、1日に1棟ずつ回るのは難しいんですよ。
行くのに1時間、現地で1時間、戻るのに1時間、とすんなり行っても3時間は時間を取られますからね。
行くのに1.5時間、現地で1.5時間、戻るのに1.5時間なら4.5時間。1日の半分近くが消えます。
その忙しい中、粗大ゴミを見に行くんですよ。
すると、確かに粗大ゴミが捨てられています。
もちろん、誰が捨てたかなんてわかりません。
監視カメラのある物件ばかりでは無いんですし、監視カメラの撮影範囲外に捨てられているコトもありますし、監視カメラに映ったとしても、外部の人間なら、どこの誰かなんてわかりません。
さらにヒドいのは、そこに放置自転車もあるコト。
外部の人間が勝手に自転車を捨てていくんですよ。
最初は、粗大ゴミにも自転車にも、警告の貼り紙をするんですよ。
ちゃんと粗大ゴミシールを貼りましょうとか、自転車は自分で処分しましょう、とか。
でも、数週間後に見に行くと、それらのシールが剥がされ、建物の壁に貼り直されていたりするんです。
建物の壁は貼り紙が粘着して汚れます。
ボクが言いたいのは、モラルを守らない悪質な人間が多いなと言うコトなんです。
モラルを守らないだけで無く、さらに貼り紙をわざわざ剥がして建物に貼り直して、建物まで汚したりするんです。
日本は美しい国と言いますが、それは日本の美しい部分だけを語った言葉であり、日本の汚い部分もたくさんあるのが事実。
大切なのは、事実から目をそらすコトでは無いハズ。
嘆かわしい世の中なんですよ。
この日本も。
