紙幣
日本の紙幣。
千円札、五千円札、一万円札。
これらの価値って、国が定めた価値なんです。
例えば一万円札。
このお札を製造するコストは、何千円もしません。
1枚あたり、20円程度らしいです。
つまり、物質的には20円の価値しか無いんですが、それを国は1万円と定めて流通させています。
だから人は一万円札を安心して利用できるわけです。
逆に言えば、もし一万円札の製造コストが10万円なら、人はそれを1万として使わずに、10万円の物質として誰かに売る方が良いわけですね。
会社
会社の価値を考えてみました。
会社の価値を金額で表すのが時価総額です。
株価と株数の掛け算ですね。
例えば、1万円の株価の会社の株が10万株あれば、その会社の時価総額は、10億円です。
言い換えれば、10億円出せば、その会社を丸ごと買えます。
つまり、その会社の株をすべて取得できます。
一方、解散価値と言う概念があります。
それは、会社を解散したときの経済的な価値ですね。
一万円札を物質として考えたケースと同じ。
その会社には1億円の土地と1億円の建物と1億円の機械と1億円の材料と1億円の製品があるとしましょう。
話をカンタンにするために、他に何も無いと考えます。
すると、この会社を解散したら、合計で5億円分の財産が残るわけですね。
その会社の時価総額が10億円と言うわけです。
なぜこんなに高いのか。
それはその会社が利益を生み出すからです。
つまり、財産として現時点で5億円のモノしかありませんが、それらを活用して将来にわたって利益を生み出し続ける。
だから人はその会社を10億円で買うわけです。
これが投資です。
逆もあります。
3億円の土地と、3億円の建物と3億円の機械と3億円の材料と3億円の製品があるような場合。
この会社の時価総額が10億円なら。
15億円の財産を持っているのに、会社の価値が10億円としか見積もられていません。
こんな会社、めったにありませんが、たまにあります。
この場合、この会社は存続するよりも、解散するコトを望まれたりします。
だって、10億円で会社を買って解散すれば、手元に15億円の財産が残るんですから。
逆に言えば、15億円の財産があるのに時価総額が10億円ってコトは、この会社の将来が評価されていないってコトです。
たぶん、赤字を垂れ流すだろうと思われているわけです。
だったら、財産を食い潰すよりも、いまのうちに解散して15億円を温存しようってコトですね。
これが解散価値。
お札の物理的価格と評価額は異なり、会社の物理的価格と評価額は異なる。
そんなお話でした。