選挙
日本の国政選挙では、特に若い人の投票率が低いと言われています。
若い人の投票率が低くて高齢者の投票率が高いので、必然的に、高齢者に有利な政治が行われる可能性が上がります。
政治家が生き残れるかどうかは選挙で決まるため、より投票率が高い高齢者に有利な政治を行う方が、たくさんの票を集められるからです。
若い人が、景気が良くならないとか、社会が良くならないとか、そんなコトを言うのは、若い人の投票率が低いからで、もっと自分たちの暮らしを良くしたいのであれば、投票に行きましょう。
と、ここまではよく聞く話ですね。
一方で、こんなコトを言う人もいます。
それは、少子高齢化で高齢者の人数がそもそも多いんだから、若者がいくら投票に行っても、数が多い高齢者には勝てない。だから、若い人が投票に行っても意味は無い。
なるほど。
ロジックだけ聞けば、確かになるほど、ですね。
世代別の数値を見てみた
では実際の人数はどれほどなんでしょうか。
手元に、2017年の人口と衆議院議員総選挙の投票率のデータがあるので、表にしてみました。
データはそれぞれ、これらのページから引用しました。
日本で一番人口が多い世代は「65~69歳」 - シニアガイド
まとめた表はこれです。
どこからを高齢者と呼ぶかは諸説ありますが、ここではとりあえず、20歳から59歳までを若者、60歳以上を高齢者とします。
20歳以上の人口はおよそ1億507万人いるんですね。
そのうち若者が6227万人、高齢者が4280万人。
投票率を見てみると、若者は33%から63%と低く、高齢者は60%から72%と相対的に高いです。
それぞれの年齢別の人口に投票率を掛ければ投票者数が出せます。
例えば、30歳代の人口は1527万人なのに投票者数は672万人しかいません。
70歳代の人口は1403万人なのに投票者数は842万人います。
人口が多い30歳代よりも人口が少ない70歳代の方が投票者数が多いんですね。
ところが、20歳から59歳の若者をひとまとまり、60歳以上の高齢者をひとまとまり、とすると、人口はさっき書いたように、若者が6227万人、高齢者は4280万人です。
若者の方が2000万人も多いんですよね。
投票者数を見てみると、若者が3067万人、高齢者が2788万人なのです。
つまり、若者の投票率は低いですが、人口がまだ多いので、結果として、投票者数も若者の方が多いんです。
しかし、その差はわずか300万人弱。
そして今後、高齢者の人口が増えるコトで、やがて逆転します。
政治家の顔ぶれを見ると、高齢者ばかりですよね。
高齢者が、投票率の高い高齢者のための政治をする。
そうすれば、票も得られるし、自分も住みやすくなります。政治家自身も高齢者ですから。
でも、考えてみてください。
もし、若者の投票率が60%に上昇すれば、投票者数は3700万人に増えます。
70%なら、約4400万人です。
若者が減り、高齢者が増えたとしても、人口が逆転するまでにはまだまだ時間があります。
その間に投票率を上げるだけで、投票者数では圧倒的に若者が上回るコトが可能です。
若者が圧倒的な数のチカラで、若い政治家を選ぶ。
そうすれば、高齢者有利な政治から、若者有利な政治に向かいます。
ホントは、この社会に、若者対高齢者と言う対立軸は無いはずです。
しかし、政治家も人間。
ボランティアでは無く、自分も生き残る必要があるのです。
だから、どうしても得票に動かされます。
もし、社会に不満がある若者が、何らかの行動をするとしたら、やはり投票すれば、有利になるのです。
そのコトを数字で検証してみました。