資産とは
内閣府が2020年末の国民資産を発表し、前年比4.7%増の1京1892兆円とのコトです。
国民資産から負債を差し引いた国富は0.3%減の3669兆円だそうです。
世の中の人を大きく2つに分ける考え方は色々ありますが、会計知識の有無で分けるのも、そのひとつです。
特に、複式簿記の概念がある人と無い人。
資産家、と言う言葉がありますが、資産が多いコトは必ずしも富がたくさんあるコトにはつながりません。
例えば、
俺は現金で1億円持っている。
と言う人がいて、それが事実だとしましょう。
でも、その1億円がすべて借金によるモノだとしたら、実質のその人の財産は0円です。
これが、会計における、資産、負債、純資産の考え方ですね。
赤字
資産は会計におけるバランスシートの話です。
つまり、あるひとつの時点での財産の状態を表します。
一方、会計でもうひとつ大切かつ絶対に必要な指標が損益ですね。
これは、一時点では無く、一定期間のプラスとマイナスの差引きです。
普通は、1年間で測定します。
例えば、今年の収入は1億円だった場合、年商1億円などと表現しますが、それだけでは何とも言えません。
なぜなら、支出も1億円なら、1円も儲かっていないからです。
収入から支出を引いてプラスになれば利益であり、その利益が積み重なって、資産を作っていくわけです。
会計知識が無い人に多いのが、バランスシートの話と損益の話を混同するケース。
負債と赤字を混同するケースですね。
負債は、一時点における借金の額であり、赤字は、一定期間における収支の差額のマイナス幅です。
つまり、負債の大小と赤字の大小は関係ありません。
負債が多い企業は危ないと思い込んでいる人が多いですが、日本最大の企業であるトヨタは、日本最大の負債を抱えていて、その結果、日本最大の利益を出しています。
負債は事業の結果ではありません。
事業の結果はあくまでも黒字か赤字です。
負債は、黒字を出すために使われる単なるツールです。
そして重要なツールです。
大きな利益を出す企業の多くが巨大な負債を持っています。
負債と赤字を混同している人、つまり会計知識の無い人は、ここを間違えるんですね。
負債が多い企業だから倒産の危険が大きい
と言っている人は、自分には会計知識がありません、と宣伝しているようなモノです。